昨日、閉鎖の危機にあるDeliciousの代替サービスとしてPinboardを紹介した。オレも、移行の準備をいろいろやっているのだけど、ちょうどいい機会ということで、これまでのウェブクリップ連携を見直してみることにした。拙著『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』の第6章で紹介した活用法のブラッシュアップだね。
結果は? 本で紹介したテクニックはほとんどが手動だったんだけど、Instapaperへの登録以外は、ほぼ全自動でソーシャルブックマークやEvernoteに登録できちゃいました。拙著をご購読いただいた方はもちろん、この手のウェブクリップを日々活用している方も、ぜひ、チェックしてみてください!
まずは、拙著の第6章で紹介した内容をおさらいしてみましょうか。
登場するサービスは3つ。ウェブクリップのInstapaperと、ソーシャルブックマークにEvernoteだね。拙著ではソーシャルブックマークにDeliciousを使っているけど、今回はそういうわけでPinboardに替えます。
目的は「RSSリーダーやツイッターで見つけた有益なウェブページを、用途や目的に応じて整理する」ことだね。
情報源であるRSSリーダーやツイッターは、おもにiPhoneアプリを使う。つまりこのテクニックは、通勤途中の交通機関の中や、ちょっとした空き時間にiPhoneを取り出し、気になった記事やツイートに含まれるURLをクリップするところから始まるわけだね。
もちろんその手のアプリから、直接、公開を前提としたソーシャルブックマークに登録したり、資料としてEvernoteに保存したりしてもいいのだけど、そこにオレは「Inbox整理術」というGTD流のやり方を取り入れているわけ。詳しくはバックナンバーの『Nozbe × Evernote × GmailのInbox情報整理術』を参照してください。
要は情報をクリップする際には、それが自分にとってどう役に立つかなどあまり深く考えずに、手当たり次第にInboxに放り込み、あとでもう一度その情報と出会にながら、削除したり、タグを付けたり、適切な場所に保存したりするわけだね。
でもって、ここでInboxの役割を果たしてくれるのがInstapaperということになる。RSSリーダーやツイッターアプリから、気になったものをすべてInstapaperに送っておくわけだね。
次に、それなりの時間を設けて「整理・処理」のプロセスに入る。Instapaperの[Unread]に入れられた記事を見ながら、次の3つのうち、どれかの処理をするわけだね。
- 一読すれば保存の必要なしと判断したものは削除または[Archive]に入れる。
- ソーシャルブックマークで公開したいものはPinboardに登録する。
- 資料的な価値があり、保存しておきたいものはEvernoteに保存する。
拙著の第6章では、この整理・処理のプロセスを手動で行う方法を解説した。具体的にはInstapaperに登録されたクリップを見ながら、リンクをクリックしてブラウザーに表示させ、それぞれのサービスのブックマークレットで登録するというやり方だね。
執筆しながら、もっといい方法はないものかと模索したのだけど、やっぱり難しかった。理由は簡単。Instapaperのウェブ版にもアプリ版にも、DeliciousやEvernoteに送る連携機能がないからだね。
ライバルサービスのRead It Laterのアプリならバッチリ連携してくれるんだけど、ウェブ版の使い勝手がイマイチなのと、日本語が文字化けるなどの理由でオレは使っていない。
ところが今回、DeliciousをPinboardに乗り換えることで、2のプロセスが自動化できることがわかったんだね。それならば、なんとかEvernoteへの保存も簡単にできないものかといろいろ試した結果、それほど難しくなく実現する方法が見つかりました。
というわけで、『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』第6章のアップデート版として、上のプロセスを自動化する方法を紹介したいと思います。
ウェブクリップ最適化計画その1
InstapaperからPinboardへの登録を自動化する!
