「感じるライフログ」を創る 〜 感情を記録する Track & Share

 

前回に続いて、「感じるライフログ」の後編です。1日の自分をグラフィカルに記録して、その絵を眺めることでなにかを感じ、明日になんらかの影響があることを期待する。これをオレは「感じるライフログ」と名付けてみた。先に紹介したaTimeLoggerは「行動」をキャプチャーしてくれるアプリだったね。

後編では、さらに別のアプリを使って「気持ち」や「感情」を記録してみたいと思う。もっと軽く「気分」でもいいかな。なにをしたかだけでなく、どう感じたかが加われば、自分という絵がより立体的になってくるんじゃないか。ぜひ、前回のaTimeLoggerと合わせて、この感情キャプチャーアプリを使ってみてください!

「やる気を出す唯一の方法はやってみること」。なにかを創ったことがある人なら、だれもが一度は経験している不可解な事実だね。

「どうもやる気が出ないんだ」といってなにもしないでいると、どんどんやる気が失せていく。やる気がなくてもかまわないから、創造しようとしているものに向かい合ってみると、いつの間にか「よっしゃ!」って感じになっている。認めたくないんだけど、どうしようもない事実なんだね。

要は、我々の気持ちや感情ってのは、自らの行動の後付けになってることが多いんじゃないかと。もし、「最近、なんかつまらない」と思ったら、その近辺で自分がどんな行動をとっているかを見直してみるわけです。意外と気持ちをつまらなくしている問題が見えてくるかもしれないよね。

そんな仮説を持ちながらライフログを録ってみると、やっぱり行動だけじゃなく、気分もキャプチャーしておかなきゃと思ってしまったんですね。そんなときに出会ったのがこのアプリ! オレのニーズにバッチリ応えてくれる優れものでしたよ。

気分、感情、ダイエット、目標の達成度を記録してくれる
Track & Share (230円:ユニバーサル) Track & Share - Daily Life Tracker, Journal, Todo - Click Pod Productions
Track & Share Lite (無料:ユニバーサル)
Track & Share LITE - Daily Life Tracker, Journal, Todo - Click Pod Productions

無料のLite版と有料版の違いは、登録できるエントリーの数だけ。機能はどちらもまったく同じ。今回解説する「感情を記録するライフログアプリ」として使うなら、たぶん無料版で事足りると思います。

ただし、このアプリ、それだけじゃなく、もっともっと奥深い実力を秘めているんだね。詳しくは後述しますが、「ダイエットをしたい」や「コーヒーを飲む量を減らしたい」などの目標達成にも一役買ってくれたりする。

たとえば、やろうやろうと思いながらいつも途中で挫折することがあったら、このアプリを極めるといいかもしれない。そこまで使い切りたいと思ったら、ぜひ、230円の有料版を買ってみてください。

というわけで、前回のaTimeLogger同様に、オレが実際に活用している手順に沿って解説してみたいと思います。アプリを立ち上げると……

まぁ、あっさりした画面が出てきます。[Mood]という画面に[Happiness]や[Stress]といった、感情っぽい項目が並んでるよね。画面を左にフリックすると……

今度は[Food]という画面に[Fruit]や[Vegetables]なんかの食べ物が並んでる。さらに画面を左にフリックすると……。全部は出しませんが、同様に、合計で8つの画面にさまざまなアイテムが登録されてます。

つまり、このTrack & Shareというアプリには、8種類の「Screen」と呼ばれる画面があって、そこに、「気分がいいか悪いか」「果物をどれだけ食べたか」のような、記録したい「アイテム」を登録して使うわけだね。

オレが使っているのは最初の[Mood]スクリーンだけ。とりあえず、いまは毎日食べなきゃいけないものも、控えようと思うものもないからね。

というわけで、まずは、この[Mood]スクリーンを自分流にカスタマイズしちゃいましょう。

下部ツールバーから[More]をタップして、画面をずっと下にたどって[All Items]という項目をタップします。

ここに、8つのスクリーンにあらかじめ登録されているすべてのアイテムがあります。[Mood]スクリーンに入っている[Happiness][Sleep][Weather][Stress]の4つをそれぞれ選び、[Mood]に付いているチェックを外していきます。

