新しさが詰まった無印良品の手書きメモ 〜 MUJI NOTEBOOK

 

昨日、ちょっとワクワクするような知らせが届いた。なんと、あの無印良品でおなじみの良品計画からiPadアプリがリリースされたらしい。しかも、カレンダーと手書きメモアプリというから、期待も高まるよね。すでに、Underscore NotifyやNoteshelf、Penultimateなど、そうそうたるメンツが出そろっているこの分野で、どんなオリジナリティーを発揮してくれるのか。

ツイッターでも#iCreのハッシュタグに「気になる」とのツイートがいくつか寄せられていた。中には「すでにいいのを持っているから人柱待ち」なんてのもあり、オレは「人柱引き受けます。感想は良かったらブログに、そうでなかったらツイートします」と答えた。でもって、いま、こうしてこのアプリについて書こうとしているということは……。そうなんです。けっこう気に入っちゃいました。こいつには不思議な魅力がありますよ!

ところで、無印良品ができたのって、いまからどのくらい前か覚えてますか? いま、Googleで調べてみたら、今年で30周年記念らしいんだね。ということは、オレが18歳のときか。うーん、時が経つのは早いね。

いまでこそ、もうだれでも知っているブランドになったけど、無印が登場したときの衝撃はいまでも忘れない。あの、ぶっきらぼうな無地の表紙のノートを見て、「ああ、なんかこういうのカッコイイかも」と思ったものです。

「空気のように使いやすい文房具」ってのが彼らのモットーだったらしい。たしかに、無印の文房具には「主張しすぎない存在感」ってのがあるよね。オレも若いころはずいぶんと世話になったものです。

さて、そんなMUJIブランドのiPadアプリが登場した。しかも、オレがもっとも気にしているジャンルの1つ、手書きメモだものね。国産ということもあるし、できれば使いたくなるようなアプリであってほしい。そんな思いを胸に、こいつをダウンロードしてみました。

4種類の入力方法を備えた“だれにでも使える”手書きメモ
MUJI NOTEBOOK (450円:iPad版)
MUJI NOTEBOOK - Ryohin Keikaku Co.,Ltd.

1つ、最初に書いておきたいことがある。このアプリのターゲットは、おそらくITのことなんかあまり詳しくないiPadユーザーだと思う。そんな知識はどうでもいいから、やりたいことができればいい。いわゆる「だれでも」に向けたアプリじゃないかな。

つまりね、こういうターゲットのはっきりした製品に対して、知識を振りかざして重箱の隅をつつくようなことをいうのは、あんまり粋じゃないってこと。すっごく高機能なものが使いたければ、Underscore NotifyNoteshelfを買えばいいんだものね。

そのあたりを念頭に置きながら、MUJI NOTEBOOKを起動してみましょう。期待はかなり大きいよ。

うーん、無印らしいすっきりしたデザインじゃないかな。「My Notebooks」には作成したノートの一覧が表示される。新しいノートを作るには[新規ノート]をタップだね。

[新規ノート作成]ポップアップでいくつかの設定をします。[タイトル]にノートの名前を入れて、[サイズと向き]でノートの仕様を決める。サイズはA4とレターの2種類。それぞれ縦向きか横向きかを選べるから、全部で4種類ってことになるね。

次に[背景]でノートの罫線なんかを指定する。こちらも、「無地」「罫線」「方眼」「4コマ」の4種類が用意されている。実はこれがMUJI NOTEBOOKの売りの1つになってる。なんと、背景に使われてるのはすべて本物の無印ノートと同じもの。なるほど、そうきたかって感じだね。

以前、このブログで『スキャンしたノートを台紙にできる手書きアプリ 〜 smartNote』って記事を書いた。まさに、あの発想ですよ。本物のノートを背景に置けば、iPadでもかなり紙に近い感覚で使えてしまう。文房具メーカーが作る手書きアプリなら、そうしない手はないよね。

でもって、最後の[色]でノートのとじしろ部分の色を指定します。こちらは「グレー」「エンジ」「グリーン」「イエロー」「ブルー」の5色。NoteshelfやsmartNoteほどカラフルではないけど、無印ならこんな感じでいいんじゃないかな。

