心底惚れこんだ「アナログ to デジタル」の決定版! LiveScribe echo smartpen(前編)

 

iPadを活用するうえで、個人的にかなりこだわっているのが「アナログデータのデジタル化」です。このブログでもなんどとなく取り上げてきた手書きメモアプリとスタイラス、『アナログ to デジタル三番勝負!』という記事で紹介したScanSnapやSHOT NOTE、airpen Pocket。

すべては「デジタル化」という目的のために揃えてきた、オレにとっては欠かせない必須アイテムなわけです。そしてつい最近、究極のデバイスともいえる優れものに出会いました。その名もLiveScribe echo smartpen! まだ日本では入手困難な代物ですが、その魅力を存分にお伝えしたいと思います。

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オレがアナログデータのデジタル化にこだわる理由は2つあります。1つは、デジタル化することによって、iPadで閲覧できるようになること。もう1つは、Evernoteの入力バリエーションが増えることです。

Evernoteは使い方によってさまざまな形のツールに姿を変えます。ある人にとってはライフログがめいっぱい詰まったジャーナルであり、また別の人にとっては気になる情報の宝庫かもしれません。

オレにとってのEvernoteはズバリ「アイデアとひらめきをキャプチャーするツール」なんですね。もちろん、何千もの貴重なウェブクリップも入っていますが、アイデアノートとしての役割がもっとも大きいと思います。

アイデアは突然やってきます。それが浮かんだ瞬間に、最速かつ最適な方法でEvernoteに入力したい。この1点にこだわるがゆえに、これまでさまざまな「アナログ to デジタルツール」を試してきたわけです。

もちろん今日紹介するのも、Evernoteの新たな入力バリエーションとして大活躍してくれそうな逸品です。しかも、紙にメモ派の人ならグッとくること間違いなしだと思いますね。

手書きメモ+αをさまざまなデジタル形式にしてくれる
echo smartpen(LiveScribe)

2GBモデル:99.95ドル(定価)
4GBモデル:149.95ドル(定価)
8GBモデル:199.95ドル(定価)

実はこの製品、初めてリリースされたのは1年以上も前。初代は「Pulse Smartpen」という名前でした。当時、林信行さんが『21世紀を感じさせる魔法のLiveScribeペン』というタイトルで詳細なレビューを書かれています。

初代の発売から1年たったいま、EvernoteやGoogleドキュメントとの連携など、現在のトレンドをバッチリ組み込んだ進化版として、この「echo smartpen」が登場したわけです。

林さんのレビューを読むかぎり、日本でももっとメジャーになっていい感じの製品だと思うのですが、なぜかいまでも国内では入手困難なまま。おそらく、多くの機能が日本語に対応していないというのが大きな壁になっているのだと思います。

もちろん、このecho smartpenも肝心な部分は日本語に未対応のままです。でも、今回実際に使ってみて、ローカライズを待たずとも十分に活用できるツールだと実感しましたね。

じゃあ、どのくらい使えるヤツなのか? さっそくその実力を見ていきましょう。

心躍る「Pro Pack」の中味から!

echo smartpenには3つのモデルがあります。違いはおもに容量で、2GB、4GB、8GBというラインアップ。ただし、4GBと8GBモデルは後述する付属のソフトウェアがプレミアム版なのに対し、2GBモデルはいくつかの機能が省かれたベーシック版になります。

さらに、8GBモデルには「Pro Pack」というセット商品があり、さまざまな付属品が最初から同梱されているんですね。かなり迷いましたが、オレのことだからあとでいろいろ買い足すに決まっていると思い、エイヤっという感じで「Pro Pack」を購入してしまいました。

価格は定価で249.95ドル。オレは米国アマゾンで221.50ドルで買いました。

まずはその中味から紹介しましょう。届いたパッケージはこんな感じです。

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左端に見えているのがsmartpenの本体。それに比べて箱の大げさなこと。なにが入っているかかなり楽しみですねぇ。中味を取り出してみると……

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本体に加えてこれだけのアクセサリーが入っていました。

① smartpen本体
② A5のノートとポートフォリオ
③ マニュアルとTips集+文字認識アプリ「MyScript」のシリアルナンバー
④ インクカートリッジ(黒)×2本
⑤ 専用キャップ
⑥ ヘッドフォン用換えパット
⑦ ヘッドフォン兼録音用ステレオマイク
⑧ Micro USBケーブル

詳しくは後述しますが、実際に使ってみてこの中で必須だと思われるアイテムは、③の「MyScript」という日本語にも対応している文字認識アプリと、⑦のヘッドフォン兼ステレオマイクでした。

これらをバラで買うと……

MyScript:29.95ドル
ヘッドフォン兼録音用ステレオマイク:24.95ドル(米国アマゾン・日本からは購入できない)
smartpen本体:175.63ドル(米国アマゾン)
計:230.53ドル

