これぞ電子ブックのためのPDFリーダー 〜 Fast PDF

 

8月24日の記事『iPadだけでPDFやePubをダウンロードして閲覧する!』では、Downloads HD LiteとStanzaの組み合わせでPDF版の電子書籍を閲覧する方法を解説した。どちらも無料のアプリとくれば、入れておかない手はないよね。とくに、Stanzaはとても無料とは思えないほど優れた電子ブックリーダーだと思う。

今日紹介するのは、Downloads HD LiteとStanzaがそれぞれ持っている「ダウンロード」&「閲覧」の役割を合わせ持つうえに、電子書籍に特化したさまざまな機能も兼ね備えたアプリ。いうならば、電子ブックを読むために生まれてきたような優れものだね。『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』の第2章の無償配布も始まったことだし、この機会にぜひ、お試しを!

そもそも、通常のPDFリーダーと電子ブック用のPDFリーダーではなにが違うかだよね。前者の代表はやっぱりGoodReaderで、後者の代表はi文庫HDじゃないかとオレは思う。

GoodReaderはどちらかというと、オフィス文書やiWorkドキュメントなどをPDF化したものを読むにはとてもよくできたアプリだと思う。クラウドサービスやメールサーバーとの連携が優れているのも、やっぱり「ファイル操作」という概念から来ているんじゃないかと。

対するi文庫HDはめくりのアニメーションや本棚のインターフェイス、あるいは青空文庫との連携などを見ても、やはり電子ブックリーダーの色合いが強いよね。同じPDFリーダーでも、この2つの方向に特徴が分かれていってるってのを前提にこのアプリを見てほしいんだな。

ダウンロードや右開きにも対応の高速PDFリーダー
Fast PDF (350円)
Fast

さっそくアプリを起動してみましょう。

いきなり本棚が出てきましたね。1つだけ見えている電子ブックはこのアプリの解説書。操作方法がわからなくなったらコレを見ればOK。英語だけど、とてもわかりやすい解説になってます。

なにはともあれ、PDFを登録しなくちゃね。iTunesからの転送に対応しているから、パソコンにつないでPDFファイルを送ってもいいのだけど、せっかくだからウェブサイトからダウンロードしてみましょう。以前の記事、『iPadだけでPDFやePubをダウンロードして閲覧する!』では、Downloads HD Liteでやったヤツだね。

本棚上のツールバーから[地球]アイコンをタップします。

PDFファイルダウンロード用のブラウザー画面に切り替わります。最初は例によってGoogleだね。いつも例題が拙著のPDFで恐縮なんだけど、第2章も公開されたばかりなのでお許しを!

このままGoogleで「クリエイティブ仕事術」と入れて検索するか、URL欄に「http://www.impressjapan.jp/books/2910」と入れるかして、インプレスジャパンのダウンロードページを表示させます。

Fast PDFのブラウザーは本当にダウンロード専用にできています。そのため、リンクをタップするたびに、ダウンロードするのかリンク先を開くかを聞かれます。ページをたどるときは「Open」を選んでくださいね。

ページ中ほどにある[PDF]ボタンをタップします。先に説明したとおり、[Open]と[Download]を選ぶポップアップが出てきます。今回はファイルのダウンロードなので[Download]をタップだね。

URLとファイル名がポップアップで表示されます。ここでファイル名をわかりやすいものに変えておくと、あとでどの本かがわかりやすいね。適当に名前を付けたらポップアップウィンドウ右下の[Download]ボタンをタップします。

こんな風にダウンロードの経過が表示されます。なにげに、大きなファイルを落とすときなんかはこの手の表示があると安心するよね。なかなか気が利いていると思うな。

メーターが全部青になって、ダウンロードが完了したら自動的にポップアップが消えます。ブラウザー右上の[Done]を押して本棚に戻ります。

来ましたね。ブックが1つ増えました。じゃ、『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』をタップしてみましょう。

すでにこのアプリのすごさが1つ出てきましたね。なんと、表紙が右側に表示されている。ちょっとわかりずらいと思うから、他のアプリだとどうなるか見てみましょうか。

まずはGoodReaderから。

ね、表紙が左側に来て、最初のページ目が右側にくる。次のページを見るとこれじゃまずいってのがわかります。

本文下のページ番号(ノンブル)に注目だね。どちらも内側にあるでしょ。これは本来、外側にあるもの。つまり、左右のページが逆になっているわけです。最初のページが左側にあれば問題ないのだけど、先に見たように表紙が左で最初のページが右だからこうなってしまうんだね。

この症状はi文庫HDでも同じ。

やっぱり、表紙が左側に来ますね。

このブックを公開してすぐに、電子書籍に詳しい方から「表紙が左側に来ると見開き関係がずれる」とツイッターでご指摘いただいたのもこの点ですね。

この対応策として、本書担当の藤井編集長は表紙の次に裏表紙を入れたバージョンを作成して公開してくれた。先のダウンロードサイトのPDFボタンの下にそのリンクがあります。これをi文庫HDで開くとこうなる。

ね、この見開きをめくると、めでたく最初のページは左にくるからズレは解消するわけですね。そもそも、これはアプリの問題というよりは制作する側の問題だったってこと。「電子ブックは深いねぇ」なんて、オレも藤井編集長も勉強させてもらったわけです。