すべての指定を済ませて[作成]ボタンを押すと……

まずは罫線の入ったノート。たしかに、このやわらかな感じは無印のノートそのものだね。

上部ツールの[ペン]アイコンを二度タップすると、手書きのペン先を設定するポップアップが出てきます。[色]は上図の10色だけでなく、無段階のパレットにも切り替えられます。

[太さ]は、オレ的にはスライダーを2ミリほど右に動かしたくらいがいいかな。[透明度]のスライダーを左に動かすと、マーカーのように下が透ける線が書けます。

じゃ、さっそく、スタイラスを使って文字を書いてみましょう。

うん、反応はすこぶるいいよ。このブログで過去に紹介したスタイラスだったら、どれでもまったく問題なくスラスラ書けますね。

ちょっとマニアックに分類すると、書いたままを忠実に表現するPenultimateやNoteshelfのタイプじゃなく、線を滑らかにする修正を加えるUnderscore NotifyやsmartNoteの系列ですね。でもって、後者の中でもかなり優秀なほうじゃないかという感じ。うん、これは幸先いいね。

マーカー系もかなりキレイ。

こういうのって、最初のパレットにどんな色合いが入ってるかの勝負だと思うな。無印らしい中間色でいいんじゃないですか。

さらに、MUJI NOTEBOOKには3つの手書き入力方式が用意されています。[ペン]アイコンをタップした状態で、下部ツールバーの右にある[四角+ペン]アイコンをタップすると……

こんな風に大きな手書き入力ウィンドウが現れます。なんとこのアプリ、FastFingaやSpeedTextでおなじみの、拡大入力もできるんだね。上図の左上に薄い長方形の枠が見えてるのがわかりますか。ここに拡大入力したテキストが入るというわけ。しかも、この枠は好きな場所にドラッグできちゃう。うーん、これは新しいね。

さっそく、薄い長方形の枠を少し下にずらして、拡大入力してみました。枠のギリギリいっぱいまで書いたら、左側の[右向き矢印」をタップします。

これで、すでに入力済みの文字はノートに挿入され、続きが書けます。ここにも、ちょっとしたうれしい工夫がなされてます。拡大入力枠の左側に、前に書いた文字の最後尾が薄く表示されてるよね。これがあることで、入力ごとに変なスペースが空かくなるというわけ。うん、よくできてるよね。

あとは、本当にノートの好きな場所に、色を変えたりしてバンバン書き込めばOK。

左の[改行]ボタンで改行もできます。実はオレ、拡大入力ってあまり好きになれなかったのだけど、このアプリで初めてちょっと楽しいかもと思った。好きな場所に入れられるってだけで、印象がまったく違ってくる。これは新たな発見だね。

書いた文字を消す場合は、上部ツールバーの[消しゴム]アイコンをタップだね。でもって、この消しゴムがまた、ほかのアプリとひと味違うんですねぇ。

消しゴムで書いた線をなぞると、上図のようにグレーで塗りつぶしたようになります。画面からスタイラスを離さないかぎりこの表示のまま。消したい領域までいくらでも塗りつぶしの領域を広げられる。で、すべて塗り終わったら画面からスタイラスを離すと……

こんな風にパッと消えてしまいます。この間、約2秒くらい。なるほど。他のアプリでは消しゴムって見えないのがあたりまえだからね。下手すると、消したくないところまでサクッとやっちゃうことがあるよね。このグレーの塗り潰し方式ならその心配もないってことか。

ここまででも、MUJI NOTEBOOKがかなり本気で作られたアプリだってことがわかるんじゃないかな。細かいけど新しい機能がいくつも詰まってたりする。1点だけ要望を言わせてもらえれば、ぜひ、画面に手のひらを付けて書ける「リストガード」は付けてほしいなぁ。

無印良品のアプリ紹介ページにはプロモーションビデオが上がっていて、そこではこんな風に女性が「手」で絵を描いてます。これならリストガードは必要ない。

冒頭に書いたように、「だれでも」を想定して作られたアプリだから、スタイラスなんてもしかしたらマニアックなのかもしれないけどね。でも、オレはあえて、そんな方々にもスタイラスをおすすめしたい。そのほうが手書きアプリは広まると思うんだよね。なので、やっぱりリストガードをリクエストします。

