通知を共有できるクラウドサービス&アプリ 〜 NotifyMe 2

 

iPhoneやiPadを有効に活用するなら、やっぱりクラウドサービスとの連携は欠かせない。最近では、多くのアプリがEvernoteやDropbox、Box.netなどとの連携を強化しているし、すでに名声を勝ち得たこれらのメジャー系クラウドに個性的な機能で対抗する新たなサービスも出始めている。

今日紹介するのは、そんな新興勢力の1つだね。単にデータを保存するだけじゃなく、クラウドであるが故の新しい可能性を見せてくれるサービス+アプリです。できることはいたってシンプル。ずばり「通知」だけ。その通知がクラウドサービスで提供されることでさらに便利になる。そのあたりに注目してみてください。

英語でいうところの「Push Notification」、すなわち通知アプリはすでに数多くリリースされている。なにを通知してくれるかというと、おおよそはツイッターやFacebookに届いた自分宛のメッセージだったり、Gmailの新着メールだったりする。

有名なところでは、ソーシャル系に強いBoxcarや、Googleのサービス専用のiGmailなんてのがある。IM+ Proも、ツイッターやFacebookなどの通知に使えるよね。

でもって、今日紹介するのは、同じ通知でも上記のものとは用途も通知内容もまったく異なる。基本的には「自分が忘れそうなアクションを自分自身で登録しておいて、時間が来たら教えてもらう」というめちゃくちゃ単純なもの。

リマインダーを共有できるクラウド通知サービス&アプリ
NotifyMe 2: ToDo in coloud (700円:iPhone版) NotifyMe
NotifyMe 2: Control Center (1,200円:iPad版) NotifyMe

実はこのNotifyMe、最近出た新しいアプリかというと全然、そうじゃない。けっこう前からあったんだね。ただ、そのころのはバージョン1。名前に堂々と「2」を付けてるように、最近のアップデートでかなり強力になったんですね。

値段も高価なうえに、ユニバーサルじゃないから、両方買ったらら2,000円近い出費ですよ。はたして、このNotifyMeにそれだけの価値があるのか? そのあたりを厳しい目で見ながら、コイツの実力を見定めてくださいね。

じゃ、アプリを起動してみますよ。まずは、iPad版から。

まずはアカウントの作成だね。そうなんです。NotifyMeはローカルじゃなくてクラウド上に通知データを保存するんですね。それゆえに得られるメリットの数々。オレはそこに惚れました。あとでじっくり解説しますよ。

サインインすると、ホーム画面が現れます。

うん、スッキリしたなかなかいい感じのデザインだよね。アプリは第一印象が大事です。まだ、通知を作成していないので、右ペインは空欄です。と、ここで、「そもそも、自分宛の通知ってどんなときに使うんだ?」という素朴な疑問が湧いてきませんか? オレはかなりそれが気になったんだよね。下手したら無用の長物になっちゃう。

そもそも、NozbeなどのToDo管理アプリや、Googleカレンダーを使っていれば、そちらに通知が必要なアクションは入れてあるわけだからね。それらとどう使い分けるか? ここが問題です。

でもって、昨日からいろいろ使ってみて、いくつか実践で使えそうなシチュエーションを見つけました。こんな感じですね。

  • ToDo管理アプリには入れない「5分で完了するアクション」のうち、いますぐじゃなくて、数時間後にやろうと思うもの。
  • ToDo管理アプリに入れたものの、つい忘れがちなアクション。
  • パソコンなどで集中して仕事をしている際に、「11時になったら教えて」と家族に頼むような場合。
  • 帰りの電車の中で「あ、今日はあれを買って帰ろう」と思いついた買い物リスト。
  • だれかに教えてもらった今晩、放送予定のおもしろそうなUSTREAMの番組。

どうでしょう。つまりは、ToDo管理アプリを補完する役目だったり、ToDo管理アプリに入れるまでもない些細なアクションだったり、ある種のタイマー代わりだったり。まぁ、それなりに使い道はありそうだよね。

じゃ、一発、最初の通知を作ってみますか。オレがもっとも忘れがちな「電話する」でいきます。画面右上の[New cloud reminder]をタップだね。

一番上の吹き出し部分に通知の内容を入れて、[time]で日時を指定します。[repeating]では通知の繰り返しを設定できるんだけど、これがちょっとすごい!

