Nozbeをより実践的に活用するためのアプリ「タイムタグ編」 〜 TimeTag

 

つい先日、『Nozbe クリエイティブ仕事術』という新刊を書き終えました。執筆をとおして、Nozbeの便利さにあらためて気付いた部分もあれば、反対にNozbeだけでは「足りない部分」もすごく明確になった気がします。

そこで2回にわたって、3月10日発売の拙著にも登場する「Nozbeを実践的に活用するためのアプリ」を紹介したいと思います。最初のキーワードは「タイムタグ」。行動が本当に実行されるかどうかの鍵を握る重要な部分です。

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【行動の所要時間はとても重要】

Nozbeで収集した項目のうち、見極めのステップで「なんらかの行動が必要」と判断したものは次の2つに分類されます。

  1. 期限付きの行動(スター付き、日付あり)
  2. できる状況になったらやる行動(スター付き、日付なし)

両者の大きな違いは、「日付があるかどうか」ですね。1はとにかく「その日が来たらやる」とコミットしたもの。もちろん、優先順位は最高ってことになるわけです。

これに対して、2は空き時間などを使って「できればやっておきたい」行動という意味を持っています。1と比べると優先順位は下がるものの、「やる」と決めたという点では1と変わりません。その証拠に、Nozbeの「次の行動」には1と2の両方が表示されます。

Nozbeでは、これら2つについて、「スター」と「日付」(1のみ)のほかに、場所や道具、自分の調子などの状況を表す「コンテキスト」や「所要時間」、必要なら「開始時刻」や「繰り返し」を設定します。

では、確実に実行していくために、これらのなかでもっとも重要な項目はどれか?

オレは「所要時間」だと思いますね。

たとえば、ある日に6つの「期限付きの行動」を入れたとします。それぞれの所要時間を「1時間」と設定したとすれば、すべてを実行するのに6時間かかることになります。

もしその日、自分の空き時間が6時間あれば、これらの行動はすべて実行されることでしょう。ところが! 「1時間」とした行動の半分以上が、実際にやってみると「2時間」かかったとしたら……。

実行されるのは、多くても3つだけ。残りは残念ながら明日以降にリスケジュールとなってしまいます。

「できる状況になったらやる行動」についてもまったく同じ。ある予定がキャンセルになり、次のミーティングまで1時間の空きができたとします。「次の行動」から所要時間が「1時間」以内のものを見つけてやってみたら……。

やはり、実際には2時間かかる行動だったために、その空き時間では半分しかすませられないなんてことが起こってしまいます。

この問題、「どれだけやる気があってもできやしない」ってところがヤバイんですね。真面目であろうと、本気であろうと、時間という制限がある以上、不可能なものは不可能なわけです。

オレもNozbeを使い始めたころは、この「所要時間」の読みがめちゃくちゃ甘く、まぁ、ありとあらゆる行動がリスケの嵐にさらされていました。

つまり、Nozbeに限らず、どんなツールを使うにも、「ある行動に要する時間がどのくらいか」を正確に読めていなければ、あまり役に立たないってことになるわけです。

そこでオレは、Nozbeに登録した行動を実行する際に、毎回、時間を計ることにしてみました。もちろん、同じ行動でも、毎回、微妙に中身が違っていたりして、正確な所要時間を知るのは簡単じゃありません。

でも、計測を繰り返すうちに、少なくとも振れ幅がどのくらいかはわかるようになります。ある行動について、45分から60分の範囲ですませられるとわかるだけでもしめたものです。この場合は、「1時間」と設定しておけばまず間違いないからです。

【計測専用のアプリを探せ!】

ここからは、いつものとおりアプリ探しです。行動の所要時間を計るのにそもそもアプリが必要かという気もしなくはなかったのですが……。iPhoneの時計で計ってメモしておいてもいいわけですからね。

いや、でも、単に時計で計るのとは違う、便利な使い勝手のアプリがあるに違いない。そう考えるのがオレの性です。今回もいろいろ試してみました。でもって、最高に気が利いているのが見つかりましたよ!

