フリック系RSSリーダーの新定番はReederを超えるか? 〜 ReadPad

 

iPadのRSSリーダーは、自然と3つのジャンルに分かれて行っているように思う。1つはNews RackやMobileRSSのような機能重視の「スタンダード系」。2つ目がPulseやFlipboardなどに代表されるデザインや見せ方が斬新な「eMagazine系」。そして3番目はあのReederでおなじみ、iPadならではの操作感を取り入れた「フリック系」かな。

3つのジャンル名はオレが勝手にそう呼んでいるだけなんだけど、おおよそどのRSSリーダーもこの分類に当てはまる気がする。そして、完全にReederの独壇場だったフリック系に期待の新人が登場したんだね。もしかしたら、オレの心はすでにコイツに持って行かれてるかもしれない。今日は、ひさびさに「ヤバイ!」と思ったRSSリーダーアプリのニューフェイスを紹介します!

現在、オレが日々愛用しているRSSリーダーはズバリReederですね。iPhoneやiPadはもちろん、Macでもコイツが定番。もう、ほかのアプリを使おうという気もしないくらいの惚れっぷり。

じゃあ、どんなところが好きなのかをざっと挙げてみると……

  1. デザインがめちゃくちゃ好き
  2. フリック操作がすごく便利(とくに左フリックでInstapaperに保存が最高)
  3. 読み込みが速い
  4. オフラインでも使える(画像は読み込んでくれないことが多いが)
  5. 短い時間で多くの記事に目をとおせるインターフェイス

といった感じでしょうか。

もちろん、毎日使うアプリだから、見た目のよさはとても重要ですよ。それ以上に、1日に2000あまりの記事を読んでいる身としては、どうしても操作感と閲覧のしやすさを重視せざるを得ないんだね。

たとえば、iPadでReederを使う場合、横置き(ランドスケープ)にして、まず左ツールバーの下から3番目のボタンで「時系列ビュー」を「フィード単位ビュー」に切り替える。

次に、左のツールバーに親指を置き、「下向き矢印」をタップしながら記事を素早くチラ見していく。「あとでじっくり読みたい」と思うものがあったら、親指で左の見出しを左にフリックしてInstapaperに保存。

これがオレ的には最速の「記事チェック&あとで読むに保存」の手順だね。こんな風に操作できるアプリはReederを置いてほかにはない。

というわけで、この先もReederを超えるRSSリーダーアプリなんて登場しないだろうと思っていたところ、なんと、この絶対王者にけっこういい線まで迫るアプリが登場したんですね。それが、これ!

デザイン、操作感、読み込み速度が3拍子そろった
ReadPad(600円:iPad版)
ReadPad - geetouch

いつも思うのだけど、いいアプリというのは起動した瞬間に独特のオーラを放っている。「お? これいいんじゃないの?」と感じさせてくれる独特の雰囲気だね。

もちろん、このReadPadにもそれを感じましたよ。価格もライバルと想定しているであろうReederと同じ600円。はたしてどこまで対抗してくれるのか、その実力をチェックしてみましょうか。

アプリを起動すると……

まずは、Googleリーダーのアカウント設定画面。リリース日が1月14日で、バージョンも1.0のニューカマーなのに、いきなり日本語対応しているってのがいいね。パスワードが「暗証番号」ってのはどうかと思いますが……。

ログインしてフィードを読み込むと……

左ペインに「Unread items」や、Googleリーダーで作成したフォルダー、フォルダーに入れていないサイトが並びます。

実はオレ、この瞬間にちょっと驚きましたね。なんとこのアプリ、[設定]がないんですよ。例の[歯車]や[i]といった設定のためのアイコンがどこにも見あたらない。

なるほど、「iPadの設定アプリにどかっと並べているんだな」と思って見てみると……

Googleリーダーのアカウント設定以外には、「アイコンの上に未読数を表示するか」「起動時に同期するか」と「フォントサイズ」の3項目しかない!

