昨日に引き続き、iPadアプリの注目ジャンルシリーズ。今日紹介するのは「報道アプリ」だね。おもに新聞社や通信社が自社のニュースを配信するもの。日本でも各社がこの分野のアプリを出してくるだろうね。さて、じゃあ新聞をデジタル化して「ハイ見てね」でいいのかってことなんだな。すでにかなり先を行っている米国のアプリを見ながら、どんな機能やサービスが報道アプリのトレンドになっているかを探っていきたいと思う。
今回は紹介したいアプリがたくさんあるので、前後編に分けてお送りします。今日は前編だね。

まずはロイター通信の「Reuters News Pro for iPad」から。アプリを起動すると上のような画面が出てくる。上部のTOP NEWSには記事の見出し、写真、概要が並ぶ。下部にある「TOP NEWS VIDEO」は文字通り動画によるニュース解説。テレビで見慣れた北朝鮮のニュースキャスターがいるよね。たとえばこれをタップすると……。

はい、ビデオ画面が立ち上がりました。右下のアイコンをクリックするとフルスクリーンで見られる。そうですね、これはもう報道アプリの大きなトレンドといっていいでしょうね。
トレンドその1:動画によるニュース報道。ただビデオがあるというだけでなく、すでに本数や質が問われるあたりまでいっている。
テキストと写真による個別の記事はこんなインターフェイスで閲覧できる。

左の枠に記事見出しが並び、これをタップすると右側の記事部分が切り替わる。記事は縦スクロールで読んでいく。実はこれもトレンドの1つだとオレは思うな。
トレンドその2:記事単位でブロック化し、まず記事を選択。記事内を縦か横のスクロール(どちらか1つだけ)で閲覧。すなわち、ウェブ流のインターフェイスを用いる。
記事単位のブロックはウェブでいうところのページにあたる。ロイター通信のアプリのようにメニューで記事を選ぶのはまさにウェブ流でしょ。前に書いたTIME誌のアプリ版では、横スクロールが記事の選択で縦スクロールが記事の閲覧だった。これも、実はメニューがないだけで、記事をウェブの「ページ」として扱っているわけだね。
この操作感のトレンドは日本でも参考にしたほうがいいと思うな。新聞をPDF化したものにありがちな、上下左右のスクロールを使って記事を読ませるやり方はもう古い。電子雑誌にしても、紙同様の並べ方じゃ読みにくいってことだよね。
そして、上の画面にはもう1つのトレンドが見えているんですね。右上のポップアップに注目。メールかTwitterでシェアすると書いてあるよね。うん、これも重要。
トレンドその3:記事をメールで送れたり、Twitterなどのソーシャルメディアに即座に投稿できる。
なぜこの機能が必要かというと、メディアの価値が変わりつつあるからだね。単に有益な情報を流しているだけじゃダメで、「そのメディアで報道された情報がどのくらい外で話題になっているか」が重要になってきているってこと。つまり、「情報を好意的に拡散させる仕組み」が必要なんですね。
ちなみに、右下の「FedEx」をタップすると広告が表示される。

で、この画面の「LEARN MORE」をクリックすると、FedExのウェブサイトにジャンプするわけです。もちろん、これもトレンドだね。
トレンドその4:単に広告を表示させるだけでなく、その場で商品の購買ができたり、サービスの申し込みが完了したり、コマースやアフィリエイトと連動させる次世代広告。動画などの組み込みも主流になっている。
すごいよね。わずか1ページの中に3つのトレンドが盛りこまれているんだからね。トップの下部にある「Pictures」というメニューをタップすると次のような画面が出てくる。

これは、記事中に使われた写真を集めたもの。記事の目次をテキストで見るのと違って、こちらは直感的に見たいニュースがわかるんだね。たとえば、オレはアメリカン・アイドルというオーディション番組が好きなんだけど、右上の隅に司会のラインアンがいるのが一目でわかる。「お、決勝戦のニュースだ」なんてね。これもオレ的にはトレンドに入れたい。
トレンドその5:写真のサムネイルなどを使って、テキスト以外の記事への多様なアクセス方法を用意する。
このアプリでは、ほかにも世界の市況をグラフで見られたり、気になる会社を登録して株価をチェックできたりする。総合的に、かなりクオリティーの高いものに仕上がっているね。
はい、次は米国の駅売店なんかには必ず置いてある有名誌、USA TODAYの「USA TODAY for iPad」ですね。最初の画面はこんな感じ。

この画面ショットだとちょっとわかりにくんだけど、誌面の上部が本物の新聞のようにギザギザになってるんですね。このあたりのちょっとしたデザイン的配慮がiPadではすごく重要だと思う。細かいとこだけど、気が利いていますね。記事をタップしてみると……

はい、まさに新聞風のレイアウトかつ、iPadに最適化されていて、本当に読みやすいですね。操作方法は先に挙げたTIME誌のアプリとまったく同じ。左右のフリックが記事の選択で、記事内の閲覧は上下フリック。しっかり「トレンドその2」に沿っています。
さらに、右上のフォントアイコンをタップすると……

先の画面と比べてみてください。こんなに文字が大きくなりました。老眼鏡世代のオレとしては、間違いなくこの機能はトレンドだね。
トレンドその6:フォントサイズを自由に変更できる!
もう一度、トップに戻って左中ほどにある「Day in Pictures」をタップしてみましょうか。

ロイター通信では写真をサムネイルで見せて記事に導いていたよね。USA TODAYでは、フルスクリーンのスライドショーで同様のことをやっている。これがまたものすごく高品質なんだよね。人物の毛穴まで見えてしまうようなリアルな写真。やっぱりこれもトレンドに入れておこうかな。
トレンドその7:iPadならではの高画質な写真をふんだんに使う。ピューリッツアー賞ものの凄みのある写真ならさらにいい。
再びトップに戻って、今度は左下の「News Snapshots」をタップします。

これ、個人的にはかなり押したい企画だね。いわゆる世論調査をここでやっているわけですよ。上の例だと「輸入ガソリンへの依存度を下げるにはどうしたらいいか?」という設問。右側に4つの回答が用意されていて、読者はその場で投票できる。
残念ながら、日本からの投票は受け付けていないため、ボタンをタップしたらどうなるかは確認できなかったのだけどね。まぁ、世論調査だから外国人は関係ないということかな。現在の結果を表すグラフがリアルタイムで見られたりしたら最高だよね。
うん、もちろんこれもトレンドですよ。
トレンドその8:読者とのインタラクティブな企画を盛りこむ。世論調査、好きな記事、取り上げて欲しいトピックなど。さらに、その投票行動をソーシャルメディアにも告知できたら最高。
ちなみに、USA TODAYでもメールで送信や、TwitterとFacebookに投稿ができる。「トレンド3」もしっかりクリアってことだね。
というところで、前編はこれにて終了。後編にはウォールストリート・ジャーナル、AP通信、BBCニュースあたりが登場する予定です。まだまだトレンドになりそうな取り組みがたくさんあります。どうぞ、お楽しみに!

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