赤色レーザーの未来型キーボードでブラインドタッチに挑戦! 〜 Celluon Magic Cube

 

人とコンピュータは入出力の機器をとおしてコミュニケーションします。iPhoneやiPadのタッチスクリーン、XboxのKinectがそうであったように、この部分が進化するとわれわれとコンピュータの関係もいい感じになっていくわけです。

おそらく、この数年でインプットとアウトプットのためのデバイスはどんどんすごくなっていくはずです。映画『マイノリティリポート』の世界が実現するのもそう遠い未来じゃないような気がします。今日紹介するのもまさに新時代の入力機器。まだまだ課題は少なくありませんが、そのチャレンジ精神に敬意を表してしっかりレビューしたいと思います。

Magiccube10

最近、iPadの周辺機器でちょっとしたブームになっている製品があります。iPadのケースも兼ねたBluetoothキーボードですね。iPad 2が発売されるまではあのZAGG mateくらいしかなかったのに、このところものすごい勢いで各メーカーから新製品が発表されています。

この分野には目がないオレもすでに5製品ほどを購入してしまいました。こちらは、最後の1台が今月の14日に届くそうなので、全部そろったところで比較レビューを書きたいと思っています。

おそらく、外付けキーボードを使ってiPadでなにかを制作するニーズが高まっているんでしょうね。スタイラスもそうでしたが、1つの業界が盛り上がると立て続けに優れた製品が出てくるようになります。ニッチといえばニッチな分野ですが、iPad用キーボードケースの今後もかなり楽しみになってきましたね。

さてそんななか、ひときわ異彩を放つすごいヤツが現れました。発売前からオレの心をグッとわしづかみにして放さなかったこの未来型キーボードです。

わずか78グラムのフルピッチレーザーキーボード!
Celluon Magic Cube (19,950円/RESTIR.COM価格)

キーボードといってもコイツは実体がありません。本体から投影される赤いレーザーをタイプするというまさにSFの世界。価格は「えっ?」といいたくなるくらい高いですが、夢を買うと思えばこのくらい……。

3つの窓でタイピングを認識!

ということで、さっそくゲットしてみました。正直いって、この手の製品に過大な期待は禁物です。とくに、最初に出たものに関してはぜいたくいいっこなし、と、これまでガジェットを買い漁ってきた経験がいっています。

はたして結果は? 少なくともこのブログを楽しく書いていることだけはたしかです。なにはともあれ、箱を開けるまで不安と期待が交差した不思議なグッズ、Magic Cubeの実力を見てみましょう。

まずはパッケージから。

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うーん、たいそうな感じのプラスチックケースが雰囲気を盛り上げてくれますねぇ。送料込みで2万円以上も払ったのだから、このくらいの演出はしてくれないと困ります。

せっかくなのでちょっと寄ってみましょうか。

Magiccube02

もったいぶっていますが、なかなか箱を開けられないあのドキドキ感を出してみました。

はい、こちらが本体です。

大きさは高さが75ミリ、横幅が38ミリと、予想したよりもはるかに小ぶりでした。重さもわずか78グラムですからね。ZIPPOのライターより軽い感じです。

まずは背面の小さなふたを開け、付属のminiUSBケーブルをつないで充電します。

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バッテリーの持ちはカタログスペックで約2時間半。実際には2時間程度といったところでしょうか。最初にフル充電するのに約2時間かかりました。

ちなみに、miniUSBポートの右隣にはBluetoothのプロファイル切り替えボタンがあります。

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当初、このMagic CubeはiOSでキーボードを接続するのに使うHIDと、Bluetooth機器を仮想のシリアルポート化するSPPの両プロファイルに対応とうたっていたのですが、現在のウェブサイトには

※HIDプロファイルのみに対応しており、SPP(Serial Port Profile)には対応していません。

との注意書きがあります。つまり、実質このスイッチは動かしてはいけないということ。初期設定のHIDのまま(上側)で使うことになります。

また、これに付随してかどうかはわかりませんが、一部のAndroid端末でMagic Cubeが使えないことが判明しているようです。Androidユーザーの方はこちらの対応表を確認してから購入することをおすすめします。

この変更は、iPhoneとiPadで使う分にはまったく問題がありません。

じゃ、裏面のパワースイッチをONにしてみます。

Magiccube07

はい、こんな風に本体からレーザーが投射されます。ちょっと感動の瞬間ですね。前面には3つの窓があり、それぞれの役割が組み合わさってレーザーキーボードが機能するようになっています。その役割とは上から……