最初は、Instapaperのクリップを整理・処理する際に、「これはソーシャルブックマークで公開したい!」と思った場合の自動化から。
まず、Instapaperのウェブサイトでマイページを開き、右上の[Account]をクリックします。
上から4番目の[Send my starred items to Pinboard]をクリックして……
Pinboardのアカウントを入れたら、[Verify and save]を押します。準備はたったこれだけ。
Instapaperのクリップをチェックしながら、Pinboardに登録したいものがあったら……
こんな風にタイトル左の[星印]をアクティブにするだけ。iPhoneやiPadアプリでもまったく同じだね。
iPadアプリの場合は、上のように記事を表示させると左上に[星印]が出てきます。iPhone版は下部のツールバーに[星印]ボタンがあるね。
ウェブ版もアプリ版も同様に、[Starred]フォルダーから星印を付けた記事を一覧できます。iPad版ならこんな感じ。
でもって、スターを付けた記事はPinboardに自動登録されちゃいます。試しに、このブログの記事をInstapaperにクリップして……
左のスターをアクティブにすると……
はい、バッチリPinboardに送られてました!
つまりは、Instapaperの整理中に、Pinboardで公開したいものはスターを付ければいいってこと。ブラウザーを立ち上げたり、Pinboardのブックマークレットを使う必要はまったくありません。
そうそう、上でクリップした記事『Delicious終了に備えて、Pinboardを使いこなす!』で、InstapaperにクリップしたURLをまるごとPinboardに登録する方法も紹介してます。もし、この「スターで登録」を使うなら、当然、まるごと登録はオフにしておいたほうがいいよね。
やっぱりオレは、整理の時点で公開するものを決められる「スターで登録」をおすすめします。
ウェブクリップ最適化計画その2
InstapaperからEvernoteへの保存を自動化する!
はい、続いては冒頭のプロセスでいうところの、3つ目の選択肢だね。じゃあ、どんな場合にウェブページをわざわざEvernoteに保存するのか。オレの場合はやっぱり資料としての保存価値が高いものを入れているね。
たとえば最近、日本のTechCrunchに『Twitterは合衆国で伸び悩む』という記事が掲載された。ここには、「Twitter.comの11月のユニークビジター数推定2400万は、10月の2510万よりも減っている」なんて記述がある。こういう数字が含まれる記事は、オレにとって資料としての価値が高いものってことになる。もちろん、Evernoteに保存だね。
じゃあ、Instapaperのクリップをどうやって自動的にEvernoteに保存するか。いろいろ試してみた結果、現時点のオレのチョイスはこれだね。
- Instapaperのクリップのうち、Evernoteに保存したいものを特定のフォルダーに移動する。
- フォルダーのRSSでEvernoteに保存したいクリップだけを出力する。
- InstapaperのRSSが出力するのはタイトルのみなので、これを全文に変換するサービスを間にはさむ。
- 変換サービスのRSSフィードをメール転送サービスに登録する。
- 専用のGmailアドレスを作成して、Evernote保存用アドレスに転送する。
じゃ、手順を追って解説しますね。最初はちょっと面倒だけど、すべて特別な知識なしに設定できちゃいます。
1)専用のGmailアカウントを作成する
今回のポイントは、InstapeperからのRSSフィードをメールに転送してくれるサービスを使うこと。転送サービスからの記事をまず、専用のGmailアドレスで受け取って、これをEvernoteの保存用アドレスに転送すればOK。
あいだにGmailをはさまずに、直接、Evernoteのアドレスを指定してもいいのだけど、今回使うサービスはメールアドレスをアカウントに使うから、覚えやすいGmailアドレスで登録しておいたほうがいいと思います。転送がうまくいっているかの確認もできるしね。
というわけで、新しいGmailアカウントを作成したら、[設定]から[メール転送とPOP/IMAP]をクリックします。
[転送先アドレスを追加]を押して、Evernote保存用のメールアドレスを入れます。これで、EvernoteにGoogleから確認用のコードが入ったメールが届くはず。[確認コード]と書かれた欄に届いた8桁の数字を入れて[確認]ボタンを押せばOK。
[転送を無効にする]にチェックが付いていたら、[受信メールを]に付け直して設定を保存します。
2)InstapaperにEvernote保存用のフォルダーを作成する
