iPhoneやiPadでPDFを活用するための必須アプリ18(前編)

 

iPhoneやiPadの実力を最大限に発揮するためには、クラウドサービスとの連携が欠かせない。さらにいえば、そこで「どんな種類のデータを扱うか」も見逃せない重要なポイントだと思う。いろいろな選択肢はあるけれど、やっぱり、OSや機器の種類を問わずに扱えるPDFの役割は大きいだろうね。

この分野にはGoodReaderという万能選手がいるんだけど、それぞれのジャンルで活躍してくれるエキスパートの存在も忘れちゃいけない。そこで、今回は前後編に分けて、オレが日々、活用しているPDFを扱うための必須アプリを一挙に紹介しちゃいます。15のジャンルから厳選した計18本が登場しますよ!

アプリを見ていく前に、PDFについてちょっとおさらいしておきましょうか。簡単にいうと、PDFとは……

「OSやメーカーなどが異なるコンピュータ間で、元のレイアウトやフォントを変えずに文書を表示できる」

ファイル形式ということ。

フォントやレイアウトの情報をファイルの中に持っているってのが最大のポイントだね。

PDFは、1993年にアドビシステムズによって発表されたんだけど、本格的に普及し始めたのは95年に「ネットスケープ・ナビゲーター」というブラウザーのプラグインが出てからかな。さまざまな種類のコンピュータがつながるインターネットとの相性が抜群だったというわけ。

さらにPDFには……

  • 圧縮によってファイルサイズを小さくできる
  • 音声や動画を埋め込める
  • パスワードをかけて閲覧や編集を制限できる

といった特徴がある。これらは電子書籍や電子雑誌のフォーマットとしても最適なわけで、ePubなどと並んで、ますます普及する可能性を持っているんですね。

でもって、この「異なる機器間で文書を元のまま表示できる」というメリットは、iPhoneやiPad、Androidなんかの新しいデバイスでもそのまま生きてくる。1人のユーザーが2種類、3種類とさまざまな機器を使いこなすようになった今日、PDFこそがその橋渡しをしてくれる重要なファイル形式だとオレは思うわけです。

たとえば、パソコンのワードでこんな文字が入った文書を作成したとします。

ここでは、全部で6種類のフォントを使っています。

これを、ワードのファイル形式のままiPadのDocsToGoというアプリで開いてみると……

無残にもフォント情報はほとんど失われてしまいます。パソコンで文書を作成する際に使ったフォントがiPadに入っていないから、こうなってしまうのがあたりまえなんだけどね。

そこで、ワードで作成した文書をフォント埋め込みのPDF形式に変換して、今度はGoodReaderで開いてみます。

はい、同じiPadを使っているにも関わらず、PDFなら6種類のフォントがバッチリ表示されてますね。

オレはこの違いがものすごく大きいと思っています。単なる文字情報だけじゃなく、フォントやレイアウトといったコンテキストもやりとりできること、これがPDFの1つの魅力じゃないかな。

でもって、実はこれだけじゃなく、PDFには注釈が付けられたり、検索やアウトライン表示ができたりと、iPhoneやiPadで活用するうえで便利なメリットがたくさんあるんだね。アプリとともに、そのあたりの可能性もぜひ、チェックしてみてください。

じゃあ、iPhoneやiPadでPDFを活用するための必須アプリ18、ちょっとした使い方のコツも含めて、いってみましょうか!

【その1:ファイル転送】

PDFを各アプリに送るための絶対必須アプリ!
Dropbox (無料:ユニバーサル)
Dropbox - Dropbox

あたりまえの話だけど、これから紹介するアプリを活用するためには、まずPDFを読み込まなくちゃならない。最近では、このDropboxから直接ファイルをダウンロードできるものも増えてきたよね。でも、まだまだパソコンとUSBでつなぐiTunes転送のみに対応なんてのも少なくない。

それでも、使う可能性のあるPDFはすべてDropboxに置いておくのがおすすめなんですね。アプリに転送するには、DropboxでPDFファイルを表示させて……

右上の[四角+矢印]アイコンをタップ。[Open In…]から使いたいアプリを選ぶってのが基本。Dropboxとの連携に対応していないアプリでもこの方法なら素早く簡単にPDFを送れます。