たとえば、[Happiness]を選ぶと……

こんな風に、[Happiness]というアイテムが登録されているスクリーンにはすべて[チェック]が付いているんだね。一番上の[Mood]のチェックを外せばOK。

同様に、[Sleep]でも……

[Mood]のチェックを外しておきます。[Weather]と[Stress]も同様に[Mood]のチェックを外したら、下部ツールバーの[Track]をタップします。

画面をなんどか右にフリックして再び[Mood]スクリーンを出してみます。

こんな風に空白になっていればOKだね。

さて、ここからが楽しいところ。自分のどんな感情や気分を記録したいかをイメージします。オレは次の5項目についてキャプチャーしてみることにしました。

  1. オレの元気度
  2. オレのLove度
  3. オレのクリエイティビティー
  4. オレのしあわせ度
  5. オレのムカつき度

じゃあ、まずは「元気度」を記録するためのアイテムから作ってみましょうか。画面右上の[+]アイコンをタップします。

[Add Item]画面が出てきたね。まずは、アイテムタイプを選びます。下のドラムにはいろんな方式で値を付けられるアイテムが並んでいます。気分や感情を何段階で評価するかを想像しながら選べばいいんじゃないかな。

オレの場合、「元気度だったら、5段階くらいかな」てな感じで、上図の試験管に赤い液体が入っているアイテムを選んでみました。なんか、右に行くにつれて元気がみなぎる感じもするしね。

アイテムが決まったら[Next]をタップ。

[Enter Item name here]と薄く書かれた欄に、このアイテムの名前を付けます。[Graph Color]の色部分をタップすると、このアイテムの記録を表示するグラフの色を選べます。元気だからやっぱり赤かな。

次に、このまま画面を下にスクロールさせて、[Edit Labels]の値を書き換えます。

元気を5段階で表すとしたら、こんな感じかな。もちろん、もとの英語表記[Not at all]や[Just a little]のほうがいいならば、あえて書き換える必要はないんだけどね。オレ的には日本語にしたほうがリアルな感じがします。

さらに下に行くと[Set Goal]という項目があります。これは目標値みたいなもの。「元気」がどのくらいあるのが望ましいかってことだね。もちろん、オレは「めっちゃ元気」にしましたよ。

以上でアイテムの作成は完了。右上の[Done]をタップして、最初の[Mood]スクリーンに戻ります。

はい、[オレの元気度]というアイテムが登録されたね。じゃあ、さっそくいまの元気度を登録してみます。ここからの操作はいたってシンプル。前回のaTimeLoggerとまったく同じ方法で、[オレの元気度]をタップするだけ。

現在時刻は自動的に入力されてます。まずは、いまの元気度をドラムで選びます。このときは[かなり元気]だったということだね。

真ん中のコメント欄には、なんでそういう気分なのかを書いておきます。オレの場合、この直前まですごくいい感じの打ち合わせをやってました。つまり、[かなり元気]の要因である「打ち合わせがうまくいった」を記入します。

右上の[Save]をタップすると……

先のがらーんとした[Mood]スクリーンに[かなり元気]のアイコンが付いて、ちょっと派手になったね。

あとは同様の手順で、記録したい感情や気分のアイテムを作っていくだけ。オレの場合、残りの4つはこんな感じになりました。

まずは[オレのLove度]から。

これは、「どんなに苦手な人にも愛を持って接する」という、オレのもっとも苦手とする課題に取り組むためのものでもあります。こちらは4段階。ラベルはなんとなく英語のままにしてみました。

次に[オレのクリエイティビティー]。

これはアイデアがバンバン出ているときとそうでない状態を記録したいと思って作りました。あえて、「ダメー」や「イケてる」のように軽めのラベルを付けているのは深刻にならないためだね。こういうログを録るときって、洒落っ気を忘れちゃダメだと思う。楽しくやらなきゃね。

はい、お次は[ムカつき度]!