次に、InstapaperでEvernoteに保存したいクリップを入れるためのフォルダーを作成します。マイページ右側にある[FOLDERS]で[Add folder]をクリックだね。
オレは、わかりやすいように[Clip to Evernote]という名前にしておきました。
次に、上のフォルダー名をクリックして、フォルダーに移動します。
フォルダー名の背景がグレーになっていれば、フォルダーに移動したってこと。この状態で、[FOLDER TOOLS]にある[RSS feed for this folder]のリンクを右クリックしてURLをコピーしておきます。
このRSSフィードはこのフォルダーに入れたクリップだけを出力してくれるわけだね。そうなんです。Instapaperの整理中に「あ、これEvernoteに保存したい!」と思ったら、オレの場合は[Clip to Evernote]フォルダーに移動させればいいというわけ。
これで、保存したいものだけをRSSフィードに出す準備ができました。次は、こいつをメールに転送させるわけだね。でも、その前に……
3)フィードの全文が出力されるようにRSSを変換する
Instapaperを見ればわかるとおり、リストにはタイトルだけしか表示されないよね。ということは、InstapaperからのRSSフィードをそのままEvernoteに送ると……
こんな風に、タイトルとリンクだけしか保存されないんだね。これじゃあ、使いものにならない。そこで、この手のフィードを全文表示に変えてくれる素晴らしいサービスを使います。
それが「まるごとRSS」だね。サイトにアクセスすると……
こんな風に、URLの入力欄が出てきます。とてもシンプルだね。アカウントの作成なんかも一切なし。しかも無料ですよ。ほんと、ありがたいですね。
この欄に、先にコピーしておいたInstapaperの保存用フォルダーのRSSフィードを貼り付けて[GO]をクリックします。変換されたURLを再びコピーしておきましょう。
4)RSSフィードをメールに転送するサービスを使う
はい、いよいよこの手順のクライマックス。「まるごとRSS」で記事の全文が表示されるように変換されたRSSフィードを、メールに転送してくれるサービスに登録します。
この手のサービスもいろいろあるけど、オレが気に入っているのは「Feed My Inbox」というやつ。こちらも、使い方はいたって簡単。ウェブサイトにアクセスすると……
いきなり、フィードと転送先のメールアドレスを入力する画面が出てきます。「まるごとRSS」で変換したフィードを貼り付けて、最初に作成したGmialのアドレスを入力して[SUBMIT]をクリック。Gmailに届く確認用のリンクをクリックすれば設定完了だね。
これで、InstapaperのEvernote保存用フォルダーに入れたクリップが、「まるごとRSS」で全文表示に変換され、この「Feed My Inbox」からGmailアドレスに転送され、さらにEvernoteアドレスに転送されて、めでたくEvernoteに保存されるというわけ。
ほんと、長い旅路をたどってくる感じがするよね。でも、我々がやることは、Instapaperのクリップをフォルダーに入れるだけ。めちゃくちゃ簡単でシンプルです。
ただし、このままでは1つのメールに複数の記事がまとめて送られてしまうんだね。これが無料版「Feed My Inbox」の制限というわけ。そこで、オレは太っ腹で有料アカウントを使ってます。料金は月額5ドル、もしくは年額50ドル。安いか高いかは使う人の必要性によるよね。
実は、これまでにもRSSフィードのメール転送サービスっていくつかあったけど、すでにサービスを終了しているものも少なくない。オレ的には有料でもしっかり継続してくれるもののほうがいいと思うな。
有料は絶対にナシ! という方は、「MAILPIA」やGoogleの「feedburner」を使う手もあります。feedburnerの設定はちょっとやっかいだけど、「feedburner メール転送」で検索すると達人たちのわかりやすい解説が出てきますよ。
有料版にアップグレードすると、こんなメニューが使えるようになります。
送られてくるメールの形式を[HTML]にするか[テキスト]にするか。ウェブのクリップだから、オレはやっぱりHTMLのほうがいいね。もちろん、画像も含まれてますよ。
[Email Delivery]を[One post per mail]にしておけば、記事も1つずつ送ってくれるし、[Frequency](送信タイミング)を[Realtime](すぐに)にできるのもうれしい機能だと思うな。ちなみに、無料版は1日に1回の配信のみになってます。
