ポストPC時代に最適な起動10秒のWiMAXモバイルルーター 〜 Artiza Design AZ01MR

 

iPhoneやiPadを活用するうえで欠かせないグッズに1つに「Wi-Fiモバイルルーター」があります。DropboxやEvernoteなどのクラウドサービスをガンガン使おうとしたら、やっぱり3G回線ではもの足りません。

今日紹介するのは、昨日届いたばかりの新製品。これまでのWi-Fiモバイルルーターと比べてほんのわずかな差ですが、かなりうれしい進化を遂げてくれています。これまでに購入してきたWiMAXルーターを振り返りながらコイツの魅力に迫ってみたいと思います。

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iPhoneやiPadの活用にWi-Fiは欠かせない

そもそも、iPhoneや3GモデルのiPadでなぜ、Wi-Fiモバイルルーターが必要になるのか? けっこう重要なポイントなので、このあたりからまとめておきましょうか。

個人的にはおもに次の6つの理由でWi-Fiモバイルルーターを活用しています。

  • Dropboxなどのクラウドストレージを使って文書を読み込んだり、保存したりするのに高速回線のほうが気持ちいい。
  • RSSリーダーで記事や画像を素早くキャッシュできる。
  • iTunesで音楽や映画を購入する際に3G回線は使えない。
  • 3G回線では20MBを超えるアプリを購入できない。
  • VoIPアプリなど、Wi-Fi接続でないと利用できないアプリがある。
  • KeynoteのRemoteなど、iPadとiPhoneを同一のWi-Fiネットワークに接続していないと連携できないアプリがある。

基本的には「より高速に使いたい」というのが大きいですね。理論値は別として、3G回線の実測値はおおよそ、下りで1.5Mbps、上りが1Mbps弱といったところでしょう。

これに対して、オレが愛用するWiMAXなら、実測値で下りが5Mbpsから8Mbpx、上りでも2Mbpsから3Mbpsくらは出ています。

どちらかというと、オレにとってはDropboxやEvernoteに文書を保存したり、RSSリーダーから記事をRead It Laterにクリップしたりするために使う「上り回線」の速度が重要なんですね。

また、セミナーなどの会場でWi-Fiスポットがないケースも少なくありません。そんなとき、Wi-Fiモバイルルーターがあれば、各機器を連携させるためのローカルネットワークを即座に構築できます。このあたりも大きなメリットだと思います。

というわけで、オレ的にはiPhoneやiPadの3G回線はあくまで予備。使える状況であれば、できるかぎり高速なWiMAXルーターを稼働させるのがあたりまえになっています。

歴代のWiMaxモバイルルーターたち

新製品を紹介する前に、これまでにオレが購入してきた歴代のWiMAXモバイルルーターたちを振り返ってみたいと思います。

たしか、この手の製品が初めてWiMAXから発売されたのは1年半くらい前だったように記憶しています。この間に買ったルーターは全部で4台。おおよそ、半年に1台のペースで買い換えている感じですかね。

新しいものが出るたびに少しずつ改良がほどこされ、次第に使いやすいものになっていきました。それぞれの特徴を見ていくと進化の過程が浮かび上がってきますよ。

というわけで、まずはWiMAXモバイルルーターの初代にあたるコイツから。

待ちにまった初代モバイルルーター!
URoad-5000(シンセイコーポレーション)

いやー、懐かしいですね。最初にこの製品を見たときにはほんと心が躍りました。「ついに、高速モバイルの時代が来た!」そんなときめきがありましたね。

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このモデルはルーターと通信機器がまた一体化しておらず、MW-U2510という通信用のUSBアダプターを差し込んで使っていました。無線規格はIEEE802.11n Draft2.0、11g、11bに対応しています。

全体の重量は約124グラム。以降に登場した製品と比べるとやや重い感じでした。なによりも、このUSBアダプターを挿すという形状が持ち運ぶのに不便でしたね。

電池の持ちは理論値で約3時間。実際には2時間強くらいしか使えなかったんじゃないでしょうか。まぁ、それでもかなりお世話になったことは確かです。購入してから5か月ほど使い続けていましたね。