オレは「ムカつく」感覚って、なるべくすぐに表に出したほうがいいと思っている。できれば、その原因を作った相手にその場で伝えるのがベスト。「えー、それムカつくぅ」と言っちゃうわけ。

で、たぶん、このアイテムはそれを表に出せなかった際に記録するんだろうね。アイコンもなんかムカつく感じの3段階にしました。

そうそう、この手のアイテムの場合、先に登場した[Set Goal]の設定に気をつけないといけない。これまでのアイテムは「しあわせ」や「元気」が「多い」ほうがいいわけだよね。でも、この「ムカつく」だけは「なし!」が理想。つまり、[Set Goal]には「少ない」を登録しておかないとおかしなことになってしまう。

アイテムの種類ごとに、正しい値が[Set Goal]に入っているかをチェックしてくださいね。

最後の[しあわせ度]は、このアプリの楽しい機能を使ってちょっと凝ってみました。

[Edit Labels]のアイコンをタップすると……

なんと、iPhoneのカメラロールにある画像や、その場で撮影した写真に変えられるんだね。せっかくの[しあわせ度]なんで、自分の表情で表してみることにしました。しかも、[不幸]は露出も暗くしたりしてね。

撮ってみるとわかるんだけど、「ちょっとしあわせ」な顔ってのが難しいね。まぁ、こういうのは人に見せるものじゃないから、このくらいの低い完成度でもいいでしょう……。

これで準備は完了だね。あとは、普通に生活しながら、「お、なんかいましあわせかも」とか、「あ、ムカついた」とかの感情の変化を感じたら、その項目をタップして値を選び、ちょっとしたコメントを添えるだけ。

1日使っていると、[Mood]画面はこんな風になります。

自分で[めっちゃしあわせ]の写真を見て、ムカついたりしてね。まぁ、上の画面を見る限り、今日のオレはいい感じなのかな。前日に高熱を出して寝込んだわりには、なかなかの回復度です。

それなりの期間、この感情&気分キャプチャーを続けてみて、データが貯まってきたら下部ツールバーの[Graph]をタップします。

まずはアイコンビュー。上のツールバーで「時間」「日」「週」「月」から期間を選べます。縦置き画面(ポートレイト)の場合は単位が「6」だけど、横置き(ランドスケープ)にすると……

「12」に拡大されます。こういう細かな気遣いが好きだなぁ。さらに、右上の[Hourly Average](平均値)の文字をタップすると、[最小値][最大値][直近の値]と表示が変わります。

グラフの真ん中あたりを一度、タップすると……

[Set Goal]に設定した値が赤の点線で示されます。上図でいえば、「しあわせ度」と「クリエイティビティー」が目標値に達していて、ほかは下回ってるってことだね。

同様に、グラフの真ん中をタップするたびに異なる見せ方でデータを表示してくれます。たとえば……

こんな折れ線グラフもおもしろいよね。「元気度が上がるにつれてしあわせ度も上がってる!」なんてことがわかったりします。でもって、どれも絶好調のときにLove度が下がっているってことは、やや傲慢になってしまったのか! なんて分析はあまりしないほうがいいかな……。「感じるライフログ」だからね。

でもって、グラフの左端をタップすると……

これまでに登録した値やコメントを一覧できます。「ああ、オレは外が寒いくらいで“元気なし”になってらぁ」みたいなことも一発でわかります。

もし、登録時に間違った値を入れてしまったら、この画面から修正したい項目をタップして……

再度、設定しなおせばOK。このあたりは、前回のaTimeLogger同様、なくてはならない機能だよね。

さて、例によってこのログデータの保存なんだけど、かなり残念なことにこのアプリ、すべてのアイテムをまとめて書き出す機能がないんだね。1項目ずつ、CSV形式でメール送信することになります。

下部ツールバーの[Share]をタップして……

画面をずっと下にスクロールさせると、自分で作成したアイテムが出てきます。それぞれをタップすると、CSVファイルが添付されたメールの送信画面が現れます。

うーん、これはEvernoteに送っても意味ないかなぁ。とりあえず、自分宛に送ってNumbersで開いてみましょうか。

うん、データとしてはわるくないね。けれども、表形式で見てもちっともおもしろくない。イマジネーションがまったく沸きません。

さらに残念なことに、このアプリはデータのバックアップ機能もない。アプリが消えたらデータもなくなるってこと。それはちょっとまずいよね。せっかくいい感じでおすすめしたいのに、なんとかしてくれないかなぁ。ぜひぜひ、もうiTunes転送使ってもいいから、データの一括書き出しと再読込に対応してください!

