スライド、ウェブ、グラフを駆使してiPadでプレゼンテーション 〜 2Screens

 

バックナンバー『ウェブもPDFもOK! iPadを最強のプレゼンマシーンにする』や、拙著『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』でも解説したように、iPadをプレゼンに使うのはかなり気持ちがいい。あと1、2年もすればあたりまえのことになるんだろうけど、まだいまなら「すげぇ!」といわれる可能性は大だね。

今日紹介するのは、そんなiPadプレゼン術の上級編。Keynoteやパワーポイントのスライドに、Pagesやエクセルのグラフ、ウェブサイトの3要素を1つのアプリ上で途切れることなく見せてしまう技を紹介します。もちろん、iPhoneをリモコンにしてカッコよく決めちゃいますよ。乞うご期待!

まずは、iPadを使ったプレゼンについてのおさらいから。もっとも手堅くやるならオレのイチオシはこのアプリだね。

iPhoneをリモコンに使えるシンプルなプレゼンアプリ
eProjector (350円:ユニバーサル iPad版) eProjector
eProjector (350円:ユニバーサル iPhone版)eProjector

iPadとiPhoneをBluetoothでつないで、iPhoneで操作する。そもそも、iPadにはKeynoteがあるにも関わらず、なぜ、あえてPDF専用のプレゼンアプリを使うのか。

ずばり、iPadのKeynoteはiPhoneで操作できないからだね。狭い会場ならまだしも、スピーカーがプロジェクターにつないだiPadを操作しながら話すってのはやっぱり現実的じゃない。できれば、一か所に固定されずに、舞台狭しと歩き回りたいとオレは思うわけです。

ただし、eProjectorで表示できるのはスライドのみ。もし、プレゼンの途中でウェブサイトを見せたいと思っても、アプリを切り替えるとBluetoothの接続が解除されてしまう。対策としては、ウェブサイトの画面ショットを撮ってスライドに埋め込んでおくか、もう1台、iPadかパソコンを用意してプロジェクターの出力を切り替えるしかない。

こんな制限があるにも関わらず、eProjectorをおすすめする最大の魅力は安定性ですね。一発勝負のプレゼンでトラブルだけはなんとしても避けたい。シンプルな作りで淡々と使えるアプリこそが本番にふさわしいとオレは思います。

とはいいつつも、スライド以外のウェブサイトやPagesで作成したグラフなんかを織り交ぜた、ゴージャスなプレゼンがiPadでできないものかと試行錯誤した結果、ようやくいい方法が見つかりました。しかもこのやり方なら、資料の作成からプレゼンまで、すべてiPadだけでできてしまいますよ。まさに、パソコン要らずだね。

使用するアプリはコレ!

スライド、ドキュメント、ウェブサイトを駆使したタブプレゼンター
2Screens (600円:iPad版) 2Screens
2Screens Remote (350円:ユニバーサル) 2Screens

eProjectorと比べてはるかに多機能な2Screensを、なぜこれまでイチオシにしなかったかというと、とにかく落ちまくってたからだね。本番に使うプロの道具としては、あまりに危うかった。『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』の執筆中にも、本当に惜しいなと思ってました。

ところが、この数か月でアップデートを繰り返した結果、まだ若干不安定ではありますが、なんとか実用に耐えられるレベルになったんじゃないかと思います。そこで、満を持してコイツの売りである「タブプレゼンテーションブラウザー」を使い倒してみようという気になったわけですね。

じゃ、さっそく実践編に行きましょう。まずは、iWorkアプリでプレゼン資料を作成します。

【プレゼン資料の準備とアップロード】

今回はあえてパソコンなしという条件でやってみます。まずは、iPadのKeynoteでスライドを作成し、クラウドサービスのBox.netに保存します。こちらの詳しいやり方は、バックナンバー『iDiskじゃなくて無料のBox.netでiWorkをクラウド連携させる方法』をご覧ください。

下部ツールバーの一番左、[四角+矢印]アイコンから[WebDAVにコピー]を選びます。ここにはすでにBox.netの設定がしてあります。

[フォーマットを選択]では[PDF]を選びます。冒頭に紹介したeProjectorも、これから使う2Screensも、Keynoteとパワーポイントファイルに対応しています。けれども、そのままこの手のアプリに読み込むと、十中八九、フォントが変わったりレイアウトが崩れたりするんだね。

PDFで書き出すと、アニメーションなどの効果は消えてしまうけど、デザインが変わるよりはマシというのがオレの判断です。

Box.net上には[My Presentation]など、わかりやすい名前のフォルダーを作っておくのがおすすめ。この中に、Keynoteで作成したスライドを保存します。