ただし、PDFを開けるアプリがたくさん入っていると、目当てのものが[Open In…]のリストに表示されないこともある。使うものだけに絞ってインストールしておくってのも大事ですね。

Dropboxとの連携に対応していないアプリから再度、Dropboxにファイルを保存する際には「Send To Dropbox」というサービスを使ってメール送信でやるのがおすすめです。

【その2:ファイル管理】

PDFの管理は手書きもスキャンも検索できるコイツで決まり!
Evernote (無料:ユニバーサル)
Evernote - Evernote

こちらも定番中の定番だから紹介するまでもないのだけど、PDFの管理という役割を強調するために、あえてピックアップしました。

なんといっても、注目は検索機能。テキストはもちろんのこと、iPhoneのカメラでスキャンした文書や、手書きメモまで検索できるってのが最大の魅力だね。

上図は「Twitter」で検索したところなんだけど、ホワイトボードをキャプチャーしたPDFから、手書きのTwitterという文字をバッチリ認識してくれてます。やっぱり、これ以上のPDF管理アプリはないんじゃないかな。

Dropboxが「アプリに送る」役割だとすると、Evernoteは「アプリから収集する」のに活用するイメージだね。最近のアップデートで[次の方法で開く…]に対応したから、アプリからの転送がさらにやりやすくなった。

上図は、後半に登場する「Save2PDF」というなんでもPDFに変換してくれる便利なアプリなんだけど、[次の方法で開く…]にしっかりEvernoteが見えてますね。つまり、ここで作成したPDFを一発でEvernoteに保存できるというわけ。

この機能に対応していないアプリの場合は、Evernoteのメール送信用アドレスを使って保存します。つまり、PDF関連のアプリは最低限、メール送信機能が付いてきなきゃダメってことだね。

「Dropbox→各アプリ→Evernote」という流れを押さえておけば、転送、閲覧、編集、保存、管理といった行程がものすごくやりやすくなる。iPhoneやiPadでPDFを活用する際の基本中の基本ともいえるね。

【その3:書類を閲覧する】

PDF活用に必要な機能をすべて備えた万能アプリ
GoodReader for iPad (115円:iPad版) GoodReader for iPad - Good.iWare Ltd.
GoodReader for iPhone (230円:iPhone版)
GoodReader for iPhone - Good.iWare Ltd.

マイクロソフトオフィスやiWorkで作成した文書をPDF化したものを閲覧するなら、このGoodReaderがベストチョイスだね。なによりも、連携するクラウドストレージの数がすごい!

どこに保存しておいても、読み込んでくれるってのがうれしいね。メールサーバーから添付ファイルを抜き出したりもできてしまう。

でもって、ページの表示を片方にするか見開きにするかを選べたり、ページの切り抜きや、テキストだけの抜き出しができたりと、書類の閲覧に便利な数多くの機能を持っているのもすごい。

ほかにも……

海外製のアプリだけあって、こんな感じの横書きの電子雑誌を読むのにも最適だったりする。

[Browse the Web]で「http://www.evernote.com/m」と入れれば、EvernoteからPDFをダウンロートできるし……

上図のように、[Mange Files]の[Open In…]からEvernoteに保存もできちゃいます。この2つはぜひともマスターしておきたい連携だね。

iPhoneやiPadでPDFを活用したいないら、このアプリだけはなにも考えずに入れておく。オレは、Dropbox、EvernoteとこのGoodReaderを「PDF三種の神器」と勝手に呼んでます。

GoodReaderには、ほかにも注釈を入れるアノテーション機能があるんだけど、こちらは後述する専用アプリのほうがおすすめかな。

【その4:電子書籍を読む】

DropboxとEvernoteに連携する超優れもの
i文庫HD (800円:iPad版)
iBunkoHD - nagisa
i文庫 (450円:iPhone版)iBunko - nagisa