日数、曜日はあたりまえ、たとえば……

「毎月第3火曜日」なんてのも設定できちゃう。こういう機能からインスパイヤーされて、使い道が浮かんできそうだよね。でもって、オレがあきれたのがコレ!

「99年ごと」ってお前は何歳まで生きるんだ! って突っ込み入れたくなるような項目があったりする。というか孫の代までNotifyMeを使えってことか? そうね、たとえば「お前は人様の役に立っているか?」なんて通知を2年ごとに送ってみたりしてね。自分に気合を入れ直すアプリ……。

でもって、NotifyMeは通知をカテゴリーで分類しておけるんだね。あらかじめ5つのカテゴリーが用意されてます。今回は仕事の電話なので、[Work]を選んでみようかな。[category]の項目をタップします。

左側のドラムから好きなカテゴリーを選べばOK。すべての項目を指定し終わったら、右上の[Done]をタップして、次の画面で[Save]をタップすれば通知の作成は完了です。

左ペインの一番上、[Upcoming](近々通知される項目)をタップすると……

作成したばかりの通知が表示されます。カテゴリーの[Work]にも緑色で「1」とあるよね。緑の数字はまだ通知されていない項目の数を表しています。

ところで、NotifyMeのカテゴリーを見てみると、なにかに似ている感じがしませんか。そう、NozbeなどのGTDの流れを汲むToDo管理アプリでいうところの「コンテキスト」だね。

コンテキストとは、タスクを行う場所や状況を表すタグのようなもの。詳しくは、拙著『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』の無料配布版を参照してください。Nozbeの使い方を解説した第1章にコンテキストについても書かせていただきました。

せっかくなので、NotifyMeのカテゴリーをNozbeのコンテキストと同じ名前に揃えたいと思います。先の「電話する」は、オレの場合[電話]というコンテキストを付けてます。新たに[電話]カテゴリーを作成してみましょうか。

左ペインから[Edit Category]をタップ。さらに、右上の[Add new category]をタップします。

テキストボックスに[電話]と入れて、下のドラムからアイコンを選びます。おお、ちゃんと電話のアイコンがあるね。これはラッキー。

ついでなんで、いつか使うことになるであろう[メール]カテゴリーも作っておきます。もちろん、Nozbeにも[メール]コンテキストがありますよ。

おお、今度は「@」アイコンが使えるね。うん、こういう雰囲気はとても大切。じゃあ、先に作成した「藤井氏に電話」を[電話]カテゴリーに移動させましょう。

左ペインの[Work]カテゴリーをタップして、右ペインにあるカテゴリーを変えたい項目をタップします。

[catergory]欄をタップして、ドラムから[電話]を選べばOK。先の手順と同様に[Done]→[Save]とタップすれば、通知が保存されます。

でもって、この通知は先にも書いたようにクラウド上に保存されています。つまりは、サインインさえしておけば、ある機器で作成した通知を、別の機器でも受けられるってことだよね。

じゃあ、iPhone版のNotifyMe 2: ToDo in cloudのほうで通知を待ってみましょうか。

ほんと、あたりまえなんだけど、ちゃんとiPhoneにも通知が届きました。なるほどね。このあたりがクラウドサービスであるがゆえの最初のメリットだね。

ちなみに、iPhone版には上図のように[New local]というボタンがあります。これは、クラウド上にデータを保存せずに、iPhone内で完結する通知を作成する際に使います。そうね、たとえば、飛行機の中なんかで活躍してくれるのかな。とくに、10時間を超えるフライトなんかには役立ちそうだね。

iPhoneに通知が届いた直後に、iPadを見てみると……

先の画面と比べて、ちょっとした変化が見られます。まずは、[Upcoming]の数字がゼロになってますね。でもって、その下の[Completed]に赤い「1」が表示されてます。NotifyMeの初期設定では、通知が送られるとアクションが自動的にコンプリートされるようになっています。

さらに、[電話]カテゴリーの数字も緑から赤に変わってます。つまり、緑は通知前、赤は通知後の項目数を表すってことだね。

と、ここまでがだいたいNotifyMeバージョン1の機能だね。もし、これだけだったら、オレもそれほど気に留めないアプリだったろうし、このブログでも紹介してないかもしれない。バージョン2の新機能はクラウドサービスの利点をフルに活用した「共有」にあるんだね。

自分が作成する自分だけのための通知が、共有というキーワードによってどんな価値を持ち始めるか。そのあたりに注目してくださいね。

じゃ、まずは共有設定をやってみましょうか。iPad版の左ペインから[Account settings]をタップします。[Settings]ウィンドウが表示されたら、ずっと下にスクロースさせて[Sharing & Friends]をタップします。