続いてゲットしたのはUroad-5000の後継機でした。

通信機器とルーターが一体化!
URoad-7000(シンセイコーポレーション)

店頭でこの白いボディーを見た瞬間に、「おお、かなり洗練されたなぁ」と感動してその場で契約してしまったの覚えています。

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とにかく、あのUSBアダプターがなくなったのが最大のポイントです。形状も一回り小さくなり、重さも117グラムまで軽くなりました。ここにきて、ようやくカバンに気軽に入れておけるモバイルルーターをゲットしたという感じでしたね。

通信規格はIEEE802.11n(準拠)、11g、11bに対応しています。電池の持ちは理論値で3.5時間。初代と比べると若干ですが、長く使えるようになったという感じですかね。

それでも、外出中にiPhoneやiPadを思う存分活用するにはけっして十分な長さじゃありません。「もう少しバッテリーが長持ちしてくれればなぁ」というのが当時の感想です。

1日でも充電を忘れたらもうアウト。そんな日はかなり落ち込みながら家を出たものです。

そして登場したのが最近まで愛用していたこの製品です!

バッテリーの持ちが最大8時間に!
AtermWM3500R(NEC)

製品のリリースを見たときから、オレの心をつかんで離さなかった優れものです。

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白、赤、黒の3色から、オレはこのパールホワイトを選びました。この製品の最大の特徴はバッテリーの持ちです。

なんと、理論値で最大8時間! これなら長旅の出張だろうと大丈夫。実際に、購入してから今日まで電池を使い切ったことがないんですからね。

通信規格はIEEE802.11n、11g、11bに対応。ボディーはURoad-7000より一回り大きくなった感じですが、重さはほぼ同様の117グラムです。

こいつのいいところは、1日充電するのを忘れても4時間くらいは平気で使えるところ。そのうえ、MicroUSBポート付きで、パソコンやエネループからの充電にも対応してくれました。まさになくてはならない必須アイテムという感じです。

ただし、1つだけ大きな不満がありました。電源を入れてからiPhoneやiPadの設定画面[Wi-Fiネットワーク]に認識されるまで、50秒ほどかかるんですね。ちなみに、1つ前に購入したURoad-7000で起動時間は約30秒です。

さらに、iPhoneやiPadに認識されてからもWiMAX側での認証を行うため、実際に通信可能になるまでには1分から2分はかかってしまいます。

iPhoneやiPadが瞬時にスリープから復帰するのに比べて、30秒から50秒というモバイルルーターの起動時間はどう考えても長すぎる。

電車に乗ってルーターのスイッチを入れると、通信可能になるまでに1駅くらいは過ぎてしまうわけですからね。

ポストPC時代のモバイルルーター登場!

小型軽量化して、電池の持ちも長くなって、オレのモバイルライフはかなり充実したものになってきましたが、最後の1つ「起動時間」だけは未解決のままでした。

そんななか、オレが待ち望んだ新製品がついに登場したんですね。

起動時間わずか10秒!
AZ01MR(Artiza Design)

なんと、カタログスペックで起動時間がたったの10秒という優れものです。実際に設定画面の[Wi-Fiネットワーク]に表示されるまでの時間を測ってみると、結果はわずか14秒強!