PDFの電子書籍を読むなら、絶対に入れておきたいのがこのi文庫。とくに、iPad版のi文庫HDは必須だと思うな。Dropboxからの読み込みにも対応しているし、最近のアップデートで付加された「読書メモをEvernoteに送る機能」は、もう奇跡としかいいようがないくらい便利。

表紙によるページのズレも修正できるし、日本語の書籍には必須の「縦書き右開き」にももちろん対応してる。紙をイメージさせるやわらなかデザインや、自動的に余白を削って文字を大きくしてくれる機能など、「読む」に特化した超優れものだね。

過去記事読書メモをEvernoteにクリップできる電子ブックリーダー 〜 i文庫HD

縦書き右開きにも対応した高速PDFリーダー
FAST PDF (350円:ユニバーサル)
Fast PDF - MobFarm S.r.l.

もう1つのおすすめがこのFAST PDF。海外のアプリながら、i文庫と同様に表紙によるページのズレ修正や、「縦書き右開き」に対応しているのが最大の特徴。

さらに、名前のとおり表示が速いってのも魅力だね。ページめくりなどのアニメーションを極力なくして、ストレスのない高速表示を目指している。価格も350円と安めなのもうれしいかな。

過去記事これぞ電子ブックのためのPDFリーダー 〜 Fast PDF

【その5:マニュアルを読む】

検索とアウトライン機能がマニュアルにピッタリ!
PDF Assistant (450円:iPad版)PDF Assistant - xTeo

こちらはちょっとこだわりのアプリ。先に紹介したGoodReaderやi文庫でもPDFのマニュアルは読めることは読める。でも、量の多いマニュアルを、いわゆるパソコンのヘルプのように扱いたければ、PDF Assistantを使ってみるのがおすすめだね。

注目その1はアウトラインの表示。たとえば、アップルが配布しているiPad 4.2のマニュアルを読み込んでみると……

こんな風に、章立てをわかりやすくアウトライン表示してくれる。右の矢印をタップすると、さらに細かな項目まで出てくる。しかも、右ウィンドウの下部にはページプレビューまで見えるね。

でもって、この手のマニュアルを使っていれば、必ずある用語を検索したくなるよね。iPad 4.2なら「AirPlay」とかかな。このアプリで検索すると……

上図のようにどのページに何度そのキーワードが登場するかを一覧表示してくれます。 [3 times]と書かれた[Page 70]をタップすると、「ビデオでテレビを見る」方法がしっかり見つかるというわけ。

さらに、さらに! このアプリのファイル管理画面で検索をかけると……

複数のファイルから、特定のキーワードを含む文書を見つけてくれたりもしますよ。

社内のマニュアルを管理する場面なんかにも活躍してくれるんじゃないかな。いぶし銀のような渋さを持つ、はまる人は間違いなくハマってしまうアプリでした!

【その6:署名を入れる】

拡大入力枠と署名を自由に移動できる機能がうれしい
SignMyPad (450円)
SignMyPad - Autriv Inc.

私の知人で、PDF化した「問診票」や「成約書」をiPadの手書きメモアプリに読み込んで、患者さんにスタイラスでサインしてもらうという、徹底したペーパーレスに挑む歯科医の方がいらっしゃいます。

PDF+iPad+手書きアプリがあれば、署名が必要な書類もデジタル化できてしまうというわけだね。でもって、そんな用途に特化したのがこのSignMyPad。

数あるこの手のアプリのなかでも使いやすさはダントツかな。スタイラスによる手書きというのは、慣れるまでなかなかうまい字が書けなかったりする。その点、このSignMyPadなら、書き直しも[Clear]ボタン一発だし、入力画面もFastFingaやSpeedTextのように広くなっているから書きやすさも抜群。

さらに、一度、書き終えた文字はドラッグで好きな場所に移動できるってのもうれしい機能だね。これなら、不慣れな人にも「ここに書いてください!」ってお願いしやすいんじゃないかな。

手書きの署名のほかにも、テキスト入力欄やチェックボックスなんかを書類に挿入できるってのもおもしろいかな。まるで、ウェブのフォームのように文書を扱えるってこと。サインだけじゃなく、いろんな活用法がありそうだね。