過去の計測を保存、レポートしてくれる優れもの!
TimeTag(450円:ユニバーサル)TimeTag - Capparsa

先にも書いたように、この手の計測は一度やればいいってものじゃありません。何度も計ってみて、振れ幅を割り出さなくちゃならない。つまり、過去の計測履歴をわかりやすく管理してくれるってのがキモだと思います。

あとは、インターフェイスですね。毎日使うアプリに関しては、これだけは譲れない。文房具と同じで、見ていて気持ちいいってのが重要です。

もう1つ、欠かせないのが「シンプルさ」ですね。たかが時間を計るだけのことに、面倒な設定や、複雑な操作があったんじゃ困ります。とにかく、なにかはじめるときにサッと起動して、サクッと計れなきゃダメです。

そのあたりの条件をすべて満たしてくれたのが、このTimeTagというアプリ。450円とそれなりの値段はしますが、iPhoneとiPadのどちらでも使えるし、できばえに関しても十分、値段に見合ってると思います。

とりあえず試用してみたいという方には、画面下に広告が表示される無料版のTimeTag Freeもおすすめです。個人的には、この手のアプリで広告ってのはちょっと苦手なので有料版を買いました。

はい、ではさっそくアプリを起動してみます。

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まずは、なにもない素の画面。最初に、計測したい行動をすべて登録しておきます。右上の[タグ]アイコンをタップします。

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[Create New Tag]というポップアップが出てきます。TimeTagでは、計測する行動を「タグ」として保存しておくんですね。[Tap to Set Tag Name]をタップします。

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テキストボックスに計測したい行動名を入れて[Done]をタップします。オレは、「RSSリーダーのチェック」という以前からどのくらいかかっているか不明だった行動を入れてみました。

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次に、このタグ(行動)に「カテゴリー」を設定します。[Tap to Set Category]をタップ!

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あらかじめ、4つのカテゴリーが用意されていますが、どれも付けたいものとは違うので新しいものを作成します。右下の[+]をタップして、次のウィンドウでさらに[Tap to Set]をタップします。

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テキストボックスにカテゴリー名を入れます。オレは「RSSリーダーのチェック」という行動を入れるカテゴリーとして、「情報収集」を作りました。名前を入れ終わったら[Done]をタップします。

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次に、このカテゴリーに色を付けます。これからTimeTagで計測するさまざまな行動をカテゴリー別に色分けしておければ、見やすいだけでなく、画面もカラフルになって楽しめますよ。

「Text and Background Color」の下にある[Tap to Set]をタップします。

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[Background]のボタンをオンにして、[Red][Green][Blue]のいわゆるRGBで好きな色を作っていきます。ここは中間色にしておくのがおすすめですね。文字色も変えたい場合は、[Text]ボタンをオンにして調整します。色決めが決まったら[Done]をタップ!

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これで、「情報収集」という緑色のカテゴリーができました。こいつをタップすると……

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「情報収集」というカテゴリーに入った、「RSSリーダーのチェック」というタグ(行動)が作成されました。左上の[Tags]をタップして、同様の手順で、別のタグ(行動)やカテゴリーを作成します。

登録した行動のうち、どれかを開始する際に、まず画面左上の[時計]アイコンをタップします。

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こんな感じで、でっかい[Start]ボタンが表れます。これをタップして……

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登録してある行動のなかから、計測したいものを選びます。

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これでタイマーが動き出します。画面なかほどにある[ノート]アイコンをタップすると……

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こんな風に、現在行っている行動についてのコメントを書いておけます。「今回はかなり量が多いかも」「いつもに比べて、比較的スムーズに進んでいる」などの状況を残しておけば、あとで同様の行動について所要時間を比較する際に役立ちます。

ここまでくれば、もうTimeTagを終了させても大丈夫。バックグラウンドでしっかり計測を続けてくれます。

ちなみにこのアプリ、「マルチ計測」に対応していて、同時に複数のタイマーを走らせられます。[Start]ボタンが出てきたら、左にフリックで別の行動を計るタイマーが現れます。

ところで、この機能、チームで使う場合なんかにいいんでしょうか。あるいは、1人でもすごい活用法があるとか? 1人で一度に2つのことはできませんからね。見つけた方はぜひ、教えてください!