さて、次はテキスト入力。ここにも楽しい工夫が盛りこまれてますよ。まずは、上部ツールバーの[A]アイコンを二度タップします。

手書きと同様に、文字の色やサイズ、フォントをここで指定するんだね。ただし、[サイズ]のスライダーはまだ使えないみたい。動かそうとするとポップアップウィンドウが閉じてしまいます。つまりは、大、小の2種類が選べるってことだね。

テキストが挿入される場所は、先の手書き拡大入力と同様に、薄い長方形の部分。こちらも、好きな場所にドラッグできますよ。

大小それぞれ、色を変えて書いてみました。このあたりで、「なんかMUJI NOTEBOOKって独特の雰囲気があるなぁ」って感じがしてきましたね。色合いなのか、ノートの背景なのか、文字の感じなのか。言葉ではうまく言えないけれど、ほかのノートとはなにかが違う。いい雰囲気があるんですねぇ。

はい、ここからはちょっと驚きの機能が登場します。なんと、手書き認識によるテキスト入力ですよ。しかも、補完機能付き!

[A]アイコンをタップした状態で、下部ツールバーの[あ+ペン]アイコンをタップすると……

下に手書き入力枠が出てきます。ここで、1コマに1文字ひらがなを書いていきます。うまく認識されると、上図のように、手で書いた文字がフォント表示に変わります。でもって、上の変換候補に注目!

iPadの辞書だと、「てが」だけ入れてもこれだけの候補は出てきません。つまりはこのアプリ、独自の変換辞書を持ってるってことだよね。ここでは「手書き」を選んで……

次に「にんし」と手書きで入れると、またまたこれだけの変換候補が現れます。いや、ほんとスゴイね。まるでATOK Padを使ってるみたい。オレは「認識」と入れたかったので、そいつを選びます。

ここでいったん、右のツールボックスから[四角+ペン]アイコンをタップして、入力枠を消します。今度は下部ツールバーの[A+ペン]アイコンをタップすると……

今度は英語の手書き認識モードに変わりました。「OK」で始まる単語がズラリと並んでます。

ただし、現時点での手書き認識率は決して高いとはいえない感じかな。クセをつかむとうまくいくんだけどね。もし、アプリが間違って認識した場合は、その文字を長押しすると別の候補が一覧表示されます。

「です」と書いたのに、「でち」になっちゃってます。でも、修正候補にある「す」を選べばいいってこと。どちらかというと、英語のほうが認識率は高いね。変換候補が充実しているから、英語のテキストを書く場合にはかなり活躍しそう。

Underscore Notifyも、最近のアップデートでWritePadという別のアプリの手書き認識機能を組み込めるようになったんだけどね。こちらは英語のみ。しかも、アプリ内課金で別料金になってる。

つまりは、いわゆる普通の手書きメモアプリで、日本語の手書き認識にも対応してるのってはたぶん、世界初じゃないかな。

あとは、この手のアプリでは定番の機能になっている、画像の読み込みにも対応してます。右上の[四角+矢印2個]アイコンをタップして[イメージの読み込み]を選ぶと、iPadのカメラロールから画像を挿入できます。

挿入した画像は、右下のハンドル部分をドラッグすればサイズも変えられるし、好きな場所に移動もできます。

さらにさらに、MUJI NOTEBOOKは単なるノートだけじゃなく、PDFリーダーとしての機能も兼ね備えてるんですね。いや、ほんとあなどれないですよ、このアプリは。

PDFを読み込むには、いわゆるiTunes転送を使えばいいのだけど、Dropboxからもいけちゃいます。

こんな感じで、DropboxにPDFを上げておいて、iPadのDropboxアプリでファイルを表示後に右上の[四角+矢印]アイコンをタップ。アプリの一覧から[NOTEBOOK]を選べばOK。これでMUJI NOTEBOOKに転送されます。うん、この機能が使えて本当によかった!