一番上のテキストボックスに、通知を共有したい相手のメールアドレスを入れます。あ、このアドレスはNotifyMeにアカウントを持っている人って前提ですね。まだアカウントがない人のアドレスを入れると、「そんな人いません!」と怒られます。

右上の[Send request]ボタンをタップすると……

下の欄に、共有のリクエストを送った相手のメールアドレスと、その右に[pending…]という文字が表示されます。

さて、送られた相手はというと、共有設定を行った直後にすかさず通知が届きます。

うん、さすがは通知アプリだけあるよね。このあたりは抜かりない。[表示]をタップしてみると……

はい、こんな風に「相手から共有のリクエストが来たけど、受ける?」と聞かれます。もちろん、[Allow]をタップだよね。

先のボタン部分が[authorized]に変わってますね。じゃあ、リクエストを送ったiPad側はどうなってるかというと……

iPhone側で[Allow]ボタンを押した直後にその旨の通知が届き、先に[pending…]となっていた部分が[authorized]に変わります。これで無事に、2人は通知を共有する仲になれました。

さて、ではこの状態でなにをすればいいか? たとえば、こんなシチュエーションはどうでしょう。

「Aさんはその日の深夜2時から、待ちにまったiOS 4.2 for iPadのリリースを告げるスティーブ・ジョブズの基調講演がUSTREAMで中継されることを知り、Bさんに伝えた。でも、帰宅したBさんはそのことをすっかり忘れて寝てしまうかも知れない。ここは1つ気を利かせて通知でも打っておくか」

ね、ありそうじゃないですか。じゃ、さっそくBさんのために人肌脱いであげましょう。

まずは、先の手順と同様に、新しい通知を1つ作ります。

通知の内容と日時を設定します。せっかくなんで、[USTREAM]というカテゴリーも追加しちゃいました。でもって、ここからが楽しいところですよ。

下のほうにある[Sharing]の欄をタップすると……

おお、先に共有リクエストを送った相手のメールアドレスがあるじゃないの。こういうのオレ、本当に好きだね。アドレスの右にあるチェックボックスにチェックを付ければOK。[Done]→[Save]とタップして、通知を保存します。

この直後、相手のNotifyMeには[Sharing]というカテゴリーが自動的に作成され、その中に……

バッチリ、iPad側で共有設定した項目が追加されています。まさに、「知らぬ間に」だよね。項目にはしっかり[Shared]と書かれてます。この人、2時になって自分が入れた覚えのない通知が出てきたらびっくりするだろうね。でもって、「ああ、アイツが入れておいてくれたんだ」と感動すら覚えるかも。

どうでしょう? 実はこれって、いろんな使い道があると思いませんか。自分だけの通知が、クラウドによって共有できるようになると、その価値や可能性が何倍にも大きくなるんじゃないかな。

たとえば、すっごく仕事ができるんだけど、細かいことをすぐに忘れてしまう上司と一緒に使うNotifyMeってのもアリだよね。「必ず○○さんに電話してくださいね」なんて入れておくわけ。

あとは、恋人同士や夫婦間でもいけるよね。「明日は私の誕生日よ!」なんてのを強制的に送るのも悪くない。「あんた、帰りに牛乳買ってきてよ!」みたいに、ショートメッセージの代わりに使う手もある。

あるいは、少人数のコミュニティーなんかで、「今日、夜9時から○○さんのインタビューがNHKで流れまーす!」みたいな通知を送りあったら楽しくないですか。

メールやツイッターでその手のメッセージを送るのと違って、通知の場合は時間差があるじゃないですか。前もって設定しておいて、その時間になったら通知が届く。このあたりにおもしろさがあるんじゃないかとオレは思うな。うん、通知の共有は人を豊かにする可能性を持ってる。このアプリというかサービスには、そんな不思議な魅力がある気がしますね。

さて、NotifyMeにはもう1つの共有方法があります。こちらはかなりの荒技だね。

左ペインをずっと下にたどると、[Add account]というボタンがある。これをタップすると……

新たにアカウントを作成したり、別のアカウントでサインインしたりできるんだね。つまり、この機能を使って、別のメンバーの通知作成を一手に引き受けようってこと。これはすごい、というか乱暴だよねぇ。試しに、別アカウントを作って入れてみましょうか。

