質問、提案、リクエストで会議を前に進める 〜 SpeedTextタグ活用術

 

アプリは手段であって目的じゃない。いくら優れたものを見つけたとしても、「なにに使うか」が不明だと宝の持ち腐れになってしまうよね。このところ、Underscore NotifyやNoteshelfなど、本当に素晴らしい手書きメモアプリが登場しているけど、やっぱりそれぞれに道具としての役割を持たせて使いたいとオレは思う。

そんな中、もう1つの大物アプリがiPadにやってきた。iPhoneでオレのイチオシだったSpeedTextだね。コイツに関してはインストールする前から使い勝手は間違いなしの確信がある。それよりも目的だね。どう使えばもっとも効果的か? 数日間、使い倒してみてようやく結論が出ました。今日は、SpeedTextの「タグ」機能を最大限に活用するテクニックを提案したいと思います。

まず、これまでに紹介してきた数々の手書きメモアプリについて、その役割をイメージしてみた。いまのところ、大分類すると次の3つかな。アプリのリンクをクリックすると、このブログの過去記事にジャンプしますよ。

うん、いわゆる手帳、メモ帳のような用途、いわゆるモレスキンのように使うなら、高反応でデザインや雰囲気のいいPenultimateとNoteshelfだろうね。

一方、A1サイズのノート領域が使えるJot!、無限大に書き込めるUnderscore Notifyは、デザインやコンセプトの打ち合わせでやるような、模造紙を使ったブレストみたいに、広々と使うのがいいと思うな。

さらに、Evernoteと同期するUnderscore Notifyは、Evernoteのもう1つのインプット、手書き入力ツールと捉えることもできる。

もう少し使い込むうちに、もっと具体的でおもしろい用途が見つかるかもしれないけど、いまのところはこんな役割をイメージしてそれぞれのアプリを使っていますね。

さて、じゃあ、新たにiPadにやってきたSpeedTextの役割はなにか? 今日は結論から書きますね。ズバリ、これです!

「ガチンコの会議で使うタグノート」

うん、SpeedTextにしかない「タグ」機能を活用することで、ここぞという重要な会議で活躍するんじゃないか。そんな予感がするんですねぇ。

1行単位でタグ付けできる高反応手書きアプリ
SpeedText HD (600円)
SpeedText

残念ながら、SpeedTextはユニバーサルじゃありません。しかも、iPhone版は115円だったのに、iPad版は600円とかなり高くなってます。でも、600円の価値は充分にあると思いますね。

さて、ガチンコ会議の話をする前に、まずはひととおりSpeedTextの設定と作法を解説しておきます。とはいっても、機能はいたってシンプル。ちょっとした設定だけやっておけば、ごくごく直感的に使えます。

アプリを起動すると……

まさに、iPhone版をでかくしたようなインターフェイスだね。デザインや雰囲気もそのままって感じ。さっそく書き始めてもいいのだけど、オレのおすすめの設定を紹介しておきます。

ツールバー左上の[i]アイコンをタップすると設定画面が出てきます。

[罫線]は好みのものを選べばOK。オレは真ん中の縦線入りが好きですね。ポイントは次の4つかな。

  1. 単語間隔:4px
  2. Tab幅:70px
  3. Input area sizeの高さ:低
  4. 手首の接触を無視:オン

1の[単語間隔]はそもそも英語向けの機能だと思います。SpeedTextは入力枠に一度に書いた文字列を「単語」と認識する。たとえば、「This」と「is」を別々に書いた場合、「This is」と単語の間をどのくらい空けるかをここで設定できるんだね。日本語の場合、そんなスペースは必要ない。なので、最小値にしておくのがおすすめです。

2の[Tab幅]も、英語で使う段落始まりのインデントを想定しているんじゃないかな。日本語の場合なら、オレは全角スペースとして使いたい。なので、やや幅を狭めています。

3は入力エリアの高さなんだけど、初期設定の[中]だと、かなりデカイ字を書かなきゃいけなくて手が疲れます。[低]で充分だと思うんだけど、このあたりは好みかな?

4はいわゆるリストガードね。画面に手を着けて書ける機能。これは必須です。

次に、入力枠の左下にある[星+チェック]アイコンをタップします。

上に並んでいるアイコンについてはあとで解説するとして、設定しておきたいのは、下の欄の線の太さだね。[細][中][太]の3種類が選べます。オレは[中]が好きですね。[細]だとなんか弱々しいというか、寂しい感じがしてダメ。これも好みでしょうね。

ペンの色は3色のみ。まぁ、普通に使えるのは黒かな。ぜひとも、紺色は入れてほしいですねぇ。

これで手書きのための設定は完了。あとはノートに名前を付けるだけだね。ツールバー左上の[Note]をタップします。

ノートの一覧画面に移動します。無印良品的な素朴なデザインだね。悪くない。左下の[四角+矢印]アイコンをタップでノート名を付けられます。

今回は商品の販促会議ということにしてみました。なんてったって、ガチンコだからね。

はい、これですべての準備は完了。さっそく、SpeedTextの書き味を試してみましょうか。

入力欄に適当な量の文字を書き、手を離している時間が0.5秒過ぎると……

こんな風に、縮小された文字がノートに挿入されます。この0.5秒という時間は、先の設定画面にある[入力待ち]で、0.2秒から0.8秒の範囲で調整できます。iPhoneでは0.3秒で使っていたのだけど、iPadだと字が大きくなった分、間に合わない感じだね。初期設定の0.5秒でちょうどいいと思います。