オレもいろんなRSSリーダーを見てきたけど、これほど設定項目が少ないアプリもめずらしい。これは設計によほどの自信があるか、まったく使いものにならないかのどちらかだろうね。

結論はあとで書くとして、アプリに戻りましょうか。まずは、フォルダーをタップしてみます。

オレが作った[IT News]というフォルダーに登録されている11サイトの記事見出しが、右ペインに時系列で並びます。

次に、フォルダー名の左にある[・](黒丸)をタップすると……

黒丸が白丸に変わり、[IT News]フォルダーに入っている11のサイトが展開されました。もう一度[白丸]をタップすると、サイトがフォルダの中にしまわれます。

おお、このインターフェイスはいいね。ReederではiPhone版のみ対応している見せ方。iPad版の「フィード単位ビュー」は、並び順がサイトごとになるだけで、記事がずらっと並ぶからちょっと使いにくかった。

あと、「スタンダード系」によくある、「フォルダー→サイト一覧」と階層で画面が遷移するインターフェイスも使いにくい。やっぱり、いまは無階層がトレンドだよね。といわけで、ReadPadの「展開」はかなり好印象です。

じゃ、次いきますよ。展開したサイトをタップすると……

今度はサイト単位の時系列ビューになります。右ペインには記事見出しと数行のプレビューが見えてますね。この記事プレビュー部分、文字数を数えたらReederとほぼ同じ。なるほど、やっぱり意識して作ってるのかな?

でもって記事見出しをタップすると……

はい、こんな風に記事の中身が見られます。あとは次々に記事をチェックしていくんだけど、ここからの操作バリエーションがReadPadの真骨頂ですよ!

まず、この状態で右ペインを上にフリックしていけば、次の記事が現れます。River of Newsなんかで使われている操作方法だね。じっくり記事を読む場合はこれでもいいのだけど、「あとで読む」を使いながらサクサクチェックしていくにはこのやり方は向いていない。

「ああ、このアプリもここまでか」と思いきや、記事部分を右にフリックしてみると……

こんな感じで、記事画面が移動して……

右端に隠れると同時に、再び記事見出しが出てきました。おお、これは新しいね。なるほど、「見出しをタップ」→「記事をチェック」→「記事を右にフリック」を繰り返すわけだね。

わるくない。わるくないけど、2アクションなのがイマイチ。まだまだサクサク感が足りない。「惜しい!」とか思いながら、今度は記事画面を左にフリックしてみると……

じゃーん! 右ペインに記事見出しが並びました。素晴らしい! 右手の親指で見出しを次々とタップしていけば、左に記事が現れる。これがおそらく最速のインターフェイスだね。

しかも、記事見出しを1つタップした状態で、右ペインの見出しリストを上にスクロールすると……

タップしたものが白背景で上部に固定されたまま、次の気になる見出しをたどっていける。うーん、これもかなり使い勝手がいいんじゃないかな。

つまりこのReadPadは、記事の表示画面を左右にフリックすることで3とおりの操作方法が使い分けられるってことだね。「じっくり読む」と「サクサク読み飛ばす」の両方に対応しているってのがすごいと思います。

ちなみに、縦置き(ポートレイト)でもこの操作方法は有効ですよ。こんな風に記事だけを表示させた場合は……

上にフリックでたどっていけるし、この画面を左にフリックすると……

右側に現れる見出しリストから記事を切り替えられます。

あとは、やや地味だけど、未読のないサイトを表示する機能もありますよ。

上図のようにフォルダーからサイトを展開した状態で、下部ツールバーから一番右の「リスト」アイコンをタップすると……

ずらっと、読み終えたサイトが出てきます。薄い表示になっているのが既読サイトだね。

ここまで来たら、あとはクラウドとソーシャルの連携機能でしょう。InstapaperやTwitterと連携してくれていればいいのだけどね。

記事画面上の[四角+矢印]アイコンをタップしてみると……

ありましたねぇ。この時点で[Twitter][Facebook][Read It Later]の3つが並んでます。気になる[More…]もタップしてみましょうか。

きましたね。InstapaperもPinboardもありますよ。主流のものはすべて網羅してくれてますよ。Reederとはラインアップがやや異なるけど、数では負けていないね。