となります。Pro Packならこれにポートフォリオも付いて221.50ドル。断然お得な感じがします。もし本気でコイツを使い込もうと思うなら、やっぱりPro Packがいいと思いますね。

便利なデスクトップアプリをインストールする

echo smartpenを使えるようにするためにはいくつかの準備が必要です。オレも最初は手順がよくわからずに、いろいろつまずきました。

まずはパソコンに専用のアプリをインストールする前に、付属のMicro USBケーブルを使って「充電」しておくのがおすすめです。

バッテリー残量がゼロの状態でフル充電までにかかる時間は約2時間半。これでテキストだけのキャプチャーなら約13時間も動いてくれるとのこと。うん、これなら十分な持ち具合ですね。充電が完了したらsmart penからいったんUSBケーブルを抜いておきます。

次に、ダウンロードサイトから「Livescribe Desktop with Livescribe Connect」という専用アプリをゲットしてパソコンにインストールします。Windows版とMac版の両方がしっかり用意されています。

この手のツールではなぜかMac版がしょぼいことが多いのですが、LiveScribeに限ってはそんなこともありません。しっかり、フル機能を提供してくれてますよ。

インストールが完了したら、再び充電済みのsmart penをUSBケーブルでつなぎます。自動的にLivescribe DesktopとLivescribe Connectが起動して……

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本体のファームウェアアップデートが始まります。これを最初にやっておかないと、後述するいくつかの機能が使えないんですね。オレは一度もパソコンにつながずにいろいろやろうとして「なんでできないの?」という感じで困ってしまいました。

ファームウェアのアップデートが完了したら「My LiveScribe」という500MBのクラウドストレージを使うためのアカウントを作成し、本体の登録も行います。

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こんな感じのウィザードに従っていけばほどなく終了となりますね。

2つのアプリ、Livescribe DesktopとLivescribe Connectの役割はそれぞれ次のとおりです。

Livescribe Desktop:テキストや音声データを同期&管理。iTunesと似た役割。
Livescribe Connect:EvernoteやGoogleドキュメントにデータを送信するためのアカウント設定などを行う。ScanSnapの「ScanSnap Manager」と似た役割。

先に書いたように、2GBモデルのみこのアプリのバージョンがベーシック版となりいくつかの機能が省かれています。サイトの解説によると、Googleドキュメントへの送信と任意の相手にメール送信する機能がないようです。

ただし、2GBモデルを購入した場合でも、14.99ドルでプレミアム版にアップグレードができます。

おそらく、テキストだけの利用なら2GBもあれば容量は十分でしょう。さらにGoogleドキュメントを使わないとなれば、99.95ドル(米国アマゾン価格)ともっとも安価な2GBモデルもわるくなさそうです。

ノート上のコントローラーを使って操作する

さて、準備が終わったら付属のA5 Starter Notebookを開いてみましょう。smartpenの秘密はこのノートにあります。

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名付けて「Dot Paper」。この一見、普通の紙のように見えるノートに無数のドットが埋め込まれているんですね。これによって、ペン先がノートのどの部分に接したかを認識し、手書きデータが生成されるというわけです。

しかもこのドット、どのノートの何ページに書いたかも認識できるというから驚きです。このノートやページを見分けてくれる機能こそ、これまでになかった画期的なものだと思うのです。多機能なsmartpenのなかでもオレがもっとも感動した部分ですね。

ノートの下部にはなにやら不思議なボタンのような印刷があります。拡大してみると……

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こんな風になっています。まずは左の十字キーの真ん中部分をペン先でダブルタップします。これでsmartpenの液晶に「Main Menu」という文字が現れます。同時に、音声でも「Main Menu」とガイドしてくれます。

この状態で「下向き矢印」をなんどかタップしていくと、さまざまな設定項目が出てきます。要は、デジカメなんかによくある十字キーを操作しているような感覚ですね。最初はなんとも扱いづらい感じですが、慣れればサクサク操作できるようになります。

このメニューのなかから「Settings」→「Locale」と進むと液晶の表示を各国語に変更できます。現時点で韓国語や中国語など、13か国語に対応していますね。

まさかあるわけないだろうなと思ったら、しっかり日本語もありましたよ!

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はい、ちょっとフォントはイマイチですが、こんな感じでバッチリ日本語のメニューに変えられました。

この、「ノートに印刷されたボタンをペン先で操作する」というのが、smartpenの作法なんですね。メニューの変更以外にも、後述する音声の録音スタート、ストップ、ポーズ、頭出しなんかもすべて「ノートをタップ」で行います。

おもしろいことに、マニュアルもこのDot Paperで作られていて……

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いたるところにタップできるボタンが配置されています。とくにおもしろいのが「i」と書かれた吹き出しボタンですね。コイツをタップすることで、音声によるガイダンスが聴けます。

ただし、こちらは英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語の4か国語のみの対応となっていて、言語設定を変えても日本語ではしゃべってくれません。

実際の様子をビデオに録ってみました。ぜひ、チェックしてみてください。なかなか楽しいですよ!

