iPhoneやiPadの登場でいろいろなものが変わりはじめているけど、最近、オレの中でもっとも気になっているのが「階層構造」なんだね。もっとわかりやすくいうと「フォルダー」という概念。iOS 4になってフォルダーが登場しちゃったけど、基本的にiPhoneやiPadのアプリは画面に裸でならんでいる。パソコンでいうところの「アプリケーションフォルダー」や「プログラムフォルダー」はないよね。
この「階層なしの構造」ってのが、今後、主流になりそうな気がする。たとえば、ウェブサイトとかね。なんてことを考えていたら、まさにそれを体現してくれてるアプリを見つけたんだね。しかも、オレの大好きなRSSリーダー。機能的に驚くような部分はないけど、これ、すごく今っぽいと思います。一見の価値はあると思うな。ぜひ、見てみてください。
まずは「階層なしの構造」についてもう少し説明させてくださいね。もっともわかりやすいのは、やっぱりiPhoneやiPadだよね。ホーム画面には裸でアプリが並んでる。
いまではすっかりこのインターフェイスがあたりまえになってしまったけど、いわゆる日本の携帯電話はこうじゃないよね。[機能]→[分類]→[操作]みたいに3階層以上があたりまえになってる。どちらが使い勝手がいいかは言うまでもないよね。
その意味で、iOS 4のフォルダーってどうなんだろうね。オレも最初は便利だと思って作りまくりました。こんな風にね。
いまはどうかというと、このフォルダーを直接開くことはほとんどない。それよりも、検索画面でアプリ名を入れて呼び出すほうが早いんですね。やっぱり、階層構造は時代に合わなくなってきてるとオレは思うね。
たとえば、クラウドサービスの2大巨頭、EvernoteとDropboxのウェブサイトを見てみましょうか。まずはEvernoteから。
細かなメニューはさておき、基本的にこのサイトには2つの入り口しかない。「もっと詳しく」と「始めよう」だね。「もっと詳しく」をクリックするとサービスの詳細が出てくるんだけど、1ページで完結しているから、その先にさらに深い階層はない。「始めよう」はサインアップだからこれも階層なし。
一昔前のサイトだったら、[機能紹介]→[個別の機能]→[説明]みたいな階層構造になっていたでしょ。いまはそうじゃないんだね。メニュー一発、そのあとは階層なしってのが多い。
Dropboxなんてもっとすごいよ。
これだもの。「Watch a Video」をクリックしてDropboxの解説を見るか、「Download Dropbox」から専用ソフトをダウンロードするか。その先に階層なんてまったくなしだからね。
いかがでしょう。iPhoneのインターフェイスとEvernoteやDropboxのウェブサイトの構造って同類だと思いませんか? このあたりに我々が親近感を持ったり、多くの人がマニュアルなしで使えたりする秘密があるような気がしませんか?
そういえば、Yahoo!は登場したころ「ディレクトリー」って呼ばれていたよね。当時はサーファーと呼ばれる人間がおもしろそうなウェブサイトを見つけてはジャンルごとに分類してくれていた。その分類もかなり深い階層になっていたんじゃないかな。まさにディレクトリーだったんだね。
いまはそういう風にウェブサイトをたどりませんよね。Googleにキーワードを入れるだけ。検索機能がしっかりしていれば、実は階層なんてあまり意味をなさないってことでもあるよね。
さて、今日は前置きが長くなったけど、このトレンドを体現しているアプリってのをさっそく見てみましょうか。
フリックだけで川の流れのように記事を閲覧できる
River of News (350円) 
Googleリーダーの読み込みに特化したRSSリーダーだね。起動すると、最初にGoogleアカウントを入れる画面が出る。
GoogleアカウントかGmailアドレスとパスワードを入れて右上の[Login]をタップだね。
左に登録したRSSフィードの一覧が並んでますね。「iPhone」「あとで読む」「IT News」ってのはオレがGoogleリーダーで作成したフォルダーですね。階層構造がダメなんていいながら、やっぱりフォルダーで管理をしたくなるのは昔からの性なのか……。なんて思っていたら!