この手のサービスで画像がリンクになっていたり、テキストのみの配信だったりするものがあるけど、資料として保存したいオレのニーズにはちょっと合わない。というわけで、有料だけどこのサービスを愛用しているわけです。
5)Evernoteで受け取る
はい、長い手順も終わり、いよいよEvernoteへ自動保存する環境ができあがりました。Insapaperに戻って、クリップした記事の中から保存したいものを選んだら、タイトル下の[Move]をクリックします。
ポップアップから、Evernote保存用のフォルダーを選べばOK。このままほおっておけば、いくつかのサービスを経由して自分のEvernoteに記事が届くというわけ。
iPadアプリの場合は記事を表示させて[四角+矢印]アイコンをタップだね。
メニューから[Move to Folder…]を選べば、フォルダーに移動できますよ。
[Realtime](すぐに)を設定してあるといっても、間にいろいろはさんでいるからね。平均で10分から20分くらいのタイムラグがあるかな。30分以内にはEvernoteに届くという感じ。じゃ、どんなノートができているか見てみましょうか。手間がかかってるからね。ドキドキですよ。
どうですか! なんか枠線とかもオシャレに付いていて、かなりいい感じ。これも「Feed My Inbox」の仕業ですよ。ほんと、いい仕事してくれてます。
ノートのタイトルが記事の見出しになっていないのが不満だけどね。まぁ、保存の手間がほとんどかかっていないからいいとしましょう。Evernoteを整理する際に、必要ならタイトルを変えておけばいいかな。
画像も記事内のリンクもなくなっていないし、モビライザーをかけたようにムダな要素が排除されているのもいいね。バナー広告なんかもバッチリ消されてます。素晴らしい!
最後にもう一度、冒頭に書いた3つの選択肢で整理・処理する手順をまとめておきましょうか。
1)一読すれば保存の必要なしと判断したものは削除または[Archive]に入れる。
→Instapaperで[Delete]か[Arhive]を選ぶ。
2)ソーシャルブックマークで公開したいものはPinboardに登録する。
→記事にスターを付ける。
3)資料的な価値があり、保存しておきたいものはEvernoteに保存する。
→Evernote保存用のフォルダーに移動する。
ポイントはInstapaperのウェブやアプリを一歩も出ずにすべて行えること。これで、かなりの時間と労力が節約できるんじゃないかな。うん、オレ的にはかなり満足してますよ。
はい、以上で『ウェブクリップ最適化計画』は終わり。Pinboardに乗り換えることがきっかけで、これまであたりまえと思っていたプロセスを見直せてよかった。ほんと、この手の連携って工夫次第でどこまで便利になるね。クリエイティブな仕事をするってのが目的だけど、手段を編み出すプロセスもクリエイティブってのが楽しい。
そうそう、いよいよ『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』を題材にしたリアルなワークショップがスタートします。定員8人から10人程度の少人数で、2時間みっちりやってみようと思ってます。
参加者の方々には簡単な課題を出させていただき、ワーク当日にみんなでディスカッションしながら、それぞれの仕事術をブラッシュアップするような感じをイメージしています。興味のある方は、ぜひお越しください。詳しくはインプレス・ジャパンの告知ページをご覧ください。
みなさんにお会いするのを楽しみにしています! では、また!




















『できるポケット[公式ガイド]Nozbe クリエイティブ仕事術』
『iPhone×iPad クリエイティブ仕事術』 Twitterは #iCreで!

実に参考になる記事でありがたいです.
私は、WEBクリップについては、Evernoteでのレイアウトがずっと気になっていましたが、自動クリップと同時にFeed My InboxからHTMLでの配信である程度整形された状態でクリッピングされるのにはグッときました.
ところが、FeedMyInboxの有料版で、まるごとRSSをはさんで登録しましたが、まともに配信されたのは1、2回くらいでそれも、記事が3つも4つもつながった状態でした.
設定もしましたが/// しばらく様子は見てみます.
ちなみに、blogtrottrというサービスも使ってみましたが、無料でリアルタイム配信、記事別配信、そして、レイアウトも非常に良かったです.(ご存知とは思いますが)
braplanさん
コメントありがとうございます。
実は、先週くらいからFeedMyInboxがうまく動かなくなり、私も次の策を考えていたところです。blogtrottrも使ってみています。
また、いい方法が見つかったら書きたいと思います。
よろしくお願いします!