こんな風に、茶色の帯が1つ増えました。これが他人のアカウントだったら、そいつのNotifyMeにここからいくらでも通知を送れるというわけ。ああ、だからiPad版には「NotifyMe 2:Control Cneter」なんて名前が付いてるんだね。

ボタンの下に書かれた解説によると、「ここで別のアカウントを追加して、あなたの家族の通知をすべて管理できます」ときたもんだ。はっきりいって、そんなことするお父さんは嫌われるに決まってます。もっと別の用途を編み出すべきだよね。

まぁ、少人数のプロジェクトで進行管理役の人がせっせとリマインダーを入れてあげるってのは、けっこう実践的かな。とくに、オフィスが離れてる場合なんかに効果を発揮しそうだよね。

あとは、サークル活動とかにも使えそう。秘書と社長で共有ってのも便利かもね。いずれにしても、「あなたに預けます!」って関係じゃないとちょっとね。間違っても、夫婦間でなんか使っちゃダメだとオレは思うぞ。

そうそう、NotifyMeはクラウドサービスだけあって、ウェブ版も用意されてます。

めちゃくちゃシンプルだけどね。一応、押さえておきましょうか。ちなみに、このサイトではアカウントの新規作成はできないみたいだね。アプリからやっておかないとサインインできません。

はい、以上がNotifyMeというサービスの全貌だね。なんどもいいますが、バージョン1のスタンドアローンのときはほんとに魅力を感じないアプリだった。なんか取って付けたようなね。でも、このNotifyMe 2はやっぱり別物だと思います。「共有」というキーワードが、これほどサービスの性格を変えてしまうってのはほんと驚きですね。

実はこのブログ、一度、9割書いたところでブラウザーがクラッシュして、全部、消えてしまいました。もう、そのショックたるや、筆舌に尽くしがたいとはこのことだよね。で、二度目の執筆なんだけど、このアプリでよかったなと思いますね。2回書いても楽しかった。そのくらい、ちょっと惚れてるNotifyMeでした。

というとこで、今日はおしまい。大切な原稿を書いているときはマメに保存、という5分ごとの通知をNotifyMeに入れたくなりますね。では、また!

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4 Responses to “通知を共有できるクラウドサービス&アプリ 〜 NotifyMe 2”

  1. anihei 2010年10月30日 at 11:09 AM #

    非常に参考になる記事をありがとうございます。

    ちょっとお尋ねしたいのですが、skypeのビデオコールを使えるiPhoneアプリをご存知でではないでしょうか?
    fringが使えた時は非常に便利に使っていたのですが、、、、
    iPhoneとデスクトップ上のskypeで使う事を想定しています。
    教えて頂けると助かります。
    よろしくお願いします。

    • zonostyle 2010年10月30日 at 10:13 PM #

      コメントありがとうございます。
      私もfring以外に、ビデオ対応のアプリは知りません。いつも探しているのですが、なかなか難しそうですね。
      なにか情報をゲットした際には、お知らせいたします。
      お役に立てずに、すみません……。どうぞ、よろしくお願いします。

  2. YNJIRO 2011年8月28日 at 2:24 PM #

    すごく参考になりました。
    アイコンのかわいさと素敵なUIとiPhone/iPad/Mac/Webにて共有できる便利さに惹かれて今更各デバイスのAppを揃えてみました。

    この寄稿から半年以上経過していますが、Zonoさんはまだこのアプリは使用されていますか?
    というのも私はToodledoを使用しているのですが、タスク/リマインダーの棲み分けがいまいちスッキリしません。

    その後新たな活かし方を見出されているようであればアドバイスをいただけませんでしょうか。なんせ僕の感度にアイコンとUIが突き刺さり諦められません。
    よろしくお願いいたします。

    • zonostyle 2011年10月22日 at 9:28 AM #

      YNJIROさん、コメントありがとうございます。
      返信がとても遅くなってしまってすみません。今日まで投稿に気付きませんでした。
      私はToDo管理にはNozbeを使っています。この手のサービスと、リマインダーとの使い分けはズバリ「軽めのものはリマインダーで済ます」です。
      そもそも、ToDo管理は項目が多くなりがちです。そこで、できるかぎり小さなものはリマインダーで処理するようにしています。
      今日思いついた「○○を買う」や「誰々に電話」などが候補になると思います。GTDにある「2分で済ませられるもの」に該当するかもしれません。
      では、これからもよろしくお願いします。

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