フォルダーを選んで、右上の[コピー]をタップでアップロード開始だね。

次に、Pagesでプレゼン用のグラフを作成します。完成したら、Keynoteとまったく同じ手順でBox.netに保存します。

[四角+矢印]アイコンから[WebDAV]にコピーだね。[フォーマットを選択]画面でも同様に[PDF]を選びます。

Pagesで作成するスプレッドシートは縦長になりがち。スライドは横長だから、グラフなどもスライドと違和感がないようにレイアウトしておくのがポイントだね。

【Box.netから2Screensに資料を送る】

続いて、Box.netアプリを立ち上げます。

[My Presentation]フォルダを開くと、先にiWorkアプリからアップロードしたスライドとスプレッドシートが見えるはず。

ファイルをタップするとダウンロードが始まり、完了したら右のウィンドウにフィルの中味が表示されます。右上の[四角+矢印]アイコンをタップして[Open In…]から[2Screens]を選びます。

2Screensが起動して、スライドが表示されます。このまま2Screensを閉じて、再び、Box.netを起動。今度はスプレッドシートをダウンロードします。

スライドのときと同様に、[Open In…]から2Screensを選んでファイルを送ります。これで、すべてのファイルが2Screensに送られました。クラウドサービスと連携してくれると、パソコンなしでここまでできるってことだよね。便利です!

【シナリオに沿って要素を配置】

はい、ここからは2Screensにプレゼンで使う要素を並べて行きます。まずは、全体の簡単な構成表を書いておこうかな。

ソーシャルをテーマにしたプレゼンで、スライドの合間にツイッターとFacebookのウェブや、ユーザー数の推移を表すグラフも見せる。てな感じを想定しましょうか。

  1. スライドP1〜P6
  2. ウェブサイト(Twitter.com)を表示
  3. スライドP7〜P10
  4. ウェブサイト(Facebook.com)を表示
  5. スライドP11〜P19
  6. Pagesのグラフを表示
  7. スライドP20〜ラスト

今回、オレが作ったグラフはPagesのテンプレートそのままのインチキなものだけど、雰囲気だけってことでお許しを!

まず、プレゼンで見せたいウェブサイトを2Screensのブックマークに入れておきます。ちょっと薄くて見えにくいんだけど、上部ツールバーの真ん中にURLを入れる欄がある。その左端にある[+]をタップすると画面がブラウザーに切り替わります。

キーボードでツイッターのウェブサイトのURLを入れて[Go]キーでページを表示。URL欄の左隣にある[ブックマーク]アイコンをタップして[+ Add Bookmark for current page]をタップだね。キーボードの[Done]を押せば登録完了。

同様に、Facebookもブックマークに入れておきます。

次に、ツールバー一番左の[フォルダー]アイコンをタップして、[inbox]というフォルダーを開きます。ここに、先にBox.netから送ったファイルが保存されています。

はい、スライドとグラフの2ファイルがありましたね。最初は、上の図のようにプレビュー表示じゃなくて、ファイルのアイコン表示になっていることもあります。

スライドファイルをタップして画面に表示させたら、[ブックマーク]アイコンの左どなりにある[タブ]アイコンをタップします。

2Screensが誇るタブ切り替えによるプレゼンテーションを行う部分。ここに構成表どおりに要素を配置すればいいんだね。先にブックマークに登録したウェブサイトなどが入ってしまっているはず。スライド(Social.pdf)以外の項目はすべて[×]をタップして消しておきます。

これで、構成表の1、「スライドP1〜P6」の開始ページがタブに登録されたってことだね。

次は2の部分、ツイッターのウェブをタブに入れます。[Tabs]ウィンドウの一番上にある[New Pages +]をタップして、ブックマークから「Twitter」を選びます。画面にサイトが表示されたら、再び、[タブ]アイコンをタップ。

はい、[Tabs]に構成表の1と2が並びましたね。3番目はなんだっけ? 「スライドP7〜P10」だね。スライドファイルの保存場所は[フォルダー]アイコンをタップした[inbox]の中。ファイルをタップして画面に表示させます。

左に現れるプレビュー画面で3番目の先頭ページ「7ページ」を選んで表示させます。スライドは常に、構成の開始ページを登録するのがポイントです。

ここで1つ注意点ですね。ウェブサイトをタブに登録する際は[New Pages +]をタップしますが、ファイルを登録するときはこれをタップせずに、ただ画面に表示させるだけ。[New Pages +]を押してしまうと、[Untitled]という余計なページが登録されてしまいます。ウェブの場合は[New Pages +]、ファイルはなにも押さずに表示させるだけ。これがポイントですね。

再度、[タブ]アイコンをタップすると……

はい、要素の1から3までが並んでます。次はFacebookだったかな。ということは[New Pages +]をタップして、ブックマークから「Facebook」を選べばOKだね。1つ要素を加えるごとに[タブ]アイコンをタップして確認します。