さて、行動が完了したら、すかさずTimeTagを起動して、でかい[Stop]ボタンをタップします。以上で計測終了。結果は日付ごとに整然と並びます。

オレが実際に使っている画面はこちら。

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タグをカラフルにすると、いい感じになりますね。同様の行動について計測してきた結果がずらりと並んでます。振れ幅が10分以内のものもあれば、30分近いものもあります。

集中力の差かもしれないし、そもそもの仕事量のバラツキなのかもしれません。振れ幅が大きいものについては、所要時間を多めに取っておくか、手を速める努力をするか、なんらかの対策が必要ということもわかります。

まったく期待していなかったうれしい効果としては、日を追うごとに時間が短縮されていく行動があることに気付く点ですね。記録更新! のような感じです。

ひととおりの計測が終わったら、右下の[Export]をタップします。

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はい、これがオレのお気に入りのレポート機能。これまでに計測したものをファイルに書き出してくれますよ。しかも! 左下のボタンに注目。[Dropbox]とありますねぇ。

そうなんです。このアプリ、Dropboxの「TimeTag」というフォルダーにHTMLかCSV形式でレポートを書き出してくれるんです。

ただし、すべて文字コードが「UTF-8」になるため、ブラウザーやエクセル、Numbersなんかでこれを開くと、日本語が文字化けしてしまいます。

そこで、ブラウザーでHTML形式のレポートファイルを開く際には、エンコードを「UTF-8」にします。

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はい、これでバッチリ表示されました。

CSV形式の場合は、まず、テキストエディターでレポートファイルを開き、文字コードをOSにあわせて「Shift_JIS」などに変えて保存します。これをエクセルかNumbersで見てみると……

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文字化けがしっかり解消されます。

TimeTagはiPhone版のほかにMac版もあります。こちらはMac App Storeで450円。オレも買ってみましたが、アプリ版に比べてちょっと見た目が地味でしたね。しかも、アプリと別料金とくれば、あまり買う意味はないかもしれません。

【日次レビューの精度があがる!】

こんな感じでTimeTagを使って所要時間を正確に把握すると、日次レビューの精度がぐんと上がってきます。朝いちばんで、Nozbeのカレンダーをチェックして、登録してある行動の所要時間を合計してみます。

もし、トータルがその日の持ち時間を超えているようであれば、いくつかの行動をリスケすることになるでしょう。その代わり、残った行動については実行可能であることがわかっています。

そこで、コミットメント。「今日は確実にこれをやる!」としっかり自分に約束できます。このとき、所要時間の読みがいいかげんだと、いくら「やる」と心に誓ったとしても物理的にムリなわけで、結局は「できなかった……」ということになってしまいます。

そういうことを繰り返していくうちに、「ああ、どうせ今日も全部はできないんだ」と思うようになるのが我々人間の性。そういう事態に陥らないためにも、タイムタグをきっちり付けておくというのは重要なわけです。

もちろん、「できる状況になったらやる行動」についても、所要時間の読みがバッチリであれば「15分空いたら15分でできる行動」といった感じで、ガンガンこなしていけるはずです。

オレ自身、TimeTagを使うようになってから、Nozbeに登録した行動の実行率はかなり上がっています。アプリを使わないまでも、所要時間が未知の行動については、できるかぎり計測する習慣をつけるのがおすすめです。

はい、今日はこんなところですね。次回はNozbeの弱点である「ルーチンワーク」を管理するためのアプリを紹介したいと思います。では、また!

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2 Responses to “Nozbeをより実践的に活用するためのアプリ「タイムタグ編」 〜 TimeTag”

  1. kazuyak 2011年3月21日 at 12:03 AM #

    Mac app版のスクリーンショットなどアップして頂けますか?iPad版の購入検討していますが、オフィッスではiPadを使用できないため、デスクトップ版の購入も考えています。Google Calendarに自動登録されるアプリをご存知でしたら、お願いします。iPhone版のiTask Timerのようなものを探しています。

    • zonostyle 2011年3月28日 at 12:21 AM #

      kazuyak さん
      Mac app版は夏頃の発表で、私もまだ見たことがありません。画面ショットを入手でき次第、アップしたいと思います。しばらくお待ちください。
      よろしくお願いします!

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