それにしても、このアプリの書き味はスゴイね。もう、どんなスタイラスでも完璧に認識してくれて、しかもどれだけ速く書いても大丈夫。ほんと、頭が下がります。

入力枠の右下にある[BS]ボタンを押すと、一度に入力した文字数だけ削除できます。上の場合だと[BS]で「文字を書く」がすべて消去ということだね。オレは頻繁に[return](改行)ボタンと間違えて押してしまいます。SpeedTextにはアンドゥーやリドゥーがないから、一度消すと元に戻せません。やっぱ、アンドゥーボタンほしいですよね。

ちなみに、ノートの最左端まで[BS]を押すと……

左に余白を作らずに、めいっぱい文字を入れられます。縦線が入っているノートだと、空けておいたほうがキレイだけどね。

文章の途中をタップすると、入力の切れ目にカーソルが現れます。

ちょっと見えにくいけど、「に」の後にカーソルがいます。この状態で文字を入力すると……

文章の途中に挿入されるんだね。まさに、デジタル。この挿入機能はいろいろ使い道がありそう。

はい、では、これからこのSpeedTextをひっさげて、販促会議にガチンコで挑みたいと思います。その前に、「ガチンコ」の意味を解説しておきますね。

これはそもそも、『すごいやり方』(扶桑社刊)という本を共著した大橋禅太郎(@sugoikaigi)に教えてもらったノウハウなんだけどね。禅太郎はオレが知る限り、おそらく日本でナンバーワンの凄腕マネージメントコーチです。

その後、『すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!』(大和書房刊)や『行動力・力』(サンクチュアリパプリッシング刊)など、イケてる本を多数、出版し、現在はすごい会議というコーチ集団を率いて活躍している。

その彼が、

「発言を質問、提案、リクエストの3つだけにする」

と、会議が前に進むというんだね。もう8年ほど前に聞いたこのノウハウ、実はオレもいろんな場面で使わせてもらっていて、その効果は身をもって実感している。ただし、はじめてこのルールを適用すると、たいていは会議に参加してるメンバーは金縛り状態になるんだけどね。

もっと深い部分は彼の著書を読んでいただくとして、要は、質問、提案、リクエスト以外の発言は、サッカーでいうところの「ボールを横に出す行為」であって、会議を前に進めないってことなんだね。ボールを前に出すのは提案とリクエスト。だからそれ以外はいらない。

質問も本当に疑問点を尋ねる場合に限っていて、相手の意見を否定するための「それで本当に売れるの?」といった意地悪系は許されない。

この鉄の掟を適用した会議を、オレは「ガチンコ」と呼んでいるんだけど、SpeedTextがこれにピッタリの機能を持っていることに気付いたんだね。実際に使いながらそのノウハウを見てみましょうか。

まずは、ツールバー右上の[i]アイコンをタップして設定画面を出します。ずっと下のほうにスクロールして、[Evernoteのタグ設定]という項目をタップします。

先に、ちょっとだけ見えていたアイコンがあったよね。実はあれ、SpeedTextではタグの役割を持っているんです。しかも、それぞれのアイコンは自由にタグ名を変更できるんだね。全部で28種類もあるけど、ここで使うのは「質問」「提案」「リクエスト」の3つ。

適当に自分がふさわしいと思うアイコンを選んで、この3つのタグ名を付けます。オレは[?]を質問、[ハート]をリクエスト、[ファイアー]を提案にしました。これで準備は完了。Evernoteのその他の設定はあとでやりますね。

じゃあ、画面左下の[IconTagA]をタップします。

初期設定では[緑のチェック]と[緑の白抜きチェック]になっているアイコンを[?](質問)に変えます。右側のアイコンは[Clear]を押すと空白にできますよ。その右側の[Page]と[Line]ボタンは[Line]を選んでおきます。

次に[IconTagB]をタップ!

今度は[ファイヤー](提案)アイコンに変更だね。右のボタンは同じく[Line]に。

[IconTagC]もまったく同じ。

残りの[ハート](リクエスト)にして、ボタンを[Line]にすればOK。

これで会議に臨めます。書きたいことをガンガンSpeedTextにメモしていきましょう。

営業からの報告があったりするかもしれません。備忘録として日付などを記録することもあるよね。

でもって、だれかの話を聞いている最中に、「あれ、いまどのくらい売れてるのかな?」と数字が聞きたくなったとします。素朴な疑問だね。

メモには「現在の実売部数は?」と書きました。おお、これは質問だよね。先の3つのルールにあてはまってます。その場合は、入力欄の左下にある[星+チェック]アイコンをタップして……