このアプリにかかると、そのフォルダー階層までもこんな風にあってないものにしてくれるんだね。ここがこいつのすごいところ。通常のアプリなら「フォルダーをタップ」→「フィードを表示」という操作感になるでしょ。このRiver of Newsは上の画面のように最初からフォルダー内のフィードが露出した状態になるわけ。
たとえば、オレの大好きなReeder for iPadなら……
まずフォルダー一覧があって、これをタップすると……
RSSフィードが表示される。別のフォルダーに移動する場合は、1つ前の画面に戻ってフォルダーを選択し直す。
つまり、「行ったり来たり」もしくは「フォルダーを掘る」って動作が生じるんだけど、River of Newsにその概念はまったくないんだね。
記事を閲覧する操作感もなかなかユニークですよ。このアプリにはプレビューってのがないんだね。記事はすべて全文&画像付きで表示される。Reederの左ペインにある記事見出しにあたるものがないわけですよ。
River of Newsで記事をたどる際は、とにかく上下にフリックするだけ。
こんな風に、記事をどんどん下(フリックは上)にたどっていくんだね。
さらに、普通のアプリだったら、別のサイトに切り替えるときは左ペインでサイト名をタップするよね。River of Newsならその操作も不要なんです。なぜかというと……
こんな風に左右にフリックするとサイトが切り替わるからなんだね。実質、メニューはいらないって哲学で作られてる。ある意味、筋金入りですね。ということは、縦置きにして左のメニューを消したほうがこいつの良さを味わえそうだね。
同一サイトで記事をたどるときは、ひたすら上にフリック。
サイトを切り替えるときは左右にフリック。使ってみるとわかるんだけど、たしかに階層構造やメニューがなくても、問題なく記事が読めてしまうんです。もちろん、記事見出しだけを読み飛ばすのに比べたら時間はかかるんだけどね。思ったより、そのかかってしまう時間がイヤなものじゃなかったりする。
App Storeにあるこのアプリの解説には、これこそ「川の流れのようにニュースをたどる操作感」で、「フリックだけでなにが悪い!」なんて書かれてる。おもしろいね。
でもってこのRiver of News、デザインもなかなかのものでしょ。操作感重視だからといって、決してルック&フィールに手を抜いてないのがいいよね。むしろ、このデザインだからフリックのみの閲覧が楽しいって感じがする。
フォントサイズや文字の見た目も変更できますよ。右上の[歯車]アイコンをタップして設定画面を出します。
[Font]は[Classic]と[Modern]の2つから選べる。上の画面は[Classic]だね。[Modern]にするとこんな感じになる。
日本語の場合、とくに、記事見出しが大きく変わるね。オレは[Modern]のほうが好きですね。
[Font size]は3段階。[Small]でも充分見やすいからとくに変える必要はなさそう。一番上の[Mark items as read while scroling]をオンにしておけば、フリックして読んだものが「既読」になるってことだね。
さらに、オレ的にはRSSリーダーアプリにはなくてはならないと思ってる共有機能も充実してますよ。記事の終わりに出てくる[四角+矢印]アイコンをタップすると……
共有系のポップアップが出てくる。まずは、TwitterとFacebookへの記事投稿に対応しているね。「あとで読む」のウェブクリッピングサービスRead it Laterも見えてますね。[More…]をタップしてみると……
ソーシャルブックマークのDeliciousとPinboard、Tumblr、ウェブクリッピングのInstapaperにもしっかり対応しているね。これならメインで使っても安心です。
あえて文句を付けるとしたら、記事の読み込み、とくに画像の読み込みがちょっと遅い感じがするかな。せっかくの「川の流れのように記事をフリック!」も、読み込み待ちで中断されることが多い。このあたりが改善されたら、オレはしばらくメインで使ってもいいと思うくらい気に入っていますよ。
River of Newsが提案する「階層なしの構造」にはとても大きな意味があると思う。ウェブのサイトマップや文章やプレゼンテーションの構成を作る際にも参考になるはず。組織図なんかにも応用できるかもね。とにかく、見出レベルをできる限り少なくすること。でもって、「行ったり来たり」や「掘る」動作をなくすこと。これが「いま」という時代にいいインターフェイスを作る秘訣じゃないでしょうか。
というところで今日はおしまい。では、また!


















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