しかも、そのあとの認証もあっという間に終わってしまうため、スイッチを入れてから20秒以内には通信可能な状態になってくれます。その際に、液晶画面に「Connect!」と表示されるのがまたわかりやすくていいんですねぇ。

これまでの製品だったら、Safariあたりを起動して「つながったかな?」なんてウェブを読み込んでみたりしてましたからね。ほんと、モバイルルーター使いの気持ちをわかってくれている製品です。

届いたパッケージも高級感があってなかなかオシャレです。

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本体はというと……

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おお、玄人好みのデザインですねぇ。背面のアルミボディーもかっこいいのですが、携帯性を考えるとやや華奢な感じもします。ヘビーに使うなら専用の革製ケースがあったほうがいいかもしれませんね。

バッテリーの稼働時間はカタログスペックで約6時間。AtermWM3500Rの8時間には及びませんが、まぁ、問題ないといっていいでしょう。今日も4時間ほど使いまくりましたが、まだバッテリーゲージの最後の1目盛りが残っていました。

でもってこの製品、バッテリーが着脱式になっているんですね。

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こんな感じでアルミのふたを取り外すとバッテリーを交換できます。予備のバッテリー(2,500円)もArtiza Designのダイレクトショップで発売中です(6月16日以降の配送)。

コイツをもう1つ持っていれば10時間以上も使えてしまうんですねぇ。しかもこれが薄くて軽いとくれば、もちろん、オレもしっかり予備を注文してしまいましたよ。

ただし、この製品は起動時間を短くするために、微量の電力を常に流して「スタンバイ状態」にしているんですね。つまり、電源をオフにしても次第にバッテリーが減っていくということ。

毎日のマメな充電や、長く使わないときにバッテリーを取り外しておくなどの工夫が必要になります。

充電は付属の小型ACアダプターで行うほか、USB接続でパソコンやエネループなどからも電源供給できます。もちろん、充電しながらの通信もOKですよ。

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一定時間使用しない場合に電源を切る「節電機能」にもバッチリ対応しています。こちらは、後出の管理画面から設定できます。

バッテリー込みの重量は97グラムと、オレが過去に買ったもののなかで最軽量なうえに、ボディーのサイズももっとも小さいですね。

起動時間が短くてバッテリーの持ちもよく、そのうえ小型軽量とくれば文句なしという感じですが、1つだけ気になる点があります。通信規格が「IEEE802.11b/g準拠」という部分ですね。

iPhoneやiPadで使える最新の規格「IEEE802.11n」に未対応なんです。11gでも公称速度が54Mbpsと、WiMAXの最大速度40Mbps(下り)を超えているために、実質的な問題はないと思いますが、他社製品と比較するとどうしても見劣りがしてしまいます。

この点はかなり気になるので、試しにスピードテストアプリで計測してみました。今回テストに使ったのは「Speedtest X HD Pro」というアプリ。下りと上りが同時に計測でき、結果もすべて記録しておいてくれる優れものです。今回のような実験には最適ですよ。

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URoad-7000、AtermWM3500R、AZ01MRの3台でそれぞれ15回ずつ計測し、数値の高い順に抽出した10個のデータから、上り下りの平均値と最高値を出してみました。どの機器でもアンテナが3本立つ通信状態が良好な場所で実験しています。

本来、この手の測定は厳密に条件を揃えないと正確な値は出せません。測定する時間が数分でも違えば、ネットワークの状況も変わってきますからね。さらに、モバイルルーターの性能に加えて、その先のサービスプロバイダーの通信品質なども関係してきます。あくまで参考値ということで。

ちなみに、自宅の100Mbps回線+IEEE802.11n対応無線LANで同じアプリで測定したところ、下りが20Mbps、上りが5Mbps程度になりまました。理論値の約5分の1といった感じでしょうか。アプリで利用しているのがオーストラリアのテストサーバーということもあって、やや低めの数値になっているかもしれません。

さて、結果はというと……

下り平均 上り平均 下り最速 上り最速
URoad-7000 8.18Mbps 2.24Mbps 8.55Mbps 2.52Mbps
AtermWM3500R 8.15Mbps 2.55Mbps 8.72Mbps 2.68Mbps
AZ01MR 7.43Mbps 2.58Mbps 7.56Mbps 2.68Mbps

 

今回の測定にかぎっていえば、他の2製品と比べてAZ01MRは、平均値、最速値ともに下りの速度が遅めに出ました。逆に、上りは3製品中で最速の値を出してくれています。