[?]アイコン、すなわち「質問」タグを付けておきます。ポイントは「タグを1つ付けたら[return]をタップして改行」だね。1行に1タグにしておきましょう。

またまた、適当にメモを続けているうちに、今度は販促につながりそうなあるアイデアがひらめきます。「Twitterでハッシュタグを使って顧客とやりとりしたらいいのでは?」なんて書いているうちに、「ああ、これは3つのうちの提案だよ」と気付いたとします。

先の[?]と同様に、[星+チェック]アイコンをタップして……

[ファイヤー]アイコンの[提案]タグを付けておきます。

さらにさらに、今度は「Facebookにファンページを作るといい。これは藤井君が担当するのがふさわしい」とひらめいたとします。この場合は、依頼する人が明確なので「リクエスト」の形になりますよね。

あるいは、「営業担当の井上さんが、各店舗への入荷状況をメンバーに定期的に報告するとさらにいいのでは?」と思ったら、これもリクエストとして伝えるのがいいでしょう。

[リクエスト]タグは[ハート]アイコンだったかな。先の2例と同様に、リクエスト部分にタグ付けをしておきます。

実際にはリクエストには最終的に「いついつまでに」と「日付」が付きますが、ひらめいた瞬間にメモするとしたら、上のような感じになるでしょう。

ひととおりメモを採り終えたら、右上の[Note]をタップしてノート一覧に戻ります。ノートを再起動するような感じですね。本来はその必要はないはずなんですが、アプリのバグなのか、一度ノートを閉じないとこれ以降のステップがうまくいかないみたいです。

再度ノートを開いたら、まず左下の[IconTagA]をタップします。

左のペインに注目! 最初に[質問]タグを付けた文が見えているはず。そうなんです。この[IconTagA]はあらかじめ登録しておいた[質問]タグ付きの行だけを拾って表示してくれるんですね。

つまり、ノート全体を見渡さなくても、この欄だけを見れば、自分が[質問]タグを付けた文が一目瞭然というわけ。あとは挙手するなり、いきなり発言するなりして質問すればいいだけ。

同様に[IconTagB]をタップすると……

右ペインに「Twitterに#iCreを作る!」という提案が表示され、[IconTagC]なら……

藤井君と井上さんへのリクエストがちゃんと見えています。

もちろん、ノートが1ページのみなら、わざわざこの機能を使わなくても、アイコンを目で追うほうが速いかもしれません。そこで、2ページ目に「提案2」、3ページ目に「提案3」を書いてタグ付けしてみると……

はい、こんな風にページをまたがっても一覧できてしまうんですね。しかも、左ペインの「提案その3」をタップすると……

1ページ目から3ページ目にジャンプして、該当する部分をブルーでハイライトしてくれる!
(と、すごそうに書いてますが、現時点ではこの機能がうまく働く確率は50パーセントくらいです。何度かタップしているうちに、固まったり表示がおかしくなったりします。便利な機能なだけに、早急に直してほしいですね。それまでは左ペインの表示だけでがまんしましょう)

どうでしょう。拙著『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』では、「メモは未来に向けて採る」「ひらめきをメモする」と書きました。SpeedTextなら、まさに自分のメモの「未来の部分」にタグを付けられるということ。でもってそれを発言していけば、会議が前に進む!

いろんな活用法があると思いますが、オレはこんな風に使いたいと思いますね。

さて、書き終えたメモはiPhone版同様に、Evernoteに保存しておきましょう。先にタグの名前を変更した設定画面に[Evernote]の欄があります。アカウントを入れて、[Evernote設定]を次のようにするのがおすすめです。

ページ幅は[A4]がいいと思います。ファイル形式はもちろん[PDF]。背景や罫線はお好みで。ポイントは[送信マークの表示]ですね。すべてを[オン]にします。

この状態で左上の[四角+矢印]アイコンから[Evernoteへ送信]をタップすればOK。送った直後には画面左上と、左ペインの[List]欄に緑の印が付きます。

ちょっと小さくて見えにくいですが、緑のラインが見えていますよね。Evernote送信後にノートに変更を加えると……

上図のように緑の線が赤に変わります。つまり、Evernoteに保存されたノートよりもバージョンが新しくなったということだね。これを目安に保存をすれば、マニュアルだけどかなり正確な同期ができるようになるというわけ。地味だけど、保存という方式をとっているアプリとしては気が利いていると思うな。うん。

Evernoteに送られたPDFもなかなかキレイですよ。こんな感じ。

本当に、紙に書いたみたいな感じがしませんか? そうそう、[質問][提案][リクエスト]のタグ設定画面でボタンを[オン]にしておくと、上図のようにEvernoteでも同じタグが付きます。こうしておけば、たとえば[リクエスト]タグでソートするだけで、会議で決まったアクションが検索できるよね。

はい、以上が、ガチンコの会議を想定した「SpeedTextタグ活用術」でした。でも、これはほんの一例。自分が書いているメモにリアルタイムにタグが付けられて、いつでもソートして表示できるってのは、本当にいろんな応用があると思う。まさに自分流を編み出せる絶好の機会だと思うな。

ぜひ、SpeedTextを活用してさまざまな仕事術を編み出してください。今日はいつもにまして長くなった。では、また!

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