送られたPDFをMUJI NOTEBOOKでタップすると……

ね、この見せ方もいいと思いませんか。冒頭に出てきた[My Notebooks]はノートの一覧。ノートをタップするとノート内のページを一覧表示。オレはこのインターフェイス、ちょっと気に入りましたね。ここから開きたいページをタップすれば一発ジャンプだしね。

しかもですよ、PDFを手書きアプリに読み込めるということは……。そうなんです。アノテーション、すなわち、校正ができちゃうんですね。

こんな風に、線は手書き、文字は拡大入力でやるもよし。

薄い長方形の挿入枠が自由自在に移動できるのをうまく使って、テキストで修正文字を入れるもよし。はっきりいって、アノテーション専用アプリに勝るとも劣らない使い勝手です。

ただし、これはあくまで普通の手書き線を使ったもの。専用アプリで校正したPDFはアクロバットやMacのプレビューでもアノテーション部分を再編集できますが、さすがにこのアプリはそこまでは対応していません。でも、これを相手に送るだけのやりとりなら十分だよね。

PDFビューアーとしての実力は本当に普通って感じだね。こちらも専用アプリほど使いやすくはない。とくに、下部の赤いツールバーが文字にかぶってしまうのは改善の余地ありですね。ま、でも、ほかにPDFビューアーがないとしたら、これでも充分に読めちゃうからね。このあたりも、アプリをどっさり買わないユーザーにはうれしい機能かもしれません。

さて、ここまできたら、少なくともこのブログを読んでいる方なら、クラウドサービスに保存したくなりますよね。もちろんといってはなんだけど、MUJI NOTEBOOKにはその手の連携機能はありません。

でも、やっぱりオレ的にはなんとかしたいわけで、EvernoteとDropboxには一応、送ってみました。上部ツールバーの[四角+矢印2個]アイコンをタップして、[ページの書き出し]を選びます。

まず、表示しているページだけか、ノート全体かを選び、[書き出し先]の[メールで送信]にチェックを付けます。[書き出しを実行]をタップしてメール送信画面が現れたら……

おなじみのEvernote送信用アドレスと、Dropbox保存用のアドレスを入れます。

Dropboxにメール送信でファイルを保存するためには、専用のサービス「Send To Dropbox」を使います。設定方法はいたって簡単。ウェブサイトにアクセスしたら、[Connect to Dropbox]という文字をクリックして、Dropboxのアカウントを入力するだけ。

これで、こんな感じの保存用の専用アドレスが表示されます。

アドレスが気に入らなければ、[I want a different address…]をクリックすると、別の候補を表示してくれます。上のアドレスもすでに変えてあります。これをiPadの連絡先に登録しておくのがおすすめですね。

というわけで、先のメール送信画面にはEvernoteの送信用アドレスと、Dropboxの保存用アドレスの2つを入れます。

じゃ、どんな感じに送られたか、Evernoteから見てみましょうか。

うん、かなりいい感じですね。本当にノートっぽい。

Send To Dropboxのアドレスを使って送信したファイルは、Dropboxの[Attachments]というフォルダーに保存されます。こちらはというと……

まぁ、Evernoteと同じじゃなきゃ困るんですけどね。まったく問題なくPDFが保存されました。ただ、この方法で送信する場合、日本語のファイル名は文字化けするみたいですね。

はい、これで無事にクラウドサービスに保存もできました。正直いって、ここまでよくできたアプリとは想像していなかったんだけどね。なによりも、作っている人たちが本気だってのが伝わってくるのがいいよね。

ちなみに、無印自慢の本物のノートを使った背景はほかにも……

方眼用紙や……

おなじみの4コマノートがあります。どれも、たしかに見たことがある趣ですね。

はい、当初はもっとあっさり終わるかなと思ったMUJI NOTEBOOKのレビューだけど、けっこうなボリュームになっちゃったね。だれでも使えるシンプルさと、実は奥の深い多機能さを兼ね備えてるってことかな。

結論からいうと、まだ手書きメモアプリを持っていなくて、これを買ってみようかなと思っている人には間違いなくおすすめできます。メモだけじゃなく、PDFも読めちゃうしね。

問題はすでにUnderscore NotifyやNoteshelf、Penultimateを持っているという場合だよね。うーん、難しいけど、450円という価格が気にならないなら、持っておいてもいいんじゃないかな。とくに、iPadの購入を検討している友人や恋人や家族がいる人は、これ、絶好のプレゼンアプリになると思いますよ。

てなところで今日はおしまい。本当はカレンダーも併せて書きたかったんだけどね。これだけの量になったら、別の記事にしないと。でも、MUJIアプリがいいできで、なんかうれしいです。では、また!

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2 Responses to “新しさが詰まった無印良品の手書きメモ 〜 MUJI NOTEBOOK”

  1. resili_resio 2010年11月3日 at 12:04 PM #

    使ってみた

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