まずは文字だけでいってみましょう!

じゃ、さっそく付属のA5 Starter Notebookに文字を書いてみましょう。この際にやることはなにもありません。本体のスイッチをONにしてただ書くだけ。いたって簡単です。

文字を書いたノートをスキャンしたものがこちら。

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付属のペン芯は黒色ですが、こちらは後日購入したブルーの替え芯を使って書いています。

ひととおりメモが終わったら、Micro USBケーブルでsmartpenをパソコンに接続します。残念ながら、現時点ではWi-FiやBluetoothには未対応なんですね。

サイトの解説によれば、近日中にワイヤレス同期に対応してくれるとのこと。個人的にはこれは必須だと思いますね。アップデートに期待しましょう。

smartpenをパソコンにつなぐと、自動的にLivescribe Desktopが起動してペン内のデータを読み込んでくれます。こちらが、読み込まれたノートの画面。

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左ペインに「A5 Starter Notebook」という項目が見えています。なんと、smartpenがどのノートにメモを採ったかを自動的に判別してくれているんですね。うーん、賢い。

でもって、右ペインに先のノートが読み込まれています。下部のページ数に注目ですね。実はこのノート、終わりのほうのページを切り取って書きました。それが94ページだったというわけです。

こちらもバッチリと認識してくれていて、下部に94とページ数が見えています。なるほど、ということは、一度LiveScribe Desktopに読み込んだあと、さらに同じ94ページに加筆したらどうなるんでしょう?

先のノートにさらに文字を書き加えてみます。まずはスキャンしたものから。

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右の四角囲みが新たに追加した文字です。これで、smartpenを再度パソコンに接続してみると……

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はい、同じ94ページにしっかり加筆した文字が付け加えられました。いやー、これぞsmartpenの真骨頂だと思いますね。

想像してみてください。ノートまるごと1冊、いつ、どのページになにを書いてもバッチリ認識してくれるということは、リアルな紙のノートのデジタルクローンがsmartpenやパソコンのなかにあるということですよね。

こんなツールはいままで見たことがない。過去に紹介したどのツールも、読み込んだデータは常に孤立していて、1冊のノートとの関係性なんて保持できませんでした。ほんとヤバイですね、コイツは。

さて、せっかくなのでもう1枚、次のページにも文字を書いて計2ページ分をEvernoteに送ってみましょう。smartpenからEvernoteに送る方法はいくつかありますが、まずはすべてのページを選択して右クリック。[Sent to]から[Evernote]を選ぶ方法でやってみます。

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メニューを見ればわかるように、この方法でパソコンのフォルダー、Facebook、Googleドキュメント、LiveScribeの保存用ストレージ「MyLivescribe」、後述するiPhoneやiPadのアプリに文書を送れます。

形式は送信先によってことなりますが、PDF、PNG、音声ファイルも含む「ペンキャスト」もしくは音声のみが選べます。というわけで、Evernoteに送ったPDFがこちら!

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線の太さまでは読み取らないため、手書きに比べてやや無機質な感じはしますが、これだけ再現してくれれば十分でしょうね。

ノートを下にスクロールすると……

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2ページめが続けて保存されていますね。iPadの手書きアプリなんかでは、複数ページをまとめて送信しても、Evernote上では別のノートになってしまうものがあります。

やっぱり、こんな風に1つのノートにまとめてくれるのはうれしいですねぇ。ほんとよくできてますよ。

先に「smartpenからEvernoteに送る方法はいくつかありますが」と書きました。なかでも、もっともシビレる方法を紹介しますね。これはほんとかっこいい。

ノートにメモを書き終えたら、4センチほどの長さの線を「左から右、右から左」と続けて二本書きます。これでsmartpenの液晶に「Command?」と表示されます。

次に、たとえばEvernoteに送信する場合は、線の上に「Evernote」と書きます。今度は液晶に「Evernote」と表示されます。

Evernoteに送りたいページを一度タップします。もちろん、複数ページの指定もOKです。すべてタップし終わったら最後にノート上でダブルタップします。

この状態でパソコンと接続すると、先の「右クリックからSend to」をしなくても、自動的にEvernoteに送信されるんですねぇ。

こちらもビデオに録りましたよ。ほんと、シビレる手書きコマンドをご覧あれ!