① PATTERN PROJECTOR:赤いレーザーを投射してキーボードの画像を机の上に映し出す。
② SENSOR:指から反射した赤外線(③の窓から放射)を感知。三角測量によって押されたキーを判断する。
③ LED IR LIGHT:目に見えない赤外線レーザーをキーボードの数ミリ上に放射。指に当たって反射した赤外線をSENSORに送る。

なるほど、われわれの目には①の赤いレーザーしか見えませんが、実は②のSENSORと③のLED IR LIGHTがこの技術のキモだったんですね。

Magic Cube特有のショートカットキーをマスターする

ここまできたら、すぐにでもBluetoothでiPadと接続といきたいところですが、まずはこのままUSBケーブルをMacにつないでキーボードの機能を確認しておきます。

はい、これがMagic Cubeのレーザーキーボード!

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英語キーボードですね。キーピッチはフルキーボードとほぼ同等の19ミリ。上の写真は光がにじんでいますが、本物はもっとくっきりしています。そのあたりは、あとで登場するビデオで確認してください。

まずは、MacやiPhone、iPadで必要なキーボードの割り当てをまとめておきましょうか。

  • command:MENU
  • option:ALT
  • control:CTRL
  • delete:BACK
  • F1〜F9:FN+1〜9

これだけ把握しておけば、通常のキーボードとほぼ同じ感覚で使えます。

英語と日本語の入力切り替えは「command(MENU)+スペース」でいけるほか、「command+c」(コピー)「command+v」(ペースト)「command+a」(すべて選択)などのショートカットキーも問題なく使えます。

「SHIFT」キーを押したまま矢印キーで文字列を選択もできますが、先のcommand系のショートカットを使う場合は、「MENU」キーから一度指を放して押し直さないと認識してくれません。

F1からF9までは「FN」キーと数字の組み合わせになるため、9以上の数字を使うF10、F11、F12には対応していないようです。「FN」キーも長押しはダメで、毎回押し直しになります。

渋いところでは、「control+f」(カーソルを前に進める)や「control+b」(カーソルを後退)などのcontrol系ショートカットもすべて使えますね。こちらは「control」キーの長押しにも対応しています。

あとは、Magic Cube本体を操作するためのショートカットキーがいくつかあります。こちらはキーボードの感度やキー音の調整など、使い勝手に直結するものばかり。Magic Cubeを使うならまずマスターしておきたいですね。

  • FN+<, >:キーボード感度の調整(5段階)。「<」で下がり、「>」で上がる。
  • FN+←, →:レーザーの輝度の調整(3段階)。「←」で暗くなり、「→」で明るくなる。
  • FN+↑, ↓:キーを押したときの「ピッ」という音の調整(5段階)。「↓」で小さくなり、「↑」で大きくなる。
  • FN+BACK:エコモードに入る。キーを押した瞬間にレーザーが消え、本体の前に指を三本かざすと再び投射される。

触ってみるまで、オレもキーボードの反応が心配でしたが、実際には反応がよすぎて困ってしまうくらいでした。指がほんの少しでも下に動くとキーを押したと見なされてしまうんですね。

いろいろ試してみましたが、感度を最低に、輝度を最高にすると誤認識がもっとも少ない感じでしょうか。まぁ、このあたりはタイピングのくせにもよると思います。自分にあったチューニングをしておくのがおすすめですね。

でもって、実はもう1つちょっと特殊なショートカットキーがあるんですね。それがこれです。

  • FN+白抜き矢印(スペースキーの右隣):マウスモードへの切り替え。キーボードモードに戻るには「白抜き矢印」のみを押す。

なんとこのMagic Cube、キーボードだけじゃなくマウスの機能まで持っているんです。上記のショートカットキーを押したあと、レーザーキーボード上で指を動かすとマウスカーソルを操作できるようになります。

さらに、次の操作で左クリックと右クリックもOK……

  • 1+2:右クリック
  • 1+3:左クリック

とのことですが、なぜか「1+2」の左クリックがなかなかうまくいきません。カーソルの動きもイマイチだし、このモードにはあまり期待しないほうがいいと思います。

いよいよiPadにBluetoothで接続!

はい、お待たせしました。ここまでマスターしたことろで、いよいよiPadにBluetoothでつないでみます。

設定はいたって簡単。iPadの設定でBluetoothをオンにして、Magic Cube本体のスイッチを入れると……

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「Celluon」という名前でMagic Cubeが認識され、4桁のPINコードを入力するように求められます。

机の上に投射されたレーザーで数字を入力すれば準備完了。

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[接続されました]と表示されればiPadでMagic Cubeを使えるようになります。

オレの場合、ここでちょっとした問題が発生してしまいました。というのも、まだMagic Cubeのレーザーキーボードに慣れていなくて、4桁の数字がうまく入力できないんですね。

失敗すること2回。三度目にしてようやく成功した次第です。もし、同じところでつまずいた場合は、iPadの設定で一度BluetoothをオフにしてMagic Cubeもスイッチを切ってから接続し直すとうまくいきます。

さて、ここからいろいろなアプリを使ってタイピングしてみること約30分。はたしてブラインドタッチができるところまでいけたのか?