【その7:文書を校正する】

Acrobatやプレビューで再編集できるアノテーション専用アプリ
iAnnotatePDF (1,200円:iPad版)iAnnotate PDF - Aji, LLC

先の署名と同様に、PDF+iPad+手書きアプリの応用で、文書の校正ができてしまうんだね。いわゆる「赤入れ」ってやつ。とくに、離れた場所にいるメンバーとのやりとりに想像以上の威力を発揮してくれますよ。

数あるPDF校正アプリのなかからオレが選んだのがこのiAnnotatePDFだね。

上図のように、手書きによる赤字入れ、コメント、打ち消し線など、校正に必要なツールがすべて揃っている。しかも、メモアプリに負けないくらい手書きの反応がいいのもポイント高いね。

GoodReaderにも同様の機能はあるのだけれど、インターフェイスや反応などその差は歴然。やっぱり専用アプリにはかなわないって感じかな。

Dropboxからの読み込みや保存にも対応しているし、「文書ライブラリ」と呼ばれるファイル管理画面がとても使いやすい。

ちなみに、このアプリで入れた校正は、AcrobatやMacのプレビューで再編集できます。校正に校正を重ねるような場面では必須の機能だね。

[…で開く]からEvernoteに保存もできるんだけど、その際に「校正を再編集できるPDF」か「校正は再編集できないがどのアプリでも閲覧できるPDF」かを選べるってのも便利です。

価格が1,200円と高価だけど、この手の作業をデジタル化したい人なら決して高くない買い物だと思います。

【その8:印刷&FAXする】

iPhoneやiPadから簡単にFAXできる!
FAX Print Share Lite for iPad (230円:iPad版) Fax Print & Share Lite for iPad - Ndili Technologies, Inc.
FAX Print Share Lite (無料:iPhone版)
Fax Print Share Lite (now includes Postal Mail and Postcards) - Ndili Technologies, Inc.

ペーパーレスを推進したいオレとしては、いまさらFAXやプリントってのもどうかと思うのだけど、仕事相手から「ファックスを送ってほしい」なんて頼まれた場合は仕方ない。iOS 4.2で対応したAirPrintも、まだ一部のプリンターしか使えないしね。

そういう、いざというときのために持っておいてもいいかなというのがこのFAX Print Share Lite。1,000円もするPro版もあるけど、この分野にそんなにお金はかけられない。Liteで十分だと思います。

まずは、ファックスを送るために「Unit」と呼ばれるクレジットを購入します。

もっとも安い「4Fax Unit」が115円。A4サイズの書類を1枚送るのにおおよそ1Unitが目安だから、1枚30円程度ってところかな。

微妙な値段だけど、それほど頻繁に使うわけでもないし、専用のファックスサービスにアカウント登録するのもいまさら面倒だから、このシステムはわるくないと思う。しかも世界中、どこに送るのも一律でこの価格だからね。

PDFをアプリに読み込んで……

国番号から電話番号を入力して[Send]をタップ。操作はたったこれだけ。いたって簡単だね。試しに、自宅に送ってみたところ……

約1分後には電話が鳴って、見事にファックスが届きました。オレのファックス、動いているのを見るのは何か月ぶりかな?

でもって、プリントも[Print]ボタンをタップするだけ。

設定は一切していないのに、Macにつながっている自宅のプリンターを認識してくれました。あとはプリンターをタップすればOK。印刷の仕上がりも問題ないね。

ちなみに、無料のiPhone版はiDiskとBox.netからのファイルの読み込みにも対応しています。なぜか、有料のiPad版にはクラウド連携機能がないんだね。近々のアップデートに期待かな。

はい、前編はこんな感じ。定番が多かったけどね。今回登場したのが9本だから、残り9本ってことかな。後編はさまざまなデータをPDF化してくれるアプリを中心に紹介したいと思います。ユニークな方法でPDFの譜面を自動めくりしてくれるiPadアプリなんかも登場しますよ。

前後編をとおして、iPhoneやiPadを活用するうえでのPDFのメリットと可能性を感じてもらえたら最高です。では、また!

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