ところがこのFast PDFはそんな苦労をよそに、自動的に表紙を右側に持ってきてるってのがすごいんだよね。

でも、ちょっと待てよ……。ということは、Fast PDFに藤井編集長が苦心の末に作った「裏表紙を入れるバージョン」を読み込んだらどうなっちゃうんだろう? ね、素朴な疑問が沸きますよね。

ご想像通り、こうなっちゃいます。

せっかくのアプリ側の配慮が台無しって感じだよね。とほほ……、と思いきや! こいつのすごいところ第2弾。下のツールバー左から2番目の[見開き+挿入線]ボタンをタップすると……

見てください! ちゃんと最初のページが左に来ましたよ! なんとこれ、こういう風にページの左右がずれた場合に使うボタンなんだね。ボタンの解説には「Put even pages to left and odd pagest to right」と書かれている。「偶数ページを左に、奇数ページを右に」という意味ですね。

修正後の上の図は002ページが左で003ページが右。まさに、正しい見開きにしてくれたってこと。電子ブックリーダーに必要なのはこういう機能じゃないかとオレは強く思うわけです。賢いでしょ、このアプリ。

このまましばらくページをめくってみます。それも、かなり高速にガンガンタップしてみてください。いわゆる「ページめくり」のアニメーションはないけど、その分、ページの切り替えの速さがすごいんです。Fast PDFという名前の由来がここにあったんだね。GoodReaderと比べても、やっぱりコイツのほうが反応がいいですよ。

だんだんFast PDFの本性が明らかになってきたところで、今度は縦書きの書籍を読み込んでみます。下のツールバーから右端の[×]をタップして本棚に戻ります。再び[地球]アイコンをタップしてブラウザーを起動だね。

拙著でも紹介した電子ブックの投稿サイト『iPadZine』を開いてみます。Google画面から「iPadZine」で検索すると出てきますね。

トップページの左メニューから「文学・評論」を選びます。ページを移動する際は「Open」をタップだね。一覧の中から『書標』(ジュンク堂のPR誌)を選んで、右下の「直接ファイルを開く」をタップします。

先の手順と同様に、ポップアップから[Download]をタップでブックを保存できんだけど、今回はもう1つのやり方を試しましょう。「直接ファイルを開く」をタップじゃなくて長押しします。

はい、ポップアップの中味が[Open]と[Copy]に変わります。[Copy]をタップすると、PDFへの直リンクをコピーできるんだね。

ブラウザー右上の[Done]をタップして本棚に戻り、ツールバーの左から2番目、書類入れのようなアイコンをタップします。

URLの欄をダブルタップすると[Paste]の吹き出しが現れます。これをタップして、先にコピーした『書標』PDFへの直リンクを貼り付けます。[Name]欄をわかりやすい名前に書き換えて、右下の[Start Download]をタップするとダウンロードが始まります。

PDFファイルへのリンクがわかる場合は、この機能を使ってダウンロードできるってことだね。ブラウザーからゲットするほうが簡単だけど、一応、このやり方も押さえておきましょう。

はい、本棚に『書標』が登録されました。タップしてみると……

表紙がしっかり右に来て……、いや、今度ばかりはそれじゃダメだよね。試しにページをめくってみると……

縦書きの書籍だから、右から左にページが進まなくちゃいけない。ちょっと見えにくいけど、上の見開きは左が2ページで右が3ページになっちゃってる。これは横書きの綴じ方だよね。

とくに海外製のアプリだと、ほぼ例外なくこうなってしまうよね。まさか、縦書きの書籍を左から読むわけにはいきません。そこで、Fast PDFのすごいところ第3弾に登場してもらいましょう。

画面の真ん中を一度タップしてツールバーを表示させます。

左から4番目の[ページ+矢印]アイコンをタップすると……

うーん、右が2ページで左が3ページの正しい見開きになりましたね。ページの右側をタップして表紙まで戻ってみると……

すごいね。今度は左端に移動している。ちゃんと縦書き用の右開きにも変更できるってことだね。

ちなみに、i文庫HDにも同じ機能があって、上部ツールバーの[方向]で[右開き]と[左開き]を選べます。

それにしてもこのFast PDF、実はイタリア製なんだね。そのくせ、縦書きの右開きに対応してるってのがすごい。先の「偶数ページを左に、奇数ページを右に」も併せ持っているわけだから、PDF電子ブックリーダーとしては、かなりポイント高いと思いませんか?

最後に、本棚のちょっと気の利いた機能を紹介します。『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』が裏表紙アリ版とナシ版の2冊になってしまったので、これを1つのフォルダーに入れてみたいと思います。本棚でフォルダーに入れたいブックを長押しします。

上から3番目の[Create Folder]をタップすると、表紙に「Folder」という札が付きます。これをタップすると……

「ガサッ」と棚が開く音がして、中に本が入っているのがわかります。他のブックを同じように長押しして、先のポップアップから[Move into Folder]を選び、入れたいフォルダーをタップすれば、隠し戸棚に収納されます。

はい、いかがでしたか? Fast PDFはまさに電子ブックのためのPDFリーダーだと思いませんか? 価格も350円とそれほど高くはない。オレ的には赤丸急上昇中ですね。こいつのおかげで、ますます電子ブックを読みたくなっています。今日はこんな感じで。では、また!

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