うん、問題なく4番目の要素までが並びましたね。

5番目はまたまたスライドだから、[フォルダー]アイコン→[Inbox]→スライドファイルをタップします。でもって、5番目の先頭ページ、11ページに移動だね。

で、次はいよいよPagesのグラフ。こちらもファイルだから、[New Pages +]は押さずに、[Inbox]からファイルをタップ! 見せたいグラフは1ページだから、表示させたらおしまい。[タブ]アイコンでチェックしてみると……

おお、6番目の要素までが登録されたね。いよいよ、最後の7番目です。始まりの20ページに移動させれば完了。構成どおりになっているか最終チェックしてみます。

よし、うまくいったね。これで、シナリオどおりにすべての要素がタブに並びました。

と、ここでとても残念なお知らせ。なんとこの2Screens、せっかく苦労して並べたこのタブの情報が、アプリを終了するとすべて消えちゃうんです……。マジかよって感じでしょう。ほんと、こういう所を早く直してほしいんだよね。と、文句をいっても仕方ないんで、とにかく本番前にガッツリ並べておいて、なにがあってもアプリを閉じないようにします。

はい、気を取り直して、いよいよ本番の開始です!

【iPhoneをリモコンにしてプレゼンの開始】

iPhone側で2Screens Remoteを起動します。このアプリ、リモコンのくせにユニバーサルなんです。つまり、もう一台iPadがあれば、それをリモコンにしてもいいってこと。でも、でかすぎるよね。iPhoneにしておきましょう。

まず、iPhone側で右上の[Connect]をタップします。もちろん、iPhoneもiPadもBluetoothはオンですよ。

iPad側は[タブ]アイコンから最初のスライドを表示させておきます。次に、ツールバー右上の[スパナ+ドライバー]アイコンをタップして[Remote Control]を[ON]にします。

これで、iPhoneとiPadで通信が始まります。互いの機器名が表示されたら、どちらかがこれをタップします。

iPhone側で機器名をタップすると……

iPad側は許可するかどうかを尋ねられます。[Accept]をタップすれば接続完了。iPhone側から先に並べた構成を操作できるようになります。

真ん中にある[下向き三角]をタップするとスライドが進みます。

たとえば、構成1は[下向き三角]だけをタップして、スライドP1からP6まで進めます。構成が2に変わって、スライドからウェブサイトに移る場合は、右上の[タブ]アイコンを1回だけタップします。構成3のスライドにチェンジする際も同様に[タブ]アイコンをタップ。

このとき、タブには7ページ目が登録されているので、構成1の終わりである6ページの続きがしっかり表示されるわけです。このあたりが2Screensの賢いところ。登録するページ数さえ間違えなければ、華麗に切り替えを決められますよ。

あとはこれを繰り返すだけ。スライド→ウェブ→スライド→グラフと、ガンガン要素を切り替えていけます。うん、これでタブが保存できれば文句なしなんだけどね。

最後にオマケの機能を2つ紹介します。どちらも、iPadが手元にあるって前提だから、オレの活用法だと使う機会はないんだけどね。

パソコン版のKeynoteではプレゼンに「ノート」を入れられます。こんな感じですね。

ウィンドウの下のほうにメモが入れられるんだね。これをPDFに書き出す際に、[書き出し]オプションで[メモが付いたスライド]にチェックを付けておきます。

2ScreensでこのPDFを表示させて、下部のツールバーから[PN]アイコンをタップすると……

こんな風に、ポストイットのような感じでメモが表示されます。もちろん、この黄色い部分はプロジェクターには映りませんよ。構成の切り替え部分なんかに入れておくといいかもしれないね。

ただし、現バージョンでは日本語がNG。文字化けしてしまいます。くどいようだけど、iPhoneをリモコンにするから見なくていいとオレは思う。

あとは、ツールバーの右から2番目、[ペン]アイコンをタップすると……

スライドやウェブの画面にマーキングできます。ペンの太さや色も選べますね。うーん、どうなんだろうね。こういうのって、あまりクールじゃない気もするが。オレの使い方がセンスないのかな? まぁ、一応、機能なんで押さえておきましょう。

以上が2Screensを使ったゴージャスなプレゼン術でした。もうちょっと簡単にできるといいんだけどね。iPhoneをリモコンにするという前提で、要素をこれだけ切り替えられるのはこのアプリしかないから仕方ない。

あと、iPadのメモリーが残り少ない状態でタブの登録をやると、やっぱりよく落ちます。本番前には一度、iPadを再起動してタブ登録をやるのがおすすめですね。もう少し、研ぎ澄まされるとほんと、いいアプリになると思います。

というところで今日はおしまい。明日は、待望のEvernoteイベントです。堀さんや野間さんとの対談が楽しみ! 時間があったら、ぜひ遊びに来てください。では、また!

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