いつもの調子で話ができないほど、このジャンルのアプリはクラウド連携が遅れているよね。やっぱり、それなりにユーザーが増えて、要望が集まらないとダメなのかな。まぁ、手書きメモなんかも、ちょっと前までDropboxやEvernoteと連携できるのは皆無だったからね。こちらも、希望を持って今後に期待しましょう。

さて、冒頭にも書いたように、ここまで解説してきたのはあくまでZONO流「感じるライフログ」的な活用法。せっかくだから、最後にTrack & Shareが本領を発揮する分野も紹介しておきましょうか。

たとえば、[Health]というスクリーンには、[Happiness][Sleep][Coffee][Stress][Exercise]の5アイテムがあらかじめ登録されています。

アプリの解説によれば、「よく眠る」という目標を達成するためには、それに関連するさまざまな生活習慣を総合的に改善する必要があるってことなんだね。そこで、これら5つのアイテムに関わる行動を日々、トラッキングしようというわけ。

たとえば、[Coffee]アイテムの中身をのぞいてみると……

こんな風に、その日飲んだコーヒーのカップ数を登録できるようになっている。でもって、先に解説した[Set Goal]の値は……

初期設定ではなんと「ゼロ」。眠れなくて悩んでいるんだったら、コーヒーをやめなきゃってことだね。その上の[Add up entries]が[Daily]になっていて、「毎日、一度は飲んだカップ数を登録すること」が義務づけられている。このあたりも厳しいわけだ。

[Excercise]アイテムの場合は……

エクササイズを行った時間をきっちり登録していくんだね。

ほかにも、[感謝]というスクリーンには[感謝の気持ちを表したか?]というアイテムがあって……

[YES][NO]をそのつど記録するようになってたりします。これはオレもやらなきゃダメかな? 感謝の気持ち、すぐ忘れちゃうものね。

ね、こうしてみると、かなり本気で使うことを想定して創られたアプリって感じがするよね。たぶん、この記事で紹介したようなZONO流を作者が見たら、「Oh! No,」って言われるんじゃないかな。それとも、「うん、そういうライトな感じもアリだよ」と寛容な態度で受け入れてくれるだろうか。

どちらにしても、とにかく、使う人の工夫によってすっご用途が広がるアプリだと思います。その分、使いこなすのにもちょっと手間がかかるんだけどね。オレも、公開されているマニュアルを熟読して、ようやくこの記事が書けるまでになりました。

おお、そうだ。すっかり忘れてましたが、このTrack & ShareはユニバーサルだからiPad版もありますよ。記録系のアプリはやっぱりiPhoneで使うのがいいんじゃないかと思い、今回は珍しくiPad版の画面を出しませんでした。インターフェイスはほとんど同じです。やっぱり気になるという方は、iPad版も見てみてくださいね。

はい、以上で2つのアプリを使った「感じるライフログ」活用術は終わり。最後に1つだけおさらいをすると、どちらのアプリを使う際も、反省や後悔や改善点を考えるなんてことをしないのがおすすめ。そうじゃなくて、自分を「知る」「感じる」ことに徹するほうがいいと思う。

たとえば、我々は人から「こうしろ!」と言われたことって、なかなか素直に受け入れられない。それって、自分自身に「こうしなきゃダメだよ」って言い聞かせた場合も同じじゃないかと思うんだね。だから、あえて言語化せずに感じるだけにする。

厳密にいえば、何かを感じることで行動を改善したり修正したりするんだけどね。頭でその具体的な方法を考えて自分を律するよりも、フィーリングによってしなやかに変えていくほうがうまくいく気がする。まぁ、これも人によるのかな。少なくともオレは自分からでも「こうしろ!」っていわれたくないからね。

でも、このジャンルのアプリは使ってみて初めてその楽しさがわかるね。自分というコンテンツのおもしろさ、奇怪さ、やっかいさ。そういうのに出会えるってだけでもiPhoneってやっぱりすごいと思うな。これからも使い続けてみて、また新たな発見があったらお知らせします。では、また!

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