結果はこのビデオでチェックしてみてください。冒頭で先に紹介した輝度と音量の調整、エコモードへの切り替えをやっています。

いかがでしょう。普通のキーボード並とはいきませんが、それなりに打てるようになりました。少なくともiPadのソフトキーボードよりはブラインドタッチの可能性があると思います。

まだまだミスタッチは多いですが、希望の光は見えているように思います。コツは「下手なピアニスト(ギタリスト)になる」ですね。とにかく、使っていない指をキーボードから浮かせること。これが誤認識を防ぐもっとも有効な手段です。

ピアノもギターの運指も、できるだけ鍵盤や指板から指を離さずに弾くのがいいとされています。その真逆、つまりは「バタバタ」させるのがポイント。

うーん、これはかなり美意識を変える必要がありそうです。「滑るようになめらかに」から、「ドタバタに」ですからね。

iPhoneのフリック入力もそうでしたが、新しいことにチャレンジすると最初はかならず以前よりも効率が落ちるものです。でも、その期間を耐えて続けるうちに、うまくいけば昔をしのぐ使い勝手が手に入ることもあります。

まぁ、このあたりはPalmOSのグラフィティからiPadのスタイラスまで、さんざん挑戦してきた覚えがあります。今回もさらなる成長を期待してしばらくはトライしてみようと思います。

もっとも気になったのはピリオドとコンマキーの位置ですね。日本語でいうところの「、」と「。」にあたります。この重要なキーが数字の上にあるのはいかがなものか。なんとしても普通の英語キーボードと同じ「M」の右隣に変えてほしいと強く希望します。

あとは「音」ですね。「ピッ」音が鳴ることでキーを押せたことがわかるのはたしかに便利です。でも、会議の席やカフェなんかでこれをやるのはちょっとひんしゅくを買いそうです。

もしかしたら無音で打つのに慣れる必要もあるのか? やっぱりこの道は楽じゃありませんね。

いろいろ書いてきましたが、正直にいってオレはかなり気に入っています。なんというかじゃじゃ馬的なデバイスではありますが、その一筋縄ではいかない感じに愛おしさすら覚えはじめています。

「じゃあ胸を張ってみなさんにおすすめできるか」と聞かれたら……。かなり微妙です。最大のネックは価格だと思います。最近発売されたiPad用キーボードケースの相場は5,000円から1万円ですからね。

その2倍から4倍の便利さと使い勝手があるかといわれれば、キッパリ「NO」と答えます。実利的に検討するならMagic Cubeという選択肢はなしですね。

そうではなく、「カフェのテーブルに放射された赤いレーザーを涼しい顔してブラインドタッチする自分」。これになるためだったらけっして高くないと思います。オレもそのためにゲットしたようなものです。

でもってMagic Cubeの最大のメリットは「小型軽量」だと思います。実はキーボードケースとiPadの組み合わせはけっこう重いんですね。とくに、Appleの純正キーボードなんかとセットにしてしまうと「Mac Book Air 11インチのほうが軽いのでは?」という疑問もわいてきます。

78グラムという軽さはこの問題をズバリ解決してくれるわけで、やっぱりそこは注目に値するように思います。

最後に、この製品を開発したCelluonは韓国の企業です。Galaxy TabのSAMUSUNGといい、このCelluonといい、このところの韓国のIT企業は勢いがありますね。Magic Cubeを使えばつかうほど「この手の製品は日本が得意そうなんだけどなぁ」と感じてしまいます。

なんというか、マーケットが見える前に出してしまう的なチャレンジ精神で日本の企業にもがんばってほしいところです。ということろで、では、また!

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One Response to “赤色レーザーの未来型キーボードでブラインドタッチに挑戦! 〜 Celluon Magic Cube”

  1. no name 2011年10月14日 at 1:45 AM #

    これは数年前からあるiTech社の物真似でしかないと思います。(参考:http://www.vkb-support.com/)最近というか、相変わらず韓国企業の傍若無人ぶりには参ったものです。しかし、galaxyや今回のキーボードもオリジナルよりさらにスペックをあげているところは、中国とは違いますね。キーボードがマルチタッチに対応している点はすばらしいです。

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