めずらしいのはTumblrとの連携かな。こちらは、ブックマークとしてタイトル、URL、タグ、Slugを登録できます。

しかも、このReadPad、ここでも洒落た工夫を見せてくれてます。たとえば、[Open in Safari]をタップして、記事をSafariで開いたとします。

その直後に再び[四角+矢印]アイコンをタップしてみると……

最初のメンツは[Twitter][Facebook][Read It Later]の3つだったのに、[Read It Later]が消えていま使ったばかりの[Open in Safari]が一番上に来ています。

実はこのポップアップのリスト、よく使うもので埋められるようになっているんだね。うーん、これもユーザーの立場に立ったナイスな配慮だと思いますよ。

たとえばオレの場合、通常は3つしか使わない。その3つを一度でも使ってしまうと……

こんな風にレギュラーポジションに並ぶというわけ。使っているうちにムダなものが出なくなるってのは本当に便利だと思います。

さらに、多くのアプリはこの手の連携を設定画面で行うのだけど、ReadPadの場合は最初の使用時のみログイン画面が現れます。

でもって、[Twitter]を選んでみると……

いきなり、タイトルとbit.lyの短縮URLが記載された投稿画面が出てきます。このあたりも、余計な機能を全部省きながら、必要なものはしっかり押さえている感じがいいよね。

本来ならこだわりたい「bit.lyのAPIキー」は入れられないけど、「簡単設定」のポリシーに免じてよしとしましょう。

日本語の表示ももちろんバッチリ。

タイトルや本文の文字化けはいまのところ見あたりません。個人的には、行間がもう少し広いといいのだけどね。あと、日本語フォントがゴシック系なのに対して、英語フォントがセリフ系なのもちょっと気になるかな。

好みもあるでしょうが、全体的な文書のレイアウトはさすがにReederのほうが勝ってますね。今後に期待です。

さて、最後にReederとの比較をまとめておきましょうか。先の「Reederが好きな5つの理由」と照らし合わせてみると……、

1)デザインがめちゃくちゃ好き
→いい勝負だと思います。黒背景にありがちなギラギラ感がないのがいい!

2)フリック操作がすごく便利
→「フリックでInstapaperに保存」はできないが、その他の操作感は負けてない。とくに、「3種類の操作切り替え」が秀逸!

3)読み込みが速い
→初回の同期時間を比較してみると、「Reeder:34秒」「ReadPad:59秒」とReederの圧勝。ただし、最初の同期が終わったあと、アプリを起動してから同期が終わるまでの時間は、両アプリでほとんど差がなかった。ReadPadの公式ブログに書かれている「download articles like a wind」の言葉はダテじゃない。

4)オフラインでも使える
→ReadPadはテキストのみオフラインに対応。Reederも画像を読み損ねることが少なくないが、やっぱり完全対応を望みたい!

5)短い時間で多くの記事に目をとおせるインターフェイス
→Reederの[矢印]で記事を送れるインターフェイスがかなり気に入っているが、サイト単位で記事をたどれるReadPadのほうがオレのニーズに合っている。総合評価はほぼ互角。

というところですかね。結論としては、Reederを超えるとまでは言えないが、本当に甲乙付けがたいという感じ。

現時点でReadPadが勝っている点として、

☆ 設定が驚くほど簡単! でいて機能的に遜色がない。

を挙げておきたいかな。

先に設定画面がない点について書いたけど、結論としては「設計によほどの自信がある」の方だと思います。とくに、クラウドやソーシャル連携のあたりが珠玉のでき。初めてRSSリーダーアプリを使う人にも安心しておすすめできるんじゃないかな。

個人的にRSSリーダーは、iPadのアプリの中でもかなりこだわりの強いジャンル。それだけにこのReadPadの登場にはちょっと興奮しましたね。まだ使い始めて2日目だけど、iPadはReederからこちらに移行する可能性は大です。

ユーザーとしては、両アプリが熾烈な戦いを繰り広げながら、どちらもさらに洗練されていくってのが理想ですよね。うん、RSSリーダー使って大量の記事を読むのがまた楽しくなりそう。では、また!

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