ビデオではコマンドを実際に送信するページに書いていますが、これだと「Evernote」という文字が入ってしまいます。

たとえば、見開き2ページくらいのコマンド専用ページを用意するというのも手ですね。送りたいページはワンタップで選べるので、必ずしも同じところに書く必要はないわけです。

コマンドの一覧はLiveScribe Connectアプリから確認できます。

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ほとんどはFacebookやGoogle Docsなど、そのまんまという感じなのでとくに覚える必要もなさそうです。

ここでは、[ショートカットを追加]からオリジナルなコマンドも登録できます。たとえば、[Email]から宛先を指定して[zono]などの名前を登録しておけば、メモを特定の相手に自動的にメールで送信するなんてこともできてしまいます。

まぁ、頻繁に使うかどうかは別として、いかにこのsmartpenが賢いかを証明しているようなすごい機能だと思いますね。なんというか、この手のツールが好きな人の気持ちをわかっている感じがしてめちゃくちゃ好感が持てます。

と、このまま一気に続けていきたいところですが、まだまだすごい機能が山盛りいっぱいあるんです。まずは前編ということで、一度閉めたいと思います。

最後にここまでのインプレッションをまとめておきますね。べた褒めしてきたsmartpenですが、微妙な部分も少なくありません。

たとえば、ペンの太さ。まぁ、ペンといっても中味は高機能なコンピュータなわけで、仕方がないといえばしかたないのですが、とにかく太い。

これほどまでに太い筆記用具を使うのは、中学生のころに修学旅行のお土産で買ったデカ鉛筆以来じゃないでしょうか。オレもガチで使って約1週間が過ぎましたが、ようやく慣れたという感じです。

さらに、重さのバランスも微妙です。ペンの上部に機械が詰まっているせいか、上が重くて下が軽いんです。逆なら問題ないのですが、このバランスだとどうしても手元がフラフラします。

こちらも、太さ同様に1週間で慣れましたが、どうしても苦手という人はいるでしょうね。

もう1つは専用ノートを使うしかないという部分。Dot Paperあってのsmartpenですからね。こればかりはどうしようもない。絶対にモレスキンやロディアじゃなきゃダメという人にとっては厳しい選択になりますよね。

しかも、本家のストアでは日本に配送してくれないというからさらに厳しい。頼りは米国アマゾンだけというわけです。ほしいノートがあっても、アマゾンで売っていなければアウトなんですね。

仕方がないので、iCre仲間の小野山さんという方に教えていただいた海外の買い物代行サイトを使っていくつかのノートを取り寄せました。いやー、LiveScribeは日本で使うには苦難の連続かつお金がかかります。

と、一挙に不満を述べてみましたが、それでもこうして使ってみたくなるのはコイツがほんとうに優れているからです。まるでフェラーリやハーレダビッドソンのオーナーになったような気分ですね。

前編でお伝えしたのはほんとうに基本的な機能に過ぎません。後半もめくるめくsmartpenの世界をたっぷりお届けしたいと思います。ということで、では、また!

 

 

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2 Responses to “心底惚れこんだ「アナログ to デジタル」の決定版! LiveScribe echo smartpen(前編)”

  1. 中園康生 2011年7月21日 at 1:56 PM #

    倉園さん、駄目ではないですか!
    AirPenを持っている自分ですが(持っているだけで、決して使い込んでいるとは言えない…)すっかり欲しくなってしまいました。実は、すでにAmazonのカートに入っており、あとはポチするだけですが…。
    どこでもいつでもメモを取る、できれば取材ノートの代わりになる。果たしてこの要望を満たしてくれるのかどうか?
    起動は速いですか? 替え芯は、専用でしょうか? 薄暗いところ、逆に明るすぎるところでは画面はよく見えますか? ノート側のバッテリーはどうなっているのでしょう? .etc。次回レビューがとても楽しみです。(待てずに買っちゃうかも、です) 

    • zonostyle 2011年7月21日 at 4:29 PM #

      中園さん
      ほんと、すみませんw こればかりはいいものが出ると紹介せざるを得ないので。
      ご質問、すべて後半でお答えするつもりでしたが、ポチりたい気持ちにお応えしますね。
      まず、変え芯は専用だと思います。サイズがAirPenなどで使われているものよりかなり小さいのです。一度、文房具店で調べてみようと思います。ちなみに私はすでに2セットを買ってしまいました。
      液晶は暗いところでも明るいところでも問題なく見えます。というよりも、あまり使わないと思いますね。
      起動は待ち時間ゼロでいけます。
      ノートにはバッテリーは必要ありません。普通の紙です。
      取材ノート? バッチリです。ある意味、取材にこそ活躍する最強グッズだと思います。ぜひ、次回の記事をお楽しみに!
      では、また遊びに来てください。お待ちしています。

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