上りにこだわるオレとしては一安心といったところですが、やっぱり下りの速度が気になってしまいます。

やはり「IEEE802.11n」に未対応だからなんでしょうか。確かなところはわかりません。でも、今年発売されるルーターの新製品としては、なんとしても11nへの対応をお願いしたいところですね。ファームウェアでのアップデートに期待します。

現在、Artiza Designのダイレクトショップと、@NiftyのWiMAXページで購入できますが、本体価格24,800円が4,000円に割引される@Niftyのほうが断然お得です。

もちろん、オレも@Niftyで申し込みましたよ。これまでの3台はすべて家電量販店で契約したのですが、今回、初めて機器だけが先に送られてきて、自宅で契約をするという流れを体験しました。

まず、上記の@NiftyのWiMAXページから機器の購入申し込みをします。この際に@NiftyのID登録も同時に完了します。

AZ01MRが送られてきたらパソコンでWi-Fi接続し、ブラウザーで「http://192.168.0.1」を開きます。

真ん中の[WiMAX]という大きなボタンを押せばサインアップの開始。@Niftyのウェブサイトにアクセスします。

この際に、AZ01MR以外のネットワークアダプターがパソコンにつながっていると、上の画面が出ずにエラーになります。オレはイーサネットケーブルがつながっていたために、なんどやってもダメでした。

上のページが開いたら、「現在@nifty IDをお持ちの方」をクリックして、プランを選択すればOK。わずか数分で登録作業が完了し、その瞬間からAZ01MRが使えるようになります。

プランは登録手数料と登録月の利用料が無料になる「年間パスポート」(3,853円定額)にしました。1年以内に解約した場合、「変更・解除手数料」として5,250円が課金されます。

1年縛りのない「Flat」(4,200円定額)との月額差が約350円。半年で解約した場合の損金は、5,250円−350円×6か月=3,150円。オレのようにガンガン機種を買い換える人はもしかしたらFlatのほうがいいかもしれませんね。

まぁ、年間パスポートでも違約金がそれほど高くないというのも、WiMAXが気に入っている理由の1つです。機器はどんどん進化しますからね。とてもじゃないけど2年縛りなんてやってられません。

さて、このAZ01MR、オレ的にはとにかく起動時間が10数秒という部分が最高に気に入っています。そのくらい、モバイルルーターの起動待ちにはイライラしていましたからね。

先日のWWDCでジョブズ氏が語ったように、「時代はポストPC」に向かっています。加えて、iCloudの登場によってますますクラウドの利用があたりまえになってくるでしょう。

文書だけでなく、音楽やアプリなどの比較的サイズの大きなデータもクラウド上で管理されるようになるわけです。そんな時代のモバイルルーターとして、オレは「サッと取り出して即座に使える」このAZ01MRを高く評価したいと思います。

ただし、胸を張ってみなさんにおすすめできるかといわれると、先にも書いた「IEEE802.11n」への対応を待つことになるでしょうね。すでに別の製品をお持ちの方は、ぜひ、このAZ01MRのアップデートぶりに注目しておいてください。

現在、WiMAXルーターの購入を検討されている方、あるいはちょうど年間パスポートの期限が切れるという方は、このAZ01MRを検討する価値はあると思います。個人的には「URoad-9000」もかなり気になっていたりしますが……。

というわけで、AZ01MRに関するアップデート情報などまたこちらでお知らせしたいと思います。では、また!

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2 Responses to “ポストPC時代に最適な起動10秒のWiMAXモバイルルーター 〜 Artiza Design AZ01MR”

  1. Mizuochi 2011年7月27日 at 8:21 AM #

    Artiza Designの専用ケースをゲットしました!なかなかいいですよ!お気に入りアイテムです。

    • zonostyle 2011年7月27日 at 10:23 PM #

      Mizuochiさん
      おお、いいですね。私のArtizaはもう年期が入ってきたのでこのまま